高校1年の壁 | 中学生の勉強法と親の心得 ~塾長直伝! 高校受験対策と反抗期の対応法~

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 入試が終わると、高校へ向けた勉強をする生徒もいると思います。たとえ本人がそう思わなくとも、合格発表の日には大量の課題を出す高校もありますしね(笑)

 今日は、よく話題となる「高校1年の壁」がテーマです。

 実際に体感された親御さんならご存知だと思いますが、普通の進学校であれば、進度は中学校の3倍かそれ以上ですよね。しかも、中学までと違って、通知表があまり意味を持たなくなるため、生徒が聞いていようといまいとに関わらず、無機質な授業をひたすら続ける先生も登場します。ある種のカルチャーショックを感じる生徒も多いでしょう(笑)

 そして、スピードはもちろんのこと、難易度も飛躍的に上がるため、最初はどうしてもついていくだけでもやっとの状態になりがちです。

 それに加えて、上位の進学校だと、いきなり入試レベルを求められます。教科書をしっかり学べば点数の取れる高校入試と違い、教科書だけでは全く足りないため、どこも教科書よりはるかにレベルの高い問題集を補助に使います。

 そこでは、いわゆる入試レベルの問題ばかりをもとにして作られたような問題集(青チャートなど)を傍用問題集やテスト範囲用の問題集に使用するところも多く、学校で習ったその日に出される宿題が、いきなり入試過去問レベルということも普通に起こります(笑)

 それらをどうにか乗り越えて、「よし、入試レベルでもできるようになったぞ」と思っても、実際の入試ではもう何段階も難しい問題が出ます。難関大に至っては、全く次元の違う問題に出会えるでしょう(笑)

 中学では、授業のレベルを10とすると、宿題のレベルは5-15くらいで、実力テストが20くらい、公立入試本番は20-25くらいでした。

 これが高校になると、授業のレベルを10とするなら、宿題はひどいと30くらいまで跳ね上がり、模試などでは40-50を超え、入試本番はさらに上を行きますよね。

(イメージをお伝えしたいだけなため、ものすごくいい加減な数字です)


 例えば数学なら、公式を初めて習ったその日に、いきなりレベルの高い応用問題が大量に宿題として出されるのです。そのハイペースで毎日の学習が進む中、課題テストとやらでは入試の過去問が普通に出されるのですから、苦戦するのも当然です。

 そのため、一部の超優秀な生徒を除いて、ここで多くの生徒が一度はできなくなります。

 しかし、自力のある生徒は、諦めずに頑張って、そのスピードに慣れ、克服していきます。中学時代にあまり勉強しなくてもついていけた生徒などは、得意教科については、そのまま何とかなってしまうことが多いです。

 反対に、中学時代に塾におんぶにだっこで、言われるがままにやって成績を維持してきたようなタイプだと、あっという間についていけなくなります。ただし、そういう生徒でも、お金さえ使えば(笑)、再び塾に面倒を見てもらって、苦しみつつも乗り越えることができるでしょう。

 ところが、できない生徒は簡単に諦めることになります。わりと多くの生徒が、苦手な教科を捨てて放棄します。

 そして、できないだけならまだ良くて、考えることを完全にやめて無思考状態になってしまう生徒が出現し始めます。

 実は、これがますます頭を悪くさせ、「小学生よりできない大学生」を生み出すもとです。高校まで入れるのですから、もともと小学生よりできなかったのではありません。高校に入ってからの「無思考状態」が、どんどん頭を悪くさせ、自信を失わせ、勉強への拒絶反応を染みこませ、できていたはずの内容までできなくなってしまう・・・これが隠れた恐怖ですね。

 ただし、それでも大学は受かるのですけれども(笑)


 こうした高校1年の壁を超えるのは、中学時代の点数ではありません。ドーピング的な勉強でこなしていても、それは全く通じません。範囲とスピードが中学とは比にならない以上、ドーピング的なやり方ではちっとも追いつかないのですね。

 ましてや、中学時代の通知表などは何の役にも立ちません。オール5の生徒でも、高校に入ったら下位に埋もれてしまった例は山ほど見ています。

(そもそも通知表は、中学校の先生からの人気投票のようなもので、本当の学力を表すものではありませんよね)

 多くの中学生指導の塾は、上で言うドーピング的な指導法です。もちろん、そのほうが定期テストなどで成果が出やすいからであり、指導する側も指導力がいらず楽だからであり、何よりも、そのやり方を歓迎する生徒、保護者が多いからですね。しかし、高校に通用する力を育てるという観点では、むしろ逆効果です。もちろん、社会に出てから役立つ生きる力という観点でもですね。

 短期の成績を上げることも大切ですが、それと同時に、長期的な視野でする勉強も大事にしてください。「社会に出てから」までを考えて勉強するのはさすがに欲張りすぎかもしれませんが、少なくとも「高校に入ってから」通用するやり方で無ければ、全く意味がありませんよね。

 そういう指導を選択できる生徒、保護者、そして塾や教師が増えることを願っております。
 

 

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