理科が苦手な生徒 | 中学生の勉強法と親の心得 ~塾長直伝! 高校受験対策と反抗期の対応法~

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さて、今日は理科ですね。

※内容が古くなったため、新たに更新しました。→ 「理科の苦手な生徒と勉強法」に進む


おもしろいことに「理科が苦手」と言う生徒は意外と少ないです。

前にも少しふれましたが、学校の授業では実験があって、その時間を楽しみにしている生徒もいます。また、指導事項の大幅削減がされ続けてきたため、難しい内容はほとんど姿を消し、そのぶん興味を引きつける内容を増やしたのも功を奏していると思います。少し前だと「バネ、イオン、仕事量、熱量(電流,水溶液)、溶解度を用いた濃度計算、密度、フレミング、レンツの法則・・・」など、挙げるとキリがありませんよね。

要するに、テストで難しくて点がとれない問題が全て消え去ったわけですから、苦手な生徒が減るのも当たり前です。現場の先生は実感していると思いますが、内容は劇的に簡単になっていますよね。

(そのぶん、高校へ行ってから困る部分もあるわけですが・・・)


ところが、ついにゆとり教育が見直されて、削除された内容が一気に復活をしはじめました。今度は復活しすぎて、3年間の間で教えきれないくらいになりそうな勢いです(笑)

再び理科嫌い(または、単に分からなくて嫌になる生徒)が増えそうな気配はあります。もっと言うと、旧課程で習ってきた学生が教師になるため「先生なのに分からない」ことも出てくるでしょう。

これは大変なことですね。


「理科が苦手」と思いにくい理由はもう1つあって、それは単元がはっきりと分かれていることです。

「電流は全然できないけど植物はできる」こういう生徒は多いわけですが、好きな範囲と嫌いな範囲が半々程度であれば、「理科が苦手」とは思いませんよね。

暗記範囲で、しかも興味を持ちやすい植物や動物なんかは得意と思っている生徒は多いです。中3のエネルギーなどは簡単になりすぎて苦手になりようすが無いですし、中1の水溶液も密度や濃度計算が消えてほとんど暗記教科ですから何とでもなります。それに、複雑な計算問題がほとんど無くなっているため、教科書の内容や実験内容が分かっていれば、テストがそこそこ解けるようになっていますよね。昔だと、実験を完璧に頭に入れたところで、計算ができなければ何ともなりませんでしたから。

(これも削除範囲が復活すると、難しい部分がたくさん入ってきて大変なことになるでしょう)


そう言うわけで、理科の勉強が分からないから何とかしたいという需要は、数年前に比べて飛躍的に少なくなったのが現状です。しかし、これから増えていくでしょう。

ただ、こういった理科の特性を見ていくと、苦手な場合の克服法が見えてきます。簡単ですね。そう、単元ごとに克服して、少しでも分かる単元を増やしていくということです。そのまんまですけれども(笑)

単元ごとに内容が大きく違うからこそ、下手に教わるとその場所だけ嫌い&苦手になる可能性もありますが、上手に教わればその場所だけ好き、得意になる可能性もあることです。まさに先生の力量が問われるのですね。

実際、中1までは理科が好きだったのに中2から嫌いになったり、その逆のことが起きたりするのも、理科の場合は顕著ですよね。(これは社会もです)


ただ、ここがややこしいのですが、先生には得意不得意があります。

数学の先生が「方程式が得意で関数が苦手」と言う場合は、中学生に教える程度であればそんなに問題がありません。しかし、理科の先生が「物理が得意で地学が苦手」と言う場合は、中学生に教えられないほど分かっていない可能性があります。

高校になると、理系であれば物理、化学、生物、地学の中から2つを選択します。そして大学に進むと、大抵はさらに1つに絞られます。つまり、他の単元の知識は中学レベルと大差ないのですね。

この場合、中学レベルの知識しかない先生が中学生に教えるわけですから、これは大変なことです。しかし、理科という教科は、そうした困ったことが普通に起こり得ます。

実際、私も教師になりたての頃は高校、大学で地学をまったく習っておらず、中学レベルの知識しか無い上に、それをほとんど忘れていて、中学の教科書を見ても「???」という状態でした。ですから、新人教師に当たる人は確実に悲惨ですね。しかも削除範囲で中学ですら習っていない先生もいるわけですから・・・恐ろしい状態です。


そういうわけで、仮に電流の教え方がうまい先生でも、火山はボロボロということは十分にありえます。

実際、学校の先生の作った定期テストを見ていると、ある単元は詳しいのに、ある単元はウソを教えている・・・というひどいケースもあります。塾ですら、ある分野は「上手に教えるな」と思って見ていたら、他の単元になると力技でごまかして「それは無いでしょう・・・」と言いたくなる教え方をしていることもあります。同じ先生とは思えないくらい差があるのですが、生徒はまったく気づきません。

そういうわけですから、理科の先生選びは「この先生に全部聞く!」よりも、「この単元はこの先生で、この単元はこの先生に」という形を、より意識したほうが良いでしょう。そして、これは塾や家庭教師でも同じですから、「この先生はすごそうだな・・・」と思っても、特に若い先生の場合は十分な知識がないケースも多いため、信用し過ぎないように気をつけましょう。

(もちろん、ベテランでも得意と不得意の差はありますよ)