日商簿記1級を学ぶ大きな意義の一つは、
経営に役立つ「管理会計」の知識が高いレベルで身につく点にあります。
活動基準原価計算(ABC;Activity Based Costing)は非常に
興味深い理論でして、現在のように多様な工程・製造プロセスから成る
製品の原価を伝統的な配賦計算でちゃっちゃっとやっつけるのではなく、
原価を生み出す活動ごとにきめ細かく求めましょう!という
まさにアグレッシブな管理会計手法と言えます。
コスト計算を考えるにあたって深い示唆を与えてくれることから、
日商簿記1級では過去に何度も繰り返し出題されています。
今回とりあげた第162回の日商簿記1級・工業簿記の問5・問6は
非常にシンプルな問題でありながら、伝統的な部門別計算の課題を
浮き彫りにするような、とても味わい深いコクのある問題となっています
(コーヒーかいな(笑))。
というわけで、これから日商簿記1級にトライされる方はもちろんのこと、
企業に財務系のコンサル提案をされる方、あるいはコスト周りの知識を
深めたいコンサルタント・ビジネスマンの方にとっても、
学べる知識が多いため、ぜひぜひいちど問題を手に取って取り組んでみてくださいませ。