抗癌剤の分子量については前回記事で列記したが、私のように「原発はでかく、遠隔転移も数十個」
という患者は初回治療において、どういう考え方と抗癌剤で望めばいいのだろうか?
これについても「正解」を示すことは出来ないが、私の「1失敗例」を紹介する事はできる。
「失敗」というと主治医に怒られそうであるが、仮に今から2007年3月に戻る事が出来るなら、
私が選択するレジメンは「タキソール+カルボプラチン+アバスチン」の最大量投与である。
このレジメンは国内では保険適用ではない。2007年の後半になり、やっと国内臨床試験が
始まったという感じではないだろうか。勿論、私もがんセンターの主治医も初回投与時に
知らない訳では無かった。が、当時(今も?)このレジメンに踏み切る環境には無かった。
がんセンターでの診療は恐らくムリである。仮に私の勝手な判断を受け入れてくれる病院が
あったとしても治療費は恐らく100~150万円/月程度の全額自己負担になるであろう。
6ヶ月程度実施すれば(入院を控えたとしても)総費用は600~700万円という計算になる。
「でかい原発」は場所によっては生命に対する直接的な危機を及ぼす。しかも成長が早いと
まさに「次の周期」で致命傷になりかねない。緊急避難的に縮小を狙う事が必須となる。
未承認薬を含め、現状の分子標的剤単独では10cmオーダーの固形癌を1cmにする事は難しい。
PETでFDG集積度が(注射後1時間のphaseで)5~10程度以上あればやはり初手は細胞殺傷系
の抗癌剤で縮小を狙う。ここまでの私と主治医の考え方は正しい。しかし、
アバスチンを併用すれば、より高い効果が得られたと考える。血管新生阻害という作用機序は
細胞周期に影響しない為、充分に上乗せ効果が期待できる。
肺腺癌の中には集積度が3~4という低活性度の組織もある。その場合細胞殺傷効果は落ちる。
今なら「(イレッサ?or)タルセバ+アバスチン」と言った感じではなかろうか?
分子標的剤との併用においても「異なる」ターゲットを狙う事でより高い効果が期待される。
アバスチンが肺癌において(あるいは他固形癌においても?)基本レジメンになる事は恐らく
間違い無いと思える。2009年認可が噂されるが何故2006年で無かったのか?全く理解できない。
もしも適正な認可がされていれば2007年3月時点において、私の主治医はかなりの経験を蓄積
していたと期待できる。結果として私はより適切な投与を保険適用内で試行出来たはずである。
私の「失敗」は厚労省のデザインした薬事行政の範囲で「人生最大の敵」に挑んだ事である。
そこでは私も主治医も「実力の半分も発揮できず」闘う事を強いられている。
もしも「次のチャンス」があれば600万円費やしても自費診療を行うつもりである。
という患者は初回治療において、どういう考え方と抗癌剤で望めばいいのだろうか?
これについても「正解」を示すことは出来ないが、私の「1失敗例」を紹介する事はできる。
「失敗」というと主治医に怒られそうであるが、仮に今から2007年3月に戻る事が出来るなら、
私が選択するレジメンは「タキソール+カルボプラチン+アバスチン」の最大量投与である。
このレジメンは国内では保険適用ではない。2007年の後半になり、やっと国内臨床試験が
始まったという感じではないだろうか。勿論、私もがんセンターの主治医も初回投与時に
知らない訳では無かった。が、当時(今も?)このレジメンに踏み切る環境には無かった。
がんセンターでの診療は恐らくムリである。仮に私の勝手な判断を受け入れてくれる病院が
あったとしても治療費は恐らく100~150万円/月程度の全額自己負担になるであろう。
6ヶ月程度実施すれば(入院を控えたとしても)総費用は600~700万円という計算になる。
「でかい原発」は場所によっては生命に対する直接的な危機を及ぼす。しかも成長が早いと
まさに「次の周期」で致命傷になりかねない。緊急避難的に縮小を狙う事が必須となる。
未承認薬を含め、現状の分子標的剤単独では10cmオーダーの固形癌を1cmにする事は難しい。
PETでFDG集積度が(注射後1時間のphaseで)5~10程度以上あればやはり初手は細胞殺傷系
の抗癌剤で縮小を狙う。ここまでの私と主治医の考え方は正しい。しかし、
アバスチンを併用すれば、より高い効果が得られたと考える。血管新生阻害という作用機序は
細胞周期に影響しない為、充分に上乗せ効果が期待できる。
肺腺癌の中には集積度が3~4という低活性度の組織もある。その場合細胞殺傷効果は落ちる。
今なら「(イレッサ?or)タルセバ+アバスチン」と言った感じではなかろうか?
分子標的剤との併用においても「異なる」ターゲットを狙う事でより高い効果が期待される。
アバスチンが肺癌において(あるいは他固形癌においても?)基本レジメンになる事は恐らく
間違い無いと思える。2009年認可が噂されるが何故2006年で無かったのか?全く理解できない。
もしも適正な認可がされていれば2007年3月時点において、私の主治医はかなりの経験を蓄積
していたと期待できる。結果として私はより適切な投与を保険適用内で試行出来たはずである。
私の「失敗」は厚労省のデザインした薬事行政の範囲で「人生最大の敵」に挑んだ事である。
そこでは私も主治医も「実力の半分も発揮できず」闘う事を強いられている。
もしも「次のチャンス」があれば600万円費やしても自費診療を行うつもりである。