財務省が、海外からの輸入取引となる電子書籍・音楽・広告など
のサービス消費に対して、国内企業からの消費と同じく
消費税を課する方針を固めた、とのことです。
消費全関連法案が国会で可決すれば、2014年4月から、まずは
消費税率が5%から8%に上がります。
早ければ、この時期が海外からの配信サービスに課税する
タイミングになるかもしれないようですね。
商品・製品の販売やサービスの提供などの取引に課税されるのが
消費税です。
商品を販売し、消費税を受け取った事業者は、
(税込方式)か(税抜き方式)のどちらかの方法で
会計処理されますが、より一般的と考えられる(税抜き方式)を
ここではご紹介いたしますね。
(税抜き方式)商品・サービスの対価と消費税を区別する。
1.仕入れをした時(仕入代金100円、消費税8円とする)
(借方)仕入100円
(借方)仮払消費税8円
**********(貸方)現金108円
2.商品を300円で販売した時(販売代金300円、消費税24円)
(借方)現金324円
********(貸方)売上300円
********(貸方)仮受消費税24円
…消費者は大変ですね~。
300円のものを買っただけで、追加で24円も払わされるんですから…
さて、確定申告の時期がきました。
上記2.で仮受けした消費税24円と上記1.で仮払した
消費税8円の差額、すなわち16円の納税義務が発生します。
(未払消費税という名称で計上します。)
3.納税義務が確定したら(決算時)
(借方)仮受消費税24円
********(貸方)仮払消費税8円
********(貸方)未払消費税16円
未払消費税は、決算日後の納税期限までに支払われます。
これが、国内企業による音楽の配信サービスならば、
上記のような消費税が発生して、事業者には納税の事務、
消費者には納税負担が重くのしかかってきます。
もっというなら、零細事業者ほど、マーケットに対して
価格支配力などあるわけないですから、消費税増税分の
価格転嫁すらあやしいわけでして、売価アップに
つながらなければ、増税分の納税負担まで事業者が
負う、という不条理が起きても何ら不思議ではありません。
これが、「中小事業者の経営者さん、消費税アップは
あなたの首をさらに締めあげますよ」と以前から
申し上げている大きな原因です。
けっきょく、価格転嫁できるのは大企業などの「強者」で
あって、ここでも格差が拡大する構図がみてとれる
わけです。
この点、海外からサービス配信されるならば、
消費税の負担がかからない、という制度の不備が
あるわけですから、消費税率があがるほど、これにともなう
海外への事業流出が加速することになります。
あるいは租税回避的なズル行為も、増えてくるかも
しれませんね。
そういった不都合をなんとかするために、海外からの
配信などにも消費課税をしようとする動きです。
気持ちは分からなくないですが、実務的な壁は
大きいように思います。
ちなみに、海外企業からダウンロードするということは、
経済的には「輸入取引」ですから、国内の富は
海外に流出しますよ。
国内の企業に配信収入が入らず、海外企業に配信収入が
流れ出す、という富の海外逃避にもなるわけです。
とうとう法人税率を下げる話も、どっかへいってしまい
ましたし…。
理屈じゃなく、表面税率が他国より高いという名目値が
印象として悪い、ということをなんとかしないとね。
インターネットは、目に見えない取引ですから、
補足するのがリアルの商取引より難しいので、
今後、財務省の方では規制面で苦労するだろうな、
という気がします。
でも、たいへんだけど、制度がそうなる以上、
海外企業との不公平はたしかに何とかしないといけませんね。
消費増税の影響は、ほかにもいろいろ出ると思います。
柴山政行