前の年の秋には、東大君のやり方をある程度吸収していたので、それを経済学で実践してみようと思い立ちました。
経済学の基本書と問題集を計8冊ほど購入しました。その中で、一番早く通読できそうな本を一冊に絞り、それを徹底的に繰り返すことにしました。個々の論点で分かりづらいところのみ、比較のため参照する資料として、他の基本書を横においておくことにしたのです。
本を買ってから、最初の2週間で、とにかく1回通読しました。もちろん練習問題を、分かろうが分かるまいが全部解いた上でのことです。
ここでのコツは、「とにかく前進あるのみ」です。少々分からないところは、どんどん飛ばして、はやく一通り読み終えるのがポイントです。それが、1回目に分からなくても、2回目に最初に戻る頃には、ある程度の知識もついてきていることから、案外簡単に理解できたりするものです。
こうして、1ヶ月の間に、経済学の全範囲を3回繰り返しました。
この時の経験が最も大きかったと、今では確信を持って言えます。
そうやって、順調に(?)学習を重ねた結果、6月に発表された初めての公開模擬試験の結果は、予想外に良いものでした。約1,000人の受験者に対し、おおむね100番ちょっとのところに位置することができました。当時、上位200番以内だと、大体60~70%程度の合格率だったと記憶しています。
私は、思った以上の効果に、正直調子に乗っていました。
愚かなことに、すっかり「合格はもらった!」という気になっていたのです。
「柴山君、あとは体調に気をつけて、ペースを落とさないように。大丈夫!合格ラインに乗っているよ!」
よく受験の相談に乗ってもらっていた講師の方から励まされ、お調子者の私は、無意識のうちに気を緩めてしまっていました。
精神面のコントールって、本当に難しいですよ。
いったん緩んでしまった緊張の糸は、簡単にもとへは戻りません。
なお始末に終えないのは、本人は「自分はちゃんと努力している」と思い込んでいながら、知らず知らず手を抜いていることです。
競争というのは、相手があることです。2ヶ月前に有利な位置にあっても、残りの時間で競争相手が自分の2倍勉強していたら、最後には逆転されてしまうものなのです。そのことを、当時の私はまだ知りませんでした。
次のテーマは、「Lesson-10 時として、失敗体験談の方が参考になることもある。」です。