「モチベーションが上がらない場合、どうすれば良いですか?」

 

という質問に、私は次のように答えています。

 

「とりあえず、時間を決めて机に向かってみてください。」

 

机に向かうと、例えば理科のテキストが目の前に見えてくる。手に取ると気になる学習単元が目に入る。内容を学んでいくと、より関心が湧いてきて、問題を解いてみようというやる気が自然と生じてくる。

 

これは、人間心理の原理に従った流れです。

 

やる気というものは、行動に伴って生じてくるものであり、自然状態ではやる気が起きなくて当然なのです。

 

だから、やる気が無い場合、まずやるべきことは、「机に向かう」という行動です。

 

まず、このワンアクションを行うことで、次のやるべきことが見えてきて、その見えてきた状態が心理的なやる気にスイッチを入れるきっかけとなります。

 

ここでも時間の構造化が大切です。

 

夜21時になったら、とりあえず、机に座る。どれだけやる気がなくても30分は座ると決めて、実行してみてください。

 

30分机に向かえるようになれば、次は1時間向かうことも難しくなくなります。

 

まず、30分机に向かうことを7日間継続できれば、第一の関門は突破です。

 

そして、1ヶ月継続することができれば、あなたは学習習慣を身につけることに成功します。

 

多くの人が勘違いしていることは、やる気というのは習慣とほとんど同じものであり、たとえば、毎朝、歯を磨くという習慣ができている人は、やる気を出さなくても自然と歯を磨いてしまいます。むしろ、磨かないと気持ち悪いぐらいになっています。

 

これと同じく、学習においても初めの習慣づけのためには、ある意味、「やる気」を要しますが、それを継続することで「習慣」として成立させることに成功した暁には、取り立てて頑張る必要もなく、自然と効率的な学習サイクルを回すことが可能となります。

 

やる気が出なくて悩んでいる人は、まずは「時間を決めて机に向かう」ことから始めてみましょう。

 

やはり、人間、自分自身が完調でないと、本来のポテンシャルを発揮できません。

 

受験生でいうと、風邪を引くだけで偏差値が5ぐらい、平気で下がってしまいす。

 

入試直前は早めに寝て体調管理を優先すべきとよく言われていますが、まさにそれです。

 

寝不足も偏差値が5ぐらい下がってしまう傾向があることを、

私は生徒に学習指導してきたこの20年間、実体験として見ています。

発達障害やADHDの疑いがあるお子さんを持つ保護者さんが、ほとんどつまづいている悩みが、「過集中」というものです。

 

たとえば、ゲームに没頭してしまうと入浴の時間を完全に忘れてしまう。また、入浴するように声掛けをしても全く言うことを聞かない。そのまま徹夜でゲームしているなどです。

 

発達障害やADHDの場合、興味のある無しで、行動の強度が大きく変わってしまう傾向があります。

 

そのため、優先順位が無茶苦茶になりやすいのです。

 

このような特有の特性について、効果的な対処法があります。

 

それは「時間の構造化」です。日課のサイクルを明確にして、紙に書いて張り出すのが有効です。

 

ゲームの時間は19時から20時までと区切り、20時から入浴など、明確に決めておくことが必須です。

 

この時間の構造化を成功させるための決め手は2点。

 

・イレギュラーを認めない

たとえば、今日は19時から入浴して20時からゲームしたいと申し出てきたケースなど、シビアに対応する必要があります。どうしてかと言うと、このイレギュラーを1回でも認めてしまうと、イレギュラーがレギュラー化してしまうリスクがあります。

 

次の日はどうなるとかというと、19時から20時までゲームして、20時から再びゲームという流れになります。20時からはもともとゲームできるという約束だったと主張して言うことを聞かなくなるわけです。これを認めてしまうと不適応が固定化されてお手上げになります。

 

発達障害やADHDのお子さんが言うことを聞かない、お手上げになる流れには、ある必然が潜んでいると思います。

 

一度決めたことにはイレギュラーを認めず、どうしても変更する場合は、スケジュール表自体を来週から変更する。週内での途中変更はしないなど、毅然とした態度で向き合っていかないと、行動特性の改善が進みません。

 

・報酬を考える。

報酬の考え方には、プラスのものと、マイナスのものがあります。よくあるパターンは約束を守れなかったら罰があるというルールづくりをしている家庭が多いかと思いますが、マイナスの報酬を与えるというのは、よっぽどひどい問題行動に使うべきで、濫用するのは危険だと考えます。

 

プラスの報酬は、「1週間、連続で声掛けなしに自分で入浴できたら、土日のゲーム時間がそれぞれ1時間増える」などが良いと思います。

 

各家庭でお子さんの状況が異なると思いますので、何か個別に相談できるシステムを考えていきたいと思っています。