【シネマメモ帖 「フロントランナー」は自業自得のブラックコメディーである。 】先行試写... View this post on Instagram 【シネマメモ帖 「フロントランナー」は自業自得のブラックコメディーである。 】 先行試写会で鑑賞した本作。 1988年の米国大統領選挙に立候補していたゲイリー・ハート(演じるはヒュー・ジャックマン)は、当選確実と言われながらも自身の「女性問題」に足元をすくわれ、やがて失脚していく。 その顛末を、ゲイリー本人とその家族、ゲイリーの選挙スタッフ陣、新聞記者等のマスコミ陣それぞれの立場から描いた作品。 一言で言うと、「下世話な「ペンタゴンペーパーズ」」みたいな内容だった。 観終わった後に思ったのだが、日本の宣伝だと、 「有能な政治家が何者かのワナにはまり、スキャンダルの濡れ衣を被せられた。罠をしかけたのは誰だ!?」 みたいな政治サスペンス風に描いているけど、いやいや、実際はゲイリー自身の女癖の悪さによる「自業自得」、ただそれだけです… 本国でのポスターの方が本作の内容を明確に表しています。 そう、これはブラックコメディーとして笑ってあげた方がいいと思うんですけど…😅 とにかくゲイリーは、大統領選挙中に「あんなこと」しておいて、「政治理念や政策がしっかりしていれば、ゴシップ記事なんかどうってことない!」と、あまりにも詰めが甘すぎ。 そりゃ選挙スタッフ陣も頭抱えるわ… やがて、スキャンダルが公になり、奥さんに事実を告白するゲイリー。 当然、奥さんにこっぴどく叱られるゲイリー。 このときのゲイリーを演じているヒュー・ジャックマンにかつてのウルヴァリンやバーナムのような堂々とした姿は微塵もない。 また、本作で印象的だったのは、ゲイリーに対する男女間の考え方の違い。 劇中でゲイリーの理想に共感する若い新聞記者が「スキャンダルの疑いがあるけど、政治家としては立派」と擁護すると、 先輩の女性記者は「女癖のワルさは、女性蔑視のあらわれ。もし大統領になったら、女性問題含めて、自分の都合の悪いことは隠蔽するに違いない」と鋭い視線でかなり辛らつに批判。 確かにそうかもと実感。 そして、男は男に甘い…反省。 あと、実は本作では、問題の「スキャンダル」描写はほとんどない。 せいぜいゲイリーが隠れてコソコソと公衆電話かけていたり、別宅に恋人を入れた瞬間の写真が出た程度。 これは、ゲイリー本人(存命中)からの注文およびヒュー・ジャックマンへの配慮かもしれない。 もし、主演がマイケル・ダグラスとかだったら、スキャンダルシーンは「これでもか!」っていうくらい濃厚な濡れ場を展開していただろうな、と勝手に邪推。 そして、本作のラスト 「ゲイリー本人は今も夫婦生活を続けている」 とコメントが出た瞬間、 「嗚呼、こりゃ一生奥さんに頭上がんないだろうなぁー」 と思わずにいられない。 これをブラックコメディーと言わずになんと言う? #フロントランナー #ヒュージャックマンかっこいい #映画好きと繋がりたい しろかわつよしさん(@t.shirokawa)がシェアした投稿 - 2019年Feb月5日am4時17分PST