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前回(教育関連ニュース)に続き、10年以上前の2012-3-30にお届けした記事です。

こちらも、現在に通じる内容ばかりだと思ったので、そのまま再掲してみます。

当時と比べて、改善している問題もあれば、改善していない問題もありますが、総じてあまり変わっていないことが多いあたり、教育業界の相変わらずの進歩の遅さを表しているかもしれません。
なお、リンク切れしてしまっている記事が多いのはお許しくださいね。
 

 

話を戻して、大学生に関する記事です。

大卒=エリート「今は昔」

大学生の学力低下はもはや誰の目にも明らかですし、大卒でもまともな就職が無いことも当たり前の世の中になっていますよね。

さらに、「大学1年の授業で、就職試験に出る一般常識問題集に取り組む大学がある。数学、国語、理科、社会、英語は、いずれも中学卒業程度の内容だ」とあるように、最高学府であるはずの大学で、高校内容や、中学内容を教えるのも、今や当然の光景です。

そういった現状を見ていますから、レストランなどで保護者の方同士「どうしても大学は行かせたい」「大学くらいは当然よね」などと盛り上がっているのを耳にしますと、「大切なのは、大学に入るかどうかでは無く、中身なのですよ・・・」と心の中で語りかけています。

名前としての「大学」と、現状としての「大学」の大きな格差に気づいた上で、子供の進路を考え、相談に乗ってあげられる親御さんこそが、本当の意味で、お子さんの将来を真剣に考えていると言えるのかもしれませんね。ただの「勉強しなさい」「大学には行きなさい」が、どれほど底の浅い言葉であり、多感な時期の生徒の反感を買っても仕方ないかが、これをお読みの方々にはすでにお分かりいただけていることと思います。


さて、ここで出てきた「就職試験の一般常識問題」ですが、本当に中学生レベルの問題が満載です。

実際に書店で手にとっていただくと一目瞭然ですが、多くの問題は、中学生でしっかり勉強しておけば、しっかりとれるはずのものばかりです。それを一人前の大学生がわざわざ時間をとり、お金を払ってスクールに通うなどするのは、本当にもったいない話だと思います。高校で詰め込みすぎるがゆえに、中学内容を忘れてしまうのは仕方のないところではありますが・・・

こうした就職試験に「高校で学ぶ内容が殆ど出ない」というあたりに、企業は「大学の内容どころか、高校の内容でさえ社会では役に立たないから、それよりも中学までの基本ができる学生がほしい」と言っているようでもあり、そこに今の教育の歪みを感じてしまうのは、私だけではないでしょう。


なお、ここで出てきた「ブラック企業」ですが、それに関連した記事が例えばこれですね。

“正社員”エサに残業100時間 「マジで無理…」と首つり

あまりにひどい扱いのようですが、今の日本ではこれが日常茶飯事になりつつあります。決して、一部の特殊な例ではありません。

かなり前なら「運が悪かった」で済まされたでしょうが、就職氷河期以降は、自らこういう危険な会社を避けるための知識と知恵も身につけねばなりません。学校や先生や親に喜ばれる、「素直で聞き分けの良い子」ほど、むしろ「餌食」になってしまう構図もあるのですね。

もちろん、理想論的には、「いくら厳しい雇用環境でも、正当な会社で採用されるだけの能力や人間性を磨くべき」という話になります。しかし、有名で無難な会社ほど裏では大学名を重視しますから、内面だけで勝負はできません。

また、大企業では凄まじい倍率になりながらも、中小企業では人手不足で悩む会社が多いという、ここでも「格差」が生じています。

学生の内に学力格差が生じており、大手企業ほど、生徒の将来性よりも、今の生徒の能力を見て採用するのですから、格差のままに採用が決まります。すると、これでは格差の下に位置する生徒は、いつまでたっても救われません。

格差の下にならない努力も大切ですが、それよりも大切なのは、たとえ格差の下であっても、そこで生き抜く力では無いでしょうか。

学歴が無くても大手企業に食い込むだけの力をつけるも良し、中小企業の中で活躍の場を見出すも良し、未来の大手企業を目指すベンチャー的な会社で情熱を燃やすも良し、自ら起業して夢を形にするも良し、資格や専門性を身につけてやりたいことを生業にして生きていくも良し、新時代に向けたもっと新しいライフスタイルを見つけ出すも良し。

いわゆるエリート層だけが幸せな人生を送れるわけでもなく、有名大学や大企業に入っても、その後転落していくような道をたどる人も数えきれません。今の変化の早い次代では尚更です。格差の上下に翻ろうされるのではなく、今いる場所で、いかにより良く生きられるかが重要視される次代になってきたのでは無いでしょうか。


最後は、それに関連した(反した?)記事です。

宿題手伝う母親増える
 

宿題を手伝うこと自体は悪いとは思いません。問題は「手伝い方」ですね。

自転車が乗れるまで、後ろを持って伴走してあげるのは、悪いことではなく、むしろ必要なことですよね。しかし、いつまでも後ろを持っているのは良くありませんし、さらに「心配だから補助輪をつけなさい!」とやってしまっては、それこそ自立(自走?)のできない大人になってしまいます。

しかし、勉強になると、これと同じ失敗を平気でしてしまう親御さんは多いです。特に、「子供が大人になって独り立ちできるか不安」 と感じるからこそ、必要以上に子供に手や口を出してしまい、逆に自立を妨げていることは多いです。
 
「正しい関わり方」を学ぶ場が無いため、仕方のない面はありますが、願いと逆のことをしてしまう不条理さは、あまりに悩ましい点だと思います。

また、「できるだけ良い大学に入れるよう成績を上げてほしい」というのも、その願い自体は悪くないのですが、上に書いてきたように、その願いの本質を見誤っていないかを思い返すことをしないと、子供にとってはただの重荷や押しつけになってしまいます。

特に、この思いを押しつけながら、宿題を手伝い、学校や塾のノートに目を通すことをしていると、子供の自立はどんどん妨げられていきます(苦笑)

なお、首都圏の結果ですから、いわゆる「お受験」を目指した「教育ママ」の比率が高いことも影響していると思います。

一方、地方ですと今度は、「自転車に乗れない子供から、無理やり補助輪をとりあげる」ような関わり方をする人が増えます(笑)

何事もほどほどが大切ですから、お子さんに合った「適切な関わり方」を、そして、お子さんの成長に合った「関わり方の変化」を大事にしてくださいませ。