Lesson-38監査手続の一例
ここでひとつ、私たち監査人がクライアントの会計帳簿をどのように監査するのか、その手続を簡単な例でご紹介しましょう。
一般に、会社の通常の業務時間は朝9時から夕方6時くらいまでの間となります。監査人は、そのあたりを考慮して、クライアントにお邪魔する時間をだいたい9時半から5時半までと設定することが多いですね。
なぜなら、始業時間の9時ちょうどに行っても、会社の方で監査の受入れ体制がまだ整っていないですし、また、終業時間ぎりぎりまでいると、その後、帳簿の片付けなど、会社の人の後始末が業務時間より遅くなり、かえって迷惑をかけてしまうからです。
さて、それでは実際に、朝9時半にクライアントの会議室に到着したとしましょう。だいたい、1チーム3人~5人くらいの人数です。
まずは、会社の担当のお姉さんが出してくれるお茶を飲んで、一息入れます。そして、主査という、現場のまとめ役の公認会計士が、その日の各監査人の担当業務を割り振ります。
昔、わたしが監査業務をしていたときは、次のような分担表を作って担当業務を明らかにしました。この表は一例です。
このように、現金預金、受取手形、売上高や仕入高など、取引項目ごとに監査手続の担当者を決めます。往査日とは、監査に伺う日のことです。ここでは、1年の途中で、会社の会計業務が適正に行われていることのチェックをする目的で監査に行く、という状況を想定しておきます。
「関与社員」というのは、そのクライアントに関与し、その財務諸表が適正であるかどうかにつき監査証明を行い、サインをする責任者のことをいいます。
社員とは、監査法人という会社における役員のことなんだ、と考えていただければよいでしょう。
(つづく)
