Lesson-30 公認会計士という資格の社会的評価と気持ちのギャップ
公認会計士試験に合格した時は、厳密には「公認会計士になる資格」を得たに過ぎません。当時は「会計士補」などと呼ばれていました。
公認会計士試験に合格した後、実務補修所の研修と一定期間の実務経験を経て、通常は3年程度で公認会計士として登録することができるようになります。
公認会計士として登録できるようになるまでは、独自の名前で監査証明を出すことはもちろん、税理士業務を行うこともできないわけです。これはまだ、実務経験や専門的知識がまだ不足していることを考えれば、いたしかたないことといえるでしょう。
しかし、監査法人や個人会計事務所で補助者として業務を行うことにより、同年代の一般企業の新入社員よりは1.5倍くらい良い報酬をもらい、「先生」と呼ばれて仕事をすることができます。また、公認会計士ということで時々羨望の眼差しで見てもらえたのは、正直言って、最初のころはとても快感でした。
逆にいえば、まだ、それなりの責任を背負って仕事をするには、もう少し知識と経験が必要な時期として、猶予期間を与えられたようなものです。
だから、この時期は、少しぐらいの失敗は恐れず気にせず、目いっぱい研究(専門家のはしくれなのですから、「勉強」とは私は言いません)と仕事に打ち込めばいいのです。
新人会計士時代の3年間における実務の取り組み方と研究の量によって、その後のキャリアに大きな個人差がでます。なにごとも「はじめが肝心」なのです。
私も、監査の現場に出てはじめて、「ああ、人間、一生学び続けなければいけないんだな……」と強烈に実感しました。