マングローブの森様からのご相談です。
お待たせいたしました。
小4女児、ADHD傾向有り。
小学校受験を経験していて、幼少から勉強習慣があり、読書と勉強は好きで、現在最難関校向けといわれる大手進学塾Sに通って中学受験をめざしています。
塾の偏差値では算数48、国語60 二科で55程度
(他塾のテストを受けてみたところ、日能研や四谷の偏差値だと算数55、国語63程でした)
理社はまだテストがないので分かりませんが、興味が有りこども新聞や地理の本など興味を持って自分から読むなどしていますので、最低でも平均点くらいはとれるのではと思われる子です。
ADHD傾向というのは、授業が聞けないとか騒ぐとかではなくて、忘れ物が非常に多い、教わった事も忘れたり、指示されたことを忘れたり、洗濯に出すのを忘れたけれど、汚いままでも平気・・・みたいな所がありまして、持病があり発達面を診てもらっている病院でADD傾向と言われているからですが、
周りの人からはこの子が障害があるようには思われていません。
その程度に軽いです。
中学受験を目指して、勉強しているのですが、困ったことに計算ミスが多いのです。どちらかと言えば、算数の方が苦手なんだろうと思いますが、明らかにやり直せばできるような簡単な計算問題でミスを連発します。
計算力も不足しているのが手伝って、問1.2の簡単なところで点が取れません。
主人は『計算力がないんだから、数をやらせなきゃミスは減らないんだ。圧倒的に計算問題をやる量が足りていない』といいます。
そうゆうものなのでしょうか?
ちなみに毎朝30分の家庭学習で漢字と計算問題をしていますし、毎日1~2時間ほどは塾のテキストで勉強していて計算問題も多少混じっていますので、やらせていますが、計算問題ばかりがんがんやっているという感じの勉強法ではないかもしれません。
思考力系の問題をよくやります。難問が解けるくせに計算問題のミスが目立つね・・・というタイプです。
塾の先生からもミスは致命的ですから、何とかミスが減るようにしていって下さいと言われましたが、どうしたらいいものか?ミスの減らし方の助言は頂けておらず途方にくれております。
この子の性格的な問題(忘れっぽい)で、見直しをするように何度も言っても見直しする癖が付きませんし、途中式は書くように言っているのですが、問題文から転記する時点で数字が間違っていたり、計算が間違っていたり、この子からミスを無くすなんて無理な事なんでしょうか?
志望校は国立の筑附か都立小石川、私立では渋渋です。
娘の夢が理系の職業なので、何とか計算ミスを無くしたいのですが、どうか、アドバイス頂けませんでしょうか?
「公立高校を受験する中学生向けのブログ」ですから、私立中学入試に関してはお断りしようかと思ったのですが、ご質問部分は全てのお子さんに共通する内容ですね。
そこで、私立中学入試については、あまり立ち入らない形で御返事させていただきます。
(その点については、該当の専門家にご相談くださいませ)
ADHD傾向については軽度のようですから、普通に個性の1つとして捉えて良いと思います。思考力系の問題に落ち着いて取り組めないようだと悩ましいですが、お書きになられているご様子であれば、おそらく受験の妨げになることも無さそうです。
計算ミスとの関連性もご心配かと思いますが、「忘れっぽい」「見直ししない」などの点では関連性が見受けられるものの、全ての計算ミスがそこに由来しているようには思えません。実際に、間違いの傾向から見ても、それだけが原因では無さそうです。
さて、ご相談内容については、関連記事がいくつかありますから、そちらをご紹介しながらお答えして参ります。
まず、計算ミスの傾向については「ケアレスミスを減らす勉強法」をご覧下さい。
具体的には、転記ミスと計算間違いの一部はケアレスミスでしょうが、マングローブの森様も書かれてもいるとおり、その他のミスは計算力自体の不足が原因でしょう。
ただ、計算力を鍛えるのに、「とにかく計算問題を増やせば良い」という考え方には否定的です。こちらについては「大量に計算させればスピードが上がる?」をご覧下さい。
そちらでも書きましたように、基礎部分の反復練習は重要ですが、応用や工夫が必要な計算の反復練習、機械的な大量演習はあまり意味がありません。効果が無いとは言いませんが、それが合う生徒よりも合わない生徒のほうがずっと多いのですね。
そして、お書きいただいた現在の学習時間であれば、通常の計算練習には十分でしょう。ただし、万一「基礎部分」が身についていないようであれば、それとは別の練習を一定期間で集中して、かつ、ステップを踏みながら行ったほうが良いでしょうね。
性格的な理由で「何度言ってもやらない」のは、焦ってもすぐに直るものでは無いため、しばらく成長を見守りたい部分です。しかし、ただの基礎計算くらいであれば、「口で何度も言うよりも、身体で覚えさせる」のがより適切です。
なお、実際の生徒や答案を見ない限り具体的な状況が分かりませんから、どういった問題をどの程度やるのが良いかは言えません。ただ、やるにしてもそんなに大量、かつ、長時間をやらせる必要はありません。むしろ、多くの親御さんが犯しがちなミスである、「生徒を追い込んでますます計算嫌いにさせてしまう」ことが無いように配慮してあげてください。
>塾の先生からもミスは致命的ですから、何とかミスが減るようにしていって下さいと言われましたが、どうしたらいいものか?ミスの減らし方の助言は頂けておらず途方にくれております。
これなどは、完全に指導放棄ですね(苦笑)
その点こそが教師や塾の仕事であるのに、保護者に丸投げするなど、言語道断です。(しかし、一般的な大手塾とはそうしたものですから、私が1人憤慨してもしかたありませんね)
また、途中式については、「とにかく書けばミスが減る」というものではありません。具体的な書き方の指導や、その子に合った訓練が必要です。
途中式の指導については、「途中式は必要」は本当か?にいくらかヒントが含まれていると思います。こちらも、生徒を見ていない状況での、より具体的なアドバイスは控えさせていただきますね。
最後に、そもそも論になってしまいますが・・・まだ小4ですから、現時点でミスを無くす指導の必要性をあまり感じません。(必要性自体が全く無いという意味ではなく、順序とタイミングの話ですね)
計算ミスをしない力は、テストでは大切なのですが、本質的な数学力とはまた別の力です。目指す学校によっても違うため、細かい部分は担当の先生に相談されながら決めると良いと思いますが、一般的には小6の中盤くらいまでは思考力等を中心に育て、その頃からミスをしない勉強をさせるほうが近道でしょう。
計算ミスを細かく言いすぎて、算数そのものを嫌いにさせては意味がありません。それこそ理系の職業を目指す上では、大きくなってからのほうが簡単に上がる、いわゆる「事務処理能力」を育てるよりは、「思考力、論理力、創造力」等や、「好奇心、自信、勉強を楽しいと思う気持ち」等を育てるほうがプラスになります。
ただし、「基礎中の基礎」のような部分は、学年ごとに確実に身につけておくべきですから、その点が不足している場合だけは、きっちりと練習させてあげることが大切ですね。
「身につける」と言いましても、入試レベルの話ではなく、小学校の授業で普通に学習すべきレベルで十分です。しかし、有名大学でも分数のできない生徒がいますように、学習事項が部分的にすっぽり抜けていることはよくあるものです。
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