Lesson-31 専門家たる前に社会人たれ!
新人の頃、上司の先生に何度も聞かさせた言葉は、「専門家たるまえに社会人たれ!」でした。
わたしの最初の上司だったN先生は、とてもユニークなキャリアの持ち主で、大学卒業後は長らく営業畑を歩いていました。公認会計士2次試験を受験したのは30歳半ばだったそうです。合格後は個人の税務事務所にも勤め、様々な会社経験をされていました。そのためもあってか、確かに他の公認会計士の方々とは、雰囲気が違ったのです。
一番に目を引いたのは、何と言っても胸ポケットのハンケチです。きちんと3つに折って、行儀良くポケットの上から顔がのぞいていました。さらに、(本来なら当たり前なのでしょうが)スーツは常にパリッとしていて、ズボンには折り目がついています。背広もしわになっていません。当然、ワイシャツの腕にも折り目がつけられ、袖のカフスポタンがきらりと光っています。そういえば、靴も常にピカピカでした。
もちろん、他の公認会計士がダサい、といっているわけではありません。お洒落な人もいっぱいいます。ただ、どちらかというと「相手に対してどう自分を演出するか」というテーマには、それほど強い関心を持っていないのが、平均的な公認会計士の意識だと思います。
(つづく)