日米首脳会談で安倍首相から提案された日米貿易協議の枠組みが明らかになってきた。
・茂木TPP担当相とライトハイザーUSTR代表との日米貿易協議は、通常国会終了後から。
・茂木担当相は「日米FTA交渉と位置付けられるものでもなく、予備協議でもない」と。

 

日本農業新聞 4月25日
新たな日米協議 閣僚会合、6月以降 「FTA念頭にない」 TPP担当相

 

 茂木敏充TPP担当相は24日の閣議後会見で、日米の新たな貿易協議について、閣僚級の初会合は6月以降になるとの見通しを示した。新協議で米国側は日米自由貿易協定(FTA)も念頭に、2国間協議で農産物の市場開放を求めてくる可能性がある。茂木担当相は「2国間のFTAは念頭に置いていない」と述べ、FTAに意欲的な発言が相次ぐ米国側をけん制した。
  新協議は、日米首脳会談で合意。茂木氏と米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表が担当する。茂木氏は、閣僚級の初会合について「6月中旬以降になるだろうと(米国側に)話をしている」と明かした。その理由について「わが国の国会の日程であるとか日米双方で準備を行う必要がある」と述べた。
  政府関係者によると、森友・加計学園の問題などで混乱が続く中、今国会会期中での開催は難しい。今国会で環太平洋連携協定(TPP)の国内手続きを完了させた後で新協議に臨み、米国に復帰を改めて呼び掛けたい思惑もある。米国側も北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉で、まだ新協議に臨む余裕はないとみられている。
 11月に中間選挙を控える米国では、日本に大幅な市場開放を求める強硬論が強まる可能性が高く、既に日米FTAに意欲を示す発言も目立ち始めている。茂木担当相は新貿易協議について「日米FTA交渉と位置付けられるものではなく、予備協議でもない」と指摘。TPP復帰を訴えていく考えを重ねて強調した。
https://www.agrinews.co.jp/p43907.html

 

・自民党と公明党の対策本部

「日米貿易協議」はTPP協定を越えないように。

 

日本農業新聞 4月25日
「TPP超え認めぬ」 日米新協議で自民 党の了解必ず 対策本部 

 

 自民党は24日、TPP・日EU等経済協定対策本部の会合を開き、日米首脳会談の結果について議論した。首脳会談では、貿易と投資に関する新たな協議の枠組みを設けることで合意したが今後の協議に向けて、合意済みの環太平洋連携協定(TPP)を超える農産物の市場開放は認められないとの方針を確認した。
  首脳会談では、新たな協議は茂木敏充TPP担当相とライトハイザー米通商代表の間で行うことで一致。日本は引き続き米国のTPP復帰を促す方針だが米国側は2国間協定にこだわり、今後の行方が注目されている。
  これに関し、同本部長を務める森山裕・党国会対策委員長は「国内の農家や水産業者などに迷惑をかけることのない形で成就できるように頑張っていかなければならない」と強調。今後の日米協議に向けて「党との連携は非常に大事だ。いい情報、厳しい情報、しっかり入れて政府、与党が一体的に対応できるようお願いしたい」と述べ、党の了解なしに安易な譲歩に踏み切ることがないよう政府に念押しした。
  会合は、自民党国会議員有志による議員連盟「TPP交渉における国益を守り抜く会」と合同で開いた。新たな協議では今後、米側が自由貿易協定(FTA)交渉を求めてくる恐れがある。
  同会の江藤拓会長は「決してFTAやそれに準じるものの地ならしのために、ましてやTPPの枠組みを超える合意を形成するために新たな協議の場を設けたわけではないとはっきり確認したい」と、政府の対応方針をただした。
  首脳会談に同席した茂木氏は、新たな協議は「日米FTA交渉と位置付けられるものでもないし、その予備協議でもない」と強調。「特に農産品に関しては、TPPで合意したものが最大限であると(米国側に)明確に伝えた」と語った。
  
市場開放圧力に懸念 公明

 公明党は24日、TPP等総合対策本部(総合本部長=石田祝稔政調会長)と内閣部会、外交部会の合同会議を開き、米国との新たな貿易協議について議論した。牛肉、豚肉の市場開放に向けて米国が圧力を強めてくる可能性があるとして、TPP以上の譲歩をしないよう、政府に強く求めた。
  TPP11や日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)が発効した場合、特に牛肉や豚肉で、米国が対日関税で不利になることを指摘する意見が挙がった。
  同本部の稲津久本部長は「米国はこのまま黙っていない」と、新協議で新たな市場開放を強く求めてくることへの懸念を示した。こうした要求を受け入れないよう、TPPへの復帰を粘り強く、徹底して訴えるよう政府に求めた。
https://www.agrinews.co.jp/p43906.html

 

・連休明け衆議院本会議で承認すれば、会期末までに参議院審議が終わらなくてもTPP11協定は承認される。ただし、関連国内法は両院の可決が必要。

 

日本農業新聞 4月22日
TPP 見えぬ国会論戦 疑惑続出、野党欠席 米復帰へ急ぐ政府 「衆院優越」自然承認も

 

 米国を除く11カ国による環太平洋連携協定の新協定(TPP11)の承認案の国会審議の行方が、見通せない状態になっている。承認案は17日に審議入りしたが、国会では財務事務次官のセクハラ疑惑など政府の不祥事を受けて主要野党が審議を欠席し、不正常な状態になっているためだ。政府、与党は27日に衆院外務委員会で承認案採決を目指すが、野党の欠席が続けば、審議が深まらないまま衆院を通過する恐れもある。
  先の日米首脳会談では、新たな貿易協議の枠組みを設けることで合意。2国間交渉を求める米国に対し、日本はあくまで米国にTPP復帰を促す方針。日本政府は、米国復帰の呼び水にするため、TPP11の今国会での承認にこだわる。
  しかし、今後の日米協議で米国から自由貿易協定(FTA)を求められた場合、農業の追加開放を余儀なくされるなど裏目に出る危険がある。そのため国会審議ではTPP11の内容の是非だけでなく、米国との新たな貿易協議に向けた政府の対応も大きな焦点となる。
  ただ、国会正常化の見通しは立たない。野党は、麻生太郎副総理兼財務相の辞任や加計学園問題を巡る柳瀬唯夫元首相秘書官の証人喚問を要求しており、長期の欠席も辞さない構えだ。
  条約は、憲法の衆院優越規定で、参院が議決しない場合でも、参院送付から30日で自然承認となる。大型連休前に参院に送付すると、連休中の1週間が使えず、参院での実質的な審議日程の確保が難しくなる。
  政府、与党は今国会での承認を確実にするため5月の大型連休明け早々にも衆院本会議で採決し、参院に送付する方針。大型連休前の27日には、外務委員会の審議を終えたい考え。野党欠席のまま審議、採決に踏み切る可能性もある。
  一方、TPP11の発効に向けた国内手続きを完了するには、協定の承認とともに関連法案の成立が不可欠だが、関連法案は審議入りしていない。27日の本会議で審議入りする方向だったが、流動的だ。
https://www.agrinews.co.jp/p43877.html