日が経ったので、前情報なしで共通テストに挑みたい!という人はもう既に問題を解き切った時期とは思いますが、一応ネタバレ注意とさせていただきます(笑)

 

 

共通テスト数学、毎年恒例ですが今年も時間を測って解きました。

予想を裏切られる内容、逆に予想問題集によく散見された内容、どちらもありましたね。生徒目線での今後の対策等詳しい話は生徒たちと直接していくとして、完全な個人的感想を。

 

数学1A

1⃣ [1]

 無理数の評価。誘導が丁寧でよく言えば計算するだけ。この大問だけでなく数学全体として誘導が丁寧で、しっかりと誘導に乗れば解きやすい問題が並んだ。

式変形も特殊な変形をするものはなく、”簡単な形に整理する”素直な問題だった。生徒の一人は誘導無視で最後の問題を解いたらしい。計算力お化け?開平方の筆算という別解がある。

1⃣ [2]

 電柱の高さを求める問題。三角比の表を用いる問題があったが高度な使い方は要求されず。いくつかあった選択欄から正しいものを選ぶ問題では、選択欄を観察することでどの角に注目すべきかのヒントとなった。そのおかげで解きやすく感じた者もいたかもしれない。ただし最後の問題は難しかった。解答は「CD=(ABを含む式)」という形で穴埋めになっていたが、「AB=(CDを含む式)」としてからCDについて整理する。これは全体の文の流れを理解しているとそういう発想になる。が、実際に解いたときは迷ってしまってこれだけに5分程度かけたことが悔しい。余弦定理、正弦定理等は使わず、辺の比に注目し続ける問題だったのが珍しかった。

 

2⃣ [1]

 時間で移動する点Pと点Q、定点B、それにより定まる三角形PBQの面積の考察。面積パズルをしていくのが普通と思われるが別解にベクトルがあり解答が簡潔になる。ほぼセンター試験だが、場合分けに気付かせる誘導はあるもそれ自体に得点はなかったことに少しだけ共通テストらしさを感じる。全体として計算力で勝負する問題。

2⃣ [2]

 データの分析。データの修正、追加、変換といった差のつきやすい問題は出題されず。(iii)では偏差値計算(のようなもの)が題材の問題が出たが深い理解が出来なかったり、意図が読み取れなかったりしても説明文に従えば解答に至れる。式だけ与えて、”より優れているのはzが大きい方と小さい方のどちらか?”と言う問題にした方が共通テストらしさを感じられたかも。

 

3⃣

 場合の数・確率。実質空き部屋の問題。2次試験対策を積んだ者は誘導無視で解き進めた方が楽に感じたかもしれない。誘導に乗るのが得策と感じたが別解はいくつかある。所々、うまく”誘導を無視した解答”をすると速いが、時間制限をこえた”タイムアタック走者”向け。

 

4⃣

 3,4,6進法タイマーの問題。n進法と1次不定方程式との融合で、n進法はおまけ気味。でも不慣れだと時間がかかりそう。n進法の計算は機械的に行いたい。大手予備校の予想問題集に類題があった。最後は1次不定方程式の係数部分に注目し解の存在について調べる問題だが、選択欄が巧みでうまく惑わしに来ている。実際に出題されるのは初だがこれも予想問題に出たし、過去開催された思考調査では更に難しいものが出ていた。共通テストでもセンター時代と変わらず1次不定方程式は頻出だが、それを”剰余に注目して解く”力があると時短になるものが増えた。今回の問題も合同式を使いこなせると最後が速い。

 

5⃣

 星型図形の考察。センター試験と大差ない。誘導の流れ、最後の問題で今までの誘導の理解を問う、など”センター慣れ”していればやりやすい。実際に解いたときは選ばなかった。とっさに整数問題を捨ててこっちに鞍替えというケースが多そう。

 

 

全体として、うまく難問を相手にしない力が問われる問題構成。100点を目指すなら話は別だが、いくつかの問題は飛ばすべきで、その選定はしやすかったのではと。計算量は少ないがその分思考力が問われた。例年より90点以上が増えたのでは?100点は減ってそう。選択問題は幅広い能力が問われた整数が一番難しかったと思われるが、一つひとつはよく見た問題で、計算量も工夫次第で減らせることから上位層は解きやすかったと思われる。

 

ⅡBも解いてみていろいろ思ったが長くなったのでまた今度。

講師としてはいろいろ考えることがあるが、いち数学好きとして、毎年この時期は共通テスト最新作を解けてとても楽しい。