せめて平均点を目標にしてほしい。 | 中学生の勉強法と親の心得 ~塾長直伝! 高校受験対策と反抗期の対応法~

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たびたびお世話になります
もう10月…
あまりにも反抗が強いため親がくじけそうです

家庭教師の先生は毎週2時間ずつ来て下さり
ありがたい話しです
先生と決めた もうすぐあり中間テストの目標点が○点~○点だと中3の息子が軽く言うのですが…
思わず せめて平均点は目標にしたら!と言ってしまいました

そんなにとれるわけないやろっ! 期待しすぎや と機嫌悪くなりました
先生私の対応おかしいですか?

全く欲がなく
反発が半端じゃなく
どうしたものかと 困ってます

 

 


 


 家庭教師の先生が継続的に教えてくださっているようで良かったですね。


 さて、対応がどうかという話ですが、もしも過去に平均点かそれに近い点数が普通にとれていて、それでも平均点以下の点数を目標にしたなら、「せめて平均点は目標にしたら!」と口に出るのは当然でしょう。
 しかし、もしも平均点よりもずっと下の点数しかとれておらず、平均点でさえかなり高い壁という状況だとしたら、残念ながらまずい対応ですね。

 

 


 平均点がとれていないからこそ、「平均点くらいはとってほしい」と願う親御さんの気持ちはとても良く分かります。それに、小学校の頃に良い点がとれていた時と比べて(ほとんどの生徒は、小学生の時のほうが良い点をとります)、「頑張ればそれくらいとれるだろう」という気もしますよね。
 

 

 もちろん、心の中でそう願うこと自体は構いません。
 しかし、それをそのまま口に出して求めてはいけません。

 目の前に、体重が増えてしまってダイエットをしようとしている女性の友人がいたとします。そんな彼女が「今は太って100kgだから、まずは90kgにしようと思ってるの」と言いました。
 それに対して、「もとが60kgなんだから、60kgまで痩せなさいよ!それでもまだ太り気味なんだからね」「平均体重はもっと低いんだから、最低でも平均を目指しなさいよ」などと言うでしょうか?
 絶対に言いませんよね。言ったら怒らせるか、2度と口をきいてはくれないでしょう(笑)
 昔が60kgだろうと、平均がいくらだろうと、今が100kgの事実は変わりません。それを何とか減らそうと頑張り始めた時に、いきなり「それでは足りないよね」と言われたら、やる気が吹き飛ぶのは当たり前です。

 今回も、お子さんがもともと何点かは分かりませんが、いくら低い目標点だと言っても、先生と決めたものであれば、「ラクラク取れる」ような点では無いのでしょう。
 であれば、本人なりに頑張ろうとし始めたその時に、「それでは駄目だ」と切り捨てているのと同じわけで、これでは反抗期の子供で無くても怒ります(笑)

 もともと100点をとれていた生徒であろうと、クラスの平均点が80点であろうと、今のその子の学力とは関係ありませんよね。過去の得点はその時その時の学力を表しているだけですし、平均点も自分以外の別の生徒の学力を表しているだけです。それらは、今の学力も、本当の力も、未来の可能性も表してはいません。
 
 そして、今の学力が30点なら、40点でも高い目標ですし、平均点以上は夢のような目標です。
 もちろん本人だって「平均くらいはとりたい・・・」「昔はもっと良い点がとれたのに・・・」と思うことはあります。だからこそ、今のできない自分がつらい気持ちもあるのです。
 しかし、それを他の人から・・・特に、最も身近な存在で、最も味方でいてほしい親から言われてしまっては、立つ瀬がありません。

 そういう意味でも、今よりも高い目標を立てたのであれば、「大変だけど、頑張ってね」で良いのですね。


 人は無意識に「基準」を作ります。

「*点以上無いと物足りない」
「**高校くらいは行かないと駄目だ」

 こういうことを本人が感じるのは良いでしょう。しかし、周囲の人間が勝手に感じて、勝手に押しつけるのはただの迷惑です。

 暴走族が立てる爆音を「うるさい」と感じる人は多いです。ところが、本人たちは「カッコイイ音だからみんなにも聞かせたい」と思っているかもしれません。こちらからすれば余計なお世話ですが、基準は人によって異なるものです。迷惑な暴走行為を押し付けるようにして、自分の「基準」を他人に押し付けてはいけません。
 頑張って30点を目指している生徒に「平均点くらい目指しなさい」と言うのも、頑張って50点を目指している生徒に「0点でもいいじゃない」と言うのも、どちらも間違いです。あまりにおかしな目標でない限り、その生徒の基準や価値観を認めてあげてくださいね。


 ちなみに、教える立場から言うと「まず、確実に達成できる目標を立てる」のが基本です。高すぎてもいけませんし、低すぎてもいけません。そしてその高いか低いかの「基準」は、親や教師の願望や見栄ではなく、生徒の過去の学力がどうかでもなく、あくまでも本人の今の学力にとってどうかで判断すべきです。

 今回のお子さんの目標設定が、最適なものかどうか私には分かりません。(お子さんの詳しい学力状況やこれまでの成績の経緯が分からないから当然ですよね)

 しかし、夏から見てくれている先生が、2人で話し合った上で決めた目標ですから、きっとそれなりに適した目標なのでしょう。そうであれば、いきなり高望みするのではなく、まずはそこを目指して頑張れば良いと思いますよ。全くやらない状況から比べればはるかに進歩していることを忘れてはいけません。


 それに、成績の良くない生徒ほど「目標」を公言するのは勇気がいるものです。多くの生徒は「どうせ駄目だから」と立てた目標を人には言わなくなるものです。せっかく言ってくれたのに、それを否定してしまえば「この人には、2度と勉強の話はしない」と思われても不思議は無いです。

 また「欲」と言っても、お母様が求めているのは「勉強に対する欲」だけですよね。勉強に対する欲を持つには、「欲を持って頑張れば成績が上がった」という成功体験がないと難しいです。それに、「勉強をしない欲」なら山ほどあると思います。そうそう親に都合の良い「欲」だけを持つわけがありませんよね(笑)


 最後に、普段の反発はともかく、今回の反発については自ら招いてしまったものです。
 とは言え、「何が正解か」はその場ですぐに判断できるわけがないですから、ご自分を責めることはしないようにしてください。
 ただ、もし可能なら「このことについてだけ」謝れるなら謝っておいても良いと思います。今後も、お子さん自ら勉強の話をしてほしいと思うなら・・・ですね。



~コメント欄での対応~

1. ありがとうございます
またまた私の対応の悪さが反抗を加速させてしまったようです 反省

三年のこの時期に
あまりにも目標が小さく
つい 口が出てしまいました

家庭教師の先生は 目標点を決めたことも言われず
息子が自分から話してきたことなのに…

情けない 自分が
息子は私が大嫌いだといいます
否定ばかりすると…

謝ってみます
ただ 家庭学習が全くなので ホントに大丈夫なのか心配で…
また結果報告しますので
聞いてください




2. Re:ありがとうございます

私たちは聖人君子では無いため、「あまりにも目標が小さい」「3年なんだからもっと勉強しなさいよ」と思うのは全然構いません。

しかし、それを口や態度には出さないであげてくださいね。とてもとても難しいことなのは重々承知しているため、できる範囲で構いませんから。


>息子は私が大嫌いだといいます
>否定ばかりすると…

子供の反抗期がひどい家庭ほど、親の「子供に対する否定」がひどい傾向があります。

自分のことを愛し、信頼してくれる相手ほど、自分も愛し、信頼するものですよね。
反対に、自分のことを嫌って否定する相手ほど、自分も嫌って否定したくなるものです。

それに、人から否定ばかりされていると、やる気も無くなるものですよね?
それが認めてほしい相手なら尚更です。


>ただ 家庭学習が全くなので ホントに大丈夫なのか心配で…

今から間に合うかどうか、詳しい状況が分からない私には何とも言えません。
 
とりあえず、塾に通っておらず、家庭学習も全く無いとなれば、勉強時間自体がほとんど無いのでしょうから、さすがに「大丈夫」とは言えないです。

しかし、今芽生えたやる気を潰してしまえば、可能性は1%も残りません。今から少しでも頑張って、入試までに成績が少しでも上がるのなら、それだけ可能性は今より増します。

(それに、たかだか勉強くらいで、大事な親子関係を破綻させてしまうのは、とてももったいないことだとも思います)
 
 
人はそうそうすぐには変われませんよね。今のお母様もそうであるように。(もちろん私もです)

お子さんが悪いほうに落ち続けていくなら否定も説教も必要ですが、少しでも良いほうにかわろうとしているのなら、少なくとのその点については、否定ではなく応援をしてあげてくださいね。



3. わかりました

いつもホントに納得させられます
先生は子供さんおられますか
先生の子供さんはしあわせですね
うちは私が未熟者で かわいそうです
いつも心に響く返答感謝しています
ありがとうございます



4. Re:わかりました

残念ながら(?)、まだ子供はおりません。
いたほうが説得力があるのですけれども(笑)

ただ、「先生」として関わるのと「親」として関わるのとは、全くの別物ですからね。

教師のお子さんが塾に来ることも今では普通なのですが、うまくいっている家庭ばかりかと言えば全くそんなことはなく、何らかの問題を抱えた生徒や、面倒を見すぎて全く自立できていない生徒など、いろいろです。

ですから、お母様も必要以上にご自分を責めないであげてくださいね。それに全ての人間は誰しも未熟者なのですから(笑)

「子供を変えようとする→反抗期の子供が簡単に変わるはずもない→うまくいかなくて自分を責める→どんどん落ち込む」の悪いサイクルはとても危険です。

まずは子供を(親の思い通りに)変えようとることをやめ、そして、自分を責めるのもやめてあげてくださいね。



5. 無題

ありがとうございます
私の 私だけじゃないですが… 人生の師匠です

今日家庭教師の先生が
数学… 2次方程式がわかるようになってきたみたいで ちょっと期待してますって言ってもらいました

ちょっとうれしいです



6. Re:無題
 
>今日家庭教師の先生が数学… 2次方程式がわかるようになってきたみたいで ちょっと期待してますって言ってもらいました

それは良かったですね。

引き続き、先生と良く相談しながら進めてくださいね。