Lesson-14 最後のチャンスと母のガン宣告 2/2
3日目の試験が終わると、私は、そこから電車で1時間ほどの所にある祖父母の家へ、2~3泊の予定で遊びに行きました。途中、電車の中で解答速報を見ると、第1問と第2問の商業簿記がほぼ満点だったので、「これは受かった!」と、思わずガッツポーズを決めていました。
家に着いた頃には、すっかり辺りは暗くなっていました。
祖父も祖母も、私の1年ぶりの来訪を心待ちにしていてくれたらしく、非常にリラックスすることができました。
ちょうど夕食が終わった頃でした。電話がけたたましく鳴り響きます。
「もしもし。ああ、いるよ。ちょっと待って、今変わるから。政行、母さんからだよ」
祖母が、受話器を私に預けました。
「もしもし。おかげさまで無事終わりました。今度は手ごたえばっちりだから、大丈夫だと思う」
これを聞いて喜んでくれると思いきや、以外にも電話の向こうの声は、事務的で無感情なものでした。
「政行、落ち着いて聞いてな。実は3日前に病院で検査してもらって、子宮ガンだって言われたよ。試験中に動揺させちゃまずい、と思って今日まで黙ってたんだ」
「…助かる見込みは?」
「多分助かるってよ」
体中の力が抜けました。
「それで、来月早々には手術だから、家の事、いろいろ迷惑かけるけど、頼むね」
そう言うなり、電話が切れました。
どうやら、祖父と祖母は知っていたようです。
すぐに入院する、と言っていたので、予定を早めて翌日、帰ることにしました。
人生、なかなか安穏としていられません。
しかし、公認会計士受験のプロセスで学んだことは、会計知識以外にも、すごく多かったように思います。
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