2007年3月18日日曜:
(上司の友人の)クリニック外来。日曜の急な外来にも関わらず、診察とCT(造影剤有り) 
 をして頂く。がん患者としての一般的な注意事項、気構えなどを御指導頂く。

・CTの結果、肺門部に約6cm×7cm×10cmの原発と、肺野部に大きな転移が3つある
 ことを確認。大きさはそれぞれ4.5cm大、3.5cm大、2.5cm大。
 他に2~3mm大のスポット的な異常陰影が数えられるだけでも20カ所近くある。
 「状況は大変厳しい」との所見。

・「総合的な診断・治療が必須」との判断。がんセンター中央病院に問い合わせて頂く。
 (がんセンターでは公平性を期す為、全員ファックスでの申し込みとなる)
 念のため、数日前に送付していた「新患申し込み」が受理されている事を確認。
 「明日の最後か、次週の初めの方の順番になりそう」との状況を教えていただく。

 「明日、受診したい」旨伝えると、
 「来るのは構わないが、順番は絶対に変えられない。枠内に入らない場合は自動的
  に来週に廻される点をご承知おき下さい」との回答。厳しいが正しい態度である。
2007年3月13日午前:
背中、胸、首の痛み、肩こりを主訴に整形外科受診。頸椎ヘルニアとの診断。納得がいかず胸部レントゲンを希望。左肺上葉、中葉にゴルフボール大の異常陰影を発見。直ちにCT検査(造影剤無し)。肺門部に7cm大、右肺中葉にも2cm大の異常陰影が認められる。呼吸器専門医の診断が必要との判断となり、近所の大学病院を受診。

当日午後
大学病院の呼吸器内科で外来受診。予約無しにも関わらず最終で診断して頂く。整形外科のCTにより、「肺癌」、もしくは縦隔の様子から「悪性リンパ腫」、あるいは若年な事を考慮すると場合によっては「性腺外胚腫」などが考えられるとの診断。検査の為の入院予約を提出。2週後をメドに検査開始との見込み。夜、家族(妻)と上司数名に報告。ネットで「がん」についての情報収集を開始する。


3月14日:
仕事上の関係者、及び兄弟に事情を説明。ほぼ100%何らかの癌(それも転移を伴う進行癌)である事は間違い無く、「今後多大な迷惑をかけるであろうこと」、「大変な協力を御願いする事になる」などの了解を頂く。
同時に、がん治療ならば「がんの専門病院」の方が良いのでは?との判断により、専門病院に電話。運良く「土曜日の午前なら空きが出た」との事で予約を入れてもらう。


3月17日土曜:
がん専門病院外来。整形外科のCT持参。「間違いなく転移性肺癌。原発は肺門部もしくは前縦隔」との診断。詳細な検査と治療を御願いするが断られる。理由は、、
・血行性転移が明確で治癒の見込みは無い。むしろ自宅近辺の緩和施設を探すべき。
・本施設には全国から癌患者が集まる。治癒の見込みの無い患者は扱えない。
とのこと。
「初期診断と治療方針の例示だけでも症例数の多い専門病院でやって貰えないか?」と希望するも、「治癒の見込みの無い患者を検査するのは他の(治療可能性のある)患者の利益を損なう。ご理解頂きたい」との回答。

このセカンドオピニオンを申し出た段階で大学病院の入院予約もキャンセルされており、癌発覚後1週間も経たずに(確定診断も無い段階で)「がん難民」になってしまう。

状況を上司に電話連絡。簡単な連絡網の様なモノができており、その内の一人から折り返し指示を頂く。「友人に開業医が居るので相談に行くこと。明日は日曜だがクリニックで受け付けて頂ける」とのこと。早速クリニックに電話連絡。翌日の待ち合わせ時間などを決める。

肺門部原発転移性肺癌(低分化扁平上皮癌ステージIVb)の診断をうけ約10ヶ月になります。思いがけないことだった為、非常に慌ただしく過ごし、最近やっと時間が取れる様になりました。

先ずは、これまでの治療経過を振り返り、皆様のご意見を賜ることで今後の治療の参考にしたいと思います。尚、統計上は殆ど有り得ない事ではありますが、治療目標はあくまでも「寛解」です。

経験の浅い素人患者の1記録ではありますが、今後同様の病気にかかってしまった方々にとって何か一つでもお役に立つことがあれば望外の喜びに存じます。

皆様何卒よろしく御願い致します。