東北太平洋沖大地震による発電所の停止が電力供給を大幅に低下させている。特に原子力発電所が使用不可能になったことが、長期的供給不足を招くだろう。

 東京電力の設備能力6,448万kWである。その内訳は、火力3,818万kW、原発1,730万kW、水力898万kWである。太平洋側の福島第一、第二は、少なくとも今年の稼働はできないし、廃炉になる可能性がある。
福島原発の発電能力は、約900万kWである。柏崎原発は、2007年の新潟中越地震から復旧し、昨年4基(490万kW )稼働、今年3基(330万kW)計7基稼働する予定、合計820万kWである。火力発電は、現在600万kW相当の9基が停止中である。
 
 現在の供給能力は、3400万kWである。4月には稼働出来る火力は300万kW 程度、今後最大火力300kWと柏崎3基の330万kWを加算しても4200万kW、独立系電力会社から買い集めても5000万kW は困難であろう。
つまり、夏の最も厚い時に、1000~1500万kW不足すると考えられる。
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103170445.html

 単純な四則計算もできない節電大臣が、サマータイムの導入を提案している。全く電力の供給ができない事態なのである。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110322-OYT1T00570.htm?from=top
 
 現在の計画停電でも産業界に多くの影響を与え、このような細切れな停電では、安定して生産機械を稼働させられない。つまり、生産量が大幅に低下する。日本の経済の足かせになる。
夏場には、想像出来ないほどの大混乱が予想される。

この解決法は、前回示したように、「電源周波数の統一」である。それを、6月末までに実施しなければ、大混乱が避けられない。

 私も、家の中の電気製品を全て調べてみた。

「50/60Hz両用」
テレビ、オーディオ、パソコンなど;直流化回路のため
エアコン;全てインバータ式
洗濯機;インバータ
乾燥機;モータ共用(回転数が変わるだけ)
冷蔵庫;インバータ
電子レンジ;インバータ
食器洗い;ポンプモータ共用(回転数が変わるだけ)
蛍光灯:5個所インバータ
オーブン、トースターなどヒータ使用製品
白熱灯、LED灯

「50または60Hz専用」
蛍光灯;グロー式1個所、ラピッド式1個所

 我が家では、蛍光灯2個所が周波数変更の影響を受けることになる。
 蛍光灯型LEDランプに替えるだけで対応出来る。昔、両方の間で引越をしたが周波数が異なって変わるのは、ちらつきが目立つ程度であった。安定器を替えるには、手間がかかるので、省エネをかねてLEDランプに替えるか、インバータ式に買い換えるかすればよい。

 産業界では、モータの回転が変わることが大問題と思う。インバータ制御の機械では、どちらの周波数でも使える。回転数が2割異なるので60Hzで使用していた機械を50Hzで使った場合は、速度が2割下がるだけである。
 逆の場合は、回転数が2割上がるので、機械能力を超える可能性があり、危険性が増す。
いずれにしても、周波数が変わって支障がでる場合は、電源とモータの間にインバータを挿入すれば解決する。
ビルなどの大量の蛍光灯を使用するところは、周波数に依存しない省エネタイプに置き換えればよい。
 その他、ヘルツフリー電気製品への買換を促す補助政策も、被災地域への経済的支援となる。

50、60Hzどちらに統一するか、各陣営の力関係になるが、この際、数ヶ月で解決出来れば、日本経済の基盤が強固になる。
発電機の周波数を変えるのはそう難しくないと思う。各電力会社の基準発電機の周波数を変えるだけで、その電力会社の全発電機が追従するからである。難しいのは、他社との同期(周波数と位相)であろう。これは技術的ではなく力関係と設備負担の問題と考える。
 
今朝(3月23日)の日経の一面に1500万kWの不足と報じていたが、効果的な対策が示されていない。