奏効率の不備やデータベース化の遅れについて前回記事前々回記事で述べた。
しかしながら医学研究自体が数十年遅れているか?というと、そうでもない。

内容について特に踏み込む訳では無いので出典と発表者を記載するのは控えるが、
下図の様に、マウスを使った試験等では、普通に研究も行っている。
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-A431

ヌードマウスにA431というヒト腫瘍株を移植した実験で、治療特性を時系列で示している。
C225というのは2003年頃欧州と米国で大腸癌向けに承認申請された?EGFR系の分子標的剤で、
「放射線治療の上乗せ効果を強調したい、、、」と、いった様な内容だったと思う。

念のため指摘しておくが「マウスで効果があったから人間にも、、」というのは、
考え方として間違いでは無いが相当に飛躍がある。マウスで効果のあった手法もラット
では全然ダメ、という研究すらある。インチキ報道の半分くらいは「マウス実験」である。

このイメージ図で私が言いたいことは「普通の評価手法が医学分野にも当然存在する」
という事実である。判らなくて出来ないのであればまだ救いようがある。
「知っておきながら」出来ない、あるいはやらない、というのが問題なのである。

上図の例は真面目な研究ではあるが、データの分布や偏差に関する説明が無く、
私には違和感があった。臨床的な癌データベースを作成する際、最も議論になるのは
そういった処理の中身である。設計作業には医学者以外の専門家の協力も必要だと思う。