ある時、公認会計士2次試験に合格したばかりの会計士補が、監査先の会議室で作業をしていました。ちょうど入口に背を向ける形で椅子に座っていました。そこへ、新任の経理担当の方が、初対面のあいさつにやってきたのです。
「はじめまして、〇〇です。今後ともよろしくお願いいたします。」
そういって、名刺を差し出そうとしたのですが、当の会計士補君は振り向きもせず、背中越しに名刺を受取り、あいさつもそこそこに作業を黙々と続けていたそうです。
ここまでひどくはないにしても、たとえばクライアント(得意先)に社外文書として郵便物を送るときの宛名であるとか、同封する書類送付の案内文の書き方とか、あるいは月曜の朝一番に電話を掛けるのは朝礼などの妨げにならないよう原則として遠慮するとか、相手に失礼のないような行動を求められることが多々あります。
これは、各自の意識の問題で、良くも悪くもなるものです。もっと言うなら、監査という仕事は、相手の協力がないと全く成り立たないものです。
たとえば、頼んだ資料をすぐに出してくれなかったり、重要な事実をわざと教えてくれなかったりされると、仕事に大きな支障をきたしますし、日程だって、相手がなかなかこちらの都合にあわせてくれない時などは、スケジュール調整に苦労します。
これも、相手との信頼関係のあるなしで天と地ほども変わってきますので、やはり、お互い気持ちよく仕事を進めていくうえで、社会人としてのマナーは意識して身に付けなければなりません。