8月1日号の柴山塾テキストを作っていて、おもしろいことが
わかりました。
(テーマ:ベスト電器の企業評価と業界上位の業績比較)
少し前のデータですが、
電機量販店の業績ランキングは、おおむね次のとおりです。
平成22年3月決算(他時期決算企業あり)
1.ヤマダ電機 2兆0,161億円
2.エディオン 8,200
3.ケーズホールディングス 6,486
4.ビックカメラ 5,891
5.コジマ 4,382
6.上新電機 3,856
7.ベスト電器 3,456
(参考サイト: http://gyokai-search.com/4-kaden-ryohan-uriage.htm )
※ビックカメラは、6月26日にコジマを子会社化した)
ヤマダ、ビックカメラ、エディオン、ケーズの4強体制は変わらないですが、
ヤマダの2兆円規模は、2位以下を圧倒的に引き離して
いますね。
業界におけるシェアは30%を大きく上回っています。
独占市場と言っていいでしょう。
これに7位のベスト電器を加えますので、ますます
規模の格差は広がります。が……………
適正規模を超えると、とたんに収益性が下がるリスクを
はらんでいるのが、経営の難しいところ。
ましてや、買収先の組織ポテンシャルが、ヤマダグループの
全社収益性を押し上げるほどのものかどうかは、公表用
データから測り知ることはできません。
最後は、現場の情報を細かく正確に吸い上げ、
それをもとに決断したヤマダ経営陣の判断力にかかっています。
かのウォーレンバフェット氏が、たしか次の趣旨のようなことを
おっしゃっていたと記憶しています。
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悪い会社を買ってよくすることはできない。
もともと良い会社を買うのが、もっともよい投資である。
=============================
この意味は深いです。
「悪い会社」とは、収益源となる商品・サービスの潜在能力が
ない会社のことです。
「良い会社」とは、収益源となる商品・サービスを持っている
ことです。
もしも業績が悪い会社で、M&A後にグループ参加した後、
業績を急拡大させたいのであれば、
「マネジメントをいじれば、本来の収益源が覚醒する」と
いうパターンでしか、M&Aはまず成功しません。
ここで、買収企業の高度な経営能力が問われます。
「マネジメントのどの部分がまずいのか」の特定と、
それの対策設定、行動のプロセス、実行力の4ステップが
完全にマッチして完遂できるかどうかに業績拡大が
かかっているからです。
企業の規模は、柴山式的に言うと、次の公式で決まります。
(マーケット規模×組織効率)×コミュニケーション(=共有・共感)
マーケット規模とは、「その商品を買うお客がたくさんいるか」
という問題意識です。
組織効率とは、「しくみとして組織の生産性が高いか」です。
コミュニケーションとは、
「その組織の構成員や関係者が情報や考え方を共有・共感しているか」
です。じつは、これがいちばん組織の器の決定要因としては大きいです。
ヤマダ電機にかぎらず、そのM&Aがベストな選択になるかどうかは、
私の個人的な見解としては、「マーケット規模は既にある状態」で、
その会社の業績低迷の理由が「組織効率の不足」または
「コミュニケーションの不備」にある場合にほぼ限られると思います。
マーケットを「新たに創造」することは一般には非常に困難だからです。
今般あきらかになったヤマダ電機によるM&A案件の成否は、
ベスト電器の商品・サービスを買ってくださるお客様が潜在的に
伸びる可能性があることが大前提であるとして、
マネジメント面での改善が見込めるかどうかにかかっているのでは
ないでしょうか。
柴山塾では、電器量販店ベスト3(ヤマダ、エディオン、ケーズ)
にベストを加えた大手の過去9年推移の業績比較をしました。
けっこう面白い分析結果が出たので、柴山塾生の方、ぜひぜひ
楽しみになさっていて下さいね!!!
柴山政行