新規抗癌剤や癌ワクチンの治験参加を考える際の条件や方法について私見を羅列します。

いつもの様に、一患者に過ぎない私の単なる想像ですので何の根拠も合理性もありません。
私自身がやれた事もありますし、逆に診断時に自分の理解が全く足りず後悔している事も多々
あります。もし癌治療を最初からやり直す事ができれば、もう少し巧くやれたかもしれません。


<治験参加を検討するときの最低条件>
1.細胞診をする際、私なら検体を多めに採取してもらって以下の遺伝子変異等を検査します。
 EGFR, VEGFR, HER2, c-Met, c-kit, ALK, K-ras, mTOR, PARP, Hedgehog等
 既に予後の推定において癌腫や病期に加え遺伝子変異の有無による分類が必須だと考えます。

2.既存の抗癌剤で治癒が難しい(C群)もしくは延命効果も不充分(D群)
 な癌腫の場合、初回抗癌剤治療以前に国内治験の検索をしてみます。
 (「初回治療限定」、、という参加条件のものもありますので、、。)

3.とはいえ、例えば非小細胞肺癌で一番大きいのが3cm以上あれば初回治療では
 「白金+αの抗癌剤」を2~4コースはやって効果と副作用を見極めます。
 5cm以上あればEGFR変異があってもイレッサは2回目以降に後回しにするかも知れません。
 (EGFR変異が無ければ2回目治療はドセタキセルかもしれません。)

 ある程度初回治療がうまくいったら、縮小の度合いや転移の数の減り具合をみて、
 放射線か治験参加を考えます。その際、腫瘍の成長速度やあるいは縮小速度から
 「何ヶ月無治療で耐えられるか?」を必ず把握しておくべきと考えます。

4.私なら最後の抗癌剤投与から最低2ヶ月は体力回復の為に何もしません。
 さらに経口の分子標的剤の場合、血中濃度が必要なレベルに達し効果が見え始めるのは
 どんなに自覚症状が敏感でも1~2週間はかかると思います。さらに正式な効果判定には
 1~2ヶ月を要するはずです。

 つまり抗癌剤の最終投与日から起算し最低でも3~4ヶ月、全くの空振りでも大丈夫という
 確信が持てなければ治験に参加しませんし、逆に抗癌剤で目指すのはそのレベルとも言えます。
 最大径が1cm以下では評価不能で不適格になりますので理想は1~2cmだと思います。


<治験参加の打診のしかた>
1.誰も責任が取れませんので、病院側から治験を勧めることはまずないと思います。
 治療が一番うまく行ってる時を見計らって、具体的な治験番号を患者側で調べて、
 「是非これに参加したい、、」と申し出る以外は実質的に無視されると思います。

2.いろいろ検索サイトはある様ですが、私は時々以下のサイトを眺める様にはしています。
 「非小細胞肺癌」とか「ALK」とか、あるいは「固形癌」「小児癌」などとキーワードを
 入れるとずらずら出てきます。

がんの臨床試験一覧(がん情報センター)

医薬品情報データベース:臨床試験情報検索

日本医師会 治験促進センター(国内の医師主導治験)

米国国立がん研究所(NCI)(日本語版 海外治験など)


癌腫にもよりますが、あえて「近藤誠vs立花隆レベル」の超大雑把な言い方をすれば、
・10cm前後の病巣は多分、手術か重粒子が必要、、
・ 5cm以下なら抗癌剤+放射線でなんとか、、
・ 1cm以下なら分子標的剤か抗癌剤単独でもなんとか、、
・ 1mm程度なら免疫療法でももしかしたら、、、
制御(局所に根治)が可能かもしれないと私は期待しています。

どの患部に?いつ?どの治療を?ぶつけるかが問題だと捉えていますし、
分子標的剤は当たるとメリットが大きいので治療全体のデザインの中で治験カードは
意外と重要になるかも知れません。(勿論、実施側は被験患者のメリットなど二の次ですが、、)

世間的には「多発転移があれば抗癌剤、それ以外選択肢はない。イヤなら治療終了」という
超大雑把な考え方がある様ですが命に直結する事ですのでもう少し考えても良いかと思います。