会計知識、簿記3級・2級・1級を短期間でマスター【朝4時起き活動のススメ】 -468ページ目

会計知識、簿記3級・2級・1級を短期間でマスター【朝4時起き活動のススメ】

【朝4時起きの公認会計士】柴山が、これから会計について学びたい方、簿記検定3級2級1級の合格法に興味がある方、ニュースや会社の決算から会計知識を学びたい方のために、動画やメルマガなどを使って情報提供するブログです。

5日にプリマハムが、2015年9月期に1株2円の
中間配当を実施すると発表しました。

(平成28 年3月期配当予想(中間配当)の修正に関するお知らせ)

そのなかで、次のように
中間配当を決定した経緯が説明されています。

「当社は、従来、配当につきましては期末配当のみとして
おりましたが、平成27 年6 月26日開催の第68 回定時株主総会に
おいて「定款の一部変更」が決議されたことにより、
取締役会の決議による中間配当が可能となりました。…」

これまでは年一回の期末配当に限っていたのが、
事業年度の途中で配当することができるようになった、
とのことです。


株主にとっては、利益還元の機会が増えたため、
歓迎すべきニュースですね。


さて、会社が配当を実施する際には、
バランスシート上の純資産における一定の制約が
存在します。

細かい規定の説明を省略しておおざっぱに
申し上げますと、

「純資産のなかの「利益剰余金」と「その他資本剰余金」
という項目の範囲内で、配当が可能」になります。


利益剰余金とは、会社が過去に稼いだ利益(損益計算書の
末尾にある当期純利益)の社内蓄積額です。

また、その他資本剰余金とは、純利益の蓄積ではありませんが、
たとえば、「自社株を買ったあとに、より高い値段で売れた
ため、プラスの処分差額が出た場合」のその差額などです。

こういった純資産の余剰部分が、配当の原資となります。


なお、純資産の話でいうならば、
2015年6月末の第一四半期決算短信における
自己資本比率が38.4%です。

=====(参考)==========
※自己資本は、財務分析上、一般に「株主資本」と
呼ばれいている部分と「その他の包括利益累計額」(連結)と
呼ばれている部分の合計で求められることが多いです。
普通は、純資産の大部分を占めます。
===================

おおむね3割以上ならば、財務安全性の観点からいって、
全産業の平均レベルといえます。
4割以上になると、平均よりも手厚いという印象です。

プリマハムは、もうすぐ4割に届く状況ですね。

この点、新聞でも触れられておりまして、
以前、社長が「自己資本比率が4割前後に高まれば
増配したい」とおっしゃっていたそうです。


配当を考えるときには、バランスシートの純資産の部
を確認しながら実施することになります。

「配当は、純資産の余った(剰余)部分から」

この機会に、覚えておきましょう。



柴山政行

ソフトバンクが1兆4372億円の子会社配当(日経15*9*30*15)



ソフトバンクは9月29日に、
子会社から配当金をもらう旨の
発表をしました。

(子会社の配当決定に関するお知らせ)
http://www.softbank.jp/corp/news/press/sb/2015/20150929_01/


具体的な内容は次の通りです。

2016年3月期に
完全子会社のモバイルテックから
1兆4372億円の配当を受け取ります。

個別決算上は営業外収益が同額ふえますが、
連結決算上はグループ間取引のため、
個別決算でいったん計上された受取配当金(営業外収益)が
取り消されるため、業績に影響はありません。


・・・その資金は、M&Aや株主還元などに
使用できるようになりますね。


業績のいい子会社から配当を受け取り、
それをグループ全体の経営のために
活用する、という方法はよく見られます。


そのさい、会計処理としては、
(1)親会社の個別決算における処理と、
(2)子会社を合算した連結決算における処理、
の2種類が出てきます。


取引例を見てみましょう。


(取引例1)
親会社P社は、100%子会社であるS社から
配当金10億円を受け取った。


・個別決算上の処理

P社(親会社)
(借方)現金預金10億円(貸方)受取配当金10億円(P/L)

S社(子会社)
(借方)利益剰余金10億円(B/S)(貸方)現金預金10億円


以上より、P社の現金は10億円増加し、S社の預金が10億円減少
します。


・連結決算上の処理

P社の受取配当金(P/L)を取り消す連結仕訳

(借方)受取配当金10億円(貸方)利益剰余金10億円(B/S)


つまり、P社単体で見たらたしかにP社の現金預金が10億円増加し、
その原因が受取配当金(営業外収益)と考えられますが、
より大きな単位(連結ベース)で考えた場合、
連結集団の中で、「現金預金の保管場所がS社からP社に移っただけ」
と考えられるため、P社グループ全体では現金預金はまったく
増減していないです。

そのような状態で「受取配当金」といった収益を
連結損益計算書上で表示し続けることが妥当ではないので、
連結決算上は借方に仕訳して控除するのですね。

そのさいの相手科目(貸方)は、
S社の方で配当時に減少させた「利益剰余金」で、増加となります。


以上が、
「個別ではソフトバンク(親会社)の営業外収益が増加するが、
連結ベースでは控除されて、影響がなくなる」という
話の理由になります。


子会社の配当に関する、
連結上の会計処理に関するお話でした。


柴山政行