以前、家内が幼稚園の保護者の集まりに行って、
こんな話を聞いてきました。
園長先生が語ってくれたとのことです。
◎家庭で子供と接する時に、次のことに気をつけてください。
1.子供が、「愛されている」と感じられるように接する。
2.子供が、「守られている」と感じられるように接する。
3.子供が、「受け入れられている」と感じられるように接する。
園長先生の長年のご経験から、
子供のまっすぐな人格形成を妨げる要因として、
1.自分は「愛されていない」と子供が感じる。
2.自分は「守られていない」と子供が感じる。
3.自分は「受け入れられていない」と子供が感じる。
これらのどれかにあてはまる、という
ことですね。
さすがプロの教育者、的を射ているな~と
感心しました。
ここで大事なのは、おそらくは、ほとんどの場合、
親の側では、
「私はそんなつもりはない。子供を愛しているし、
子供を守っているし、子供を受け入れているつもりだ」
と思っていることです。
こういうのを、「勘違い」といいます。
親の「~しているだろう」という自己主観は、
別の人格である子供には、とうてい理解する由もない。
たとえば…
親のいらいらする態度を見て、
「あ、僕(私)のせいで怒っているのかな…」
くらいの想像は、子供って、すぐにはたらかせますよね。
中途半端に自分に自信を持っている親ほど、
「私の気持ちは、子供にも伝わっている『はず』だ」
という、根拠のない子供への依存をしているものです。
「~したら、××になるよ!」
「もう知らない!勝手に○○すれば?」
「なんであんたは、××するの?」
これらの言葉は、一見日本語の会話になっていますが、
実は、子供に論理的な回答を期待している言葉では
ありません。
たとえば、
「なんであんたは、××するの?」
といわれて、
「実は、▲▲という理由があったの」
と回答できる雰囲気を作っているでしょうか、親の方で。
もしも、上記のように子供が答えたら、
「口答えするな!」なんていわれるのが関の山だって
ことくらい、子供だって百も承知です。
だから、何もいえない…
そして、ここでもっとひどい状況になると、
「だまっていたらわからないでしょ!」
とやってしまう。完全に「追い討ち」です。
…こんなシーン、どこかでありそうですよね。
言われた方は、どうしていいかわからず、ただ
おろおろするばかり…
子供に「失敗を恐れろ!親(上司)の言うとおりの人形になれ」
と導いている典型的な親の行動パターンです。
こんなとき、子供は、
「ぼく(わたし)は、親から受け入れられていないんだ」
という意識が芽生え始めますよ、きっと。
親は、そんなことは意識していないかもしれませんが…
上記は、私も普段から気をつけているのですが、
ほんと、意識していないと、いらいらしている時など、
怖いですからね~。
自分も含めて、親としては、常日頃から、
「今、子供は、
愛されている・守られている・受け入れられている、
と実感しているだろうか」
という目で子供を見てあげていたいものです。
さて。
ひるがえって、上司と部下。
園長先生の親と子の関係を会社に置き換えて考えるならば、
次のようになるのでしょう。
「思いやる」
「部下を守る」
「部下の人格を受け入れる」
これは、ケースによってはむずかしいかもしれません。
ただ、上司としては、いつも、これくらいの心の準備を
しておいても、いいのではないかな~と思います。
特に、私の経験上、
すばらしい上司と思えた方は、
「部下のミスの責任をとる覚悟」
を持っていました。
そして、それを普段から表現し、また、
本当に実践していました。
思いやる、人格を受け入れるというのは、
「ある状態」をあらわしますが、
「部下を守る」というのは、積極的な
行動です。
なかなか、私も強く意識しないと、できない
ですけどね~(苦笑)。
もしもあなたが誰かの上司なら、
まずは、「部下に力を発揮させ、失敗をしても自分が
部下を守ってやる」という意識をもって
事に当たってみたらいかがでしょうか。
私が部下だったら、そのような上司のためなら、
ちょっとくらい無理をしてでもがんばろう、という
気になると思いますよ。