made in japanの詳細に触れることができなかったので、
このブログでお伝えさせていただきます。
私たち、STUDIOUSは基本的には
セレクトショップですが、
その中でも自社で商品作りも行なっております。
社内には企画(デザイン)・生産管理部隊がメンズ、ウィメンズ共におり、
バイヤー陣と日々、企画奮闘中です。
そんなSTUDIOUSオリジナルですが、
作り始めて6年近くなります。
そして、今期の春夏より、
完全にオリジナル商品のすべてのアイテムを
日本製に移行します。
おそらく、店舗展開型のセレクトショップとしては
初の試みなのではないでしょうか。
そもそも日本製とは何か?
そんな真髄をしっかりと把握するため、
先日、弊社のバイヤーと企画生産管理と
西日本を中心に弊社がお世話になっている工場へ挨拶回りも兼ね、
リサーチに言って参りました。
まずは岡山。
岡山の倉敷といえば、日本のデニムの三大産地の一つで
この倉敷発のデニムブランドも数多くあります。
デニムの縫製工場だけでなく、
加工場や染め工場などもこの地域に集結しています。
日本のブランドだけでなく、
世界的なラグジュアリーブランドのデニムもこの地域で
つくられているのは有名な話です。
まずはパターンから。
このパターンにそって、
デニムの生地を抜いていきます。


こんな感じで熟練の職人さんが見張っているわけです。

これよりもさらに細かな箇所はより細かな
手作業で型を抜いていきます。
そして、こちらは次の工程にうつるたびに
行なっているプレス作業。
これは日本製がいいと言われるかなり重要なポイントなのですが、
一枚一枚、型がくずれないようにプレス(アイロン)をしていくのです。

この作業がとにかく時間がかかり、かなり非効率なのです。
言い方をかえれば、いちいち、
この作業をしなくても次の作業にうつることはでき、
そのまま製品はできあがるのですが、
この丁寧な作業の連続が1ミリ単位のずれを最小限におさえ、
結果として縫製された製品がビシッときれいに仕上げるのです。
縫製工賃の安い大量生産型の海外工場ではこの作業をとばし、
いかに1時間で多くのモノを縫えるかということが求められたりします。
逆に国内の拘りのある工場は丁寧に非効率ではありますが、
この重要な作業をしっかりとこなします。
こちらはミシン。
ミシンもさまざま。
それぞれに合う専門のミシンで
丁寧に縫製をしていきます。


こんな現場を見ると、
いつもはいているデニムも
丁寧にはきたくなりますね。
さて、続いて向かったのは大阪のシャツ工場や皮小物の工場です。
(実際には本当に小さな小さな工場がたくさんあるのです)


こちらの皮製品工場では何とこの道、
50年と言われる職人さんもいらっしゃいました。
手先が器用という次元の話ではなく、
熟練の技とまるで粋がモノ作りに反映されているようです。


ちなみにこちらはコバ仕上げの最中なのですが、
薬を塗り、削り、丸みをもたせるためにガラスで平らにしていく作業です。

ひたすらこすっていくのですが、
この努力の連続が高級感につながります。
お店でハンドバッグをふと手にとった時に
感じるなめらかさ、程よい硬さ、はりでしょうかね。
そして、岐阜、愛知にも行きました。
岐阜はコートやテーラードJKTなどの縫製工場、
愛知はニットの横編み工場などです。
東海エリアということで
非常に親しみがあるのですが、
特に岐阜ではこんな山奥に縫製工場があるのです。


そして、こちらでも丁寧に先ほどのプレス作業を行なっています。

ここの主の職人さんと一枚とらせてもらいました。

さまざまな質問をさせていただいたのですが、
やはり、このような工場や職人さんの後継者不足は深刻であり、
せっかくいい技術がありながらも、
工場を閉鎖してしまう方も多いようです。
日本のアパレルブランドは今や90%以上が
海外でつくられており、
年々と日本の工場が減っているのが現状です。
職人は1日にしてならずですが、
私たちももちろんですが、
国内のアパレル業界全体で守っていく
あるいは育てていくような動きをしていかないと
日本の武器が本当になくなってしまう危機感を感じます。
そして、愛知はニッター。


こちらでもきめ細かい小さな作業が
日本の味を出しています。
今回の旅の2日間で5社ほど回って、
それぞれの職人さんに共通の質問をしました。
「日本製の良さとは?」
答えは皆さん、口をあわせたかのように
「真心」
と言うのです。
そんな「真心」をこめているのはわかりますけど、
「真心」だけではいい商品にはなりませんよ!と
思わずつっこみたくなるのですが、
そこにはロジックがあります。
「真心」という職人学が根底にあるからこそ、
すべての作業が丁寧です。
「真心」という哲学があるからこそ、
作業工程を敢えて多くしたり、丁寧に同じ作業を繰り返したり、
用途にあったミシンを使い分けたりします。
「真心」があるからこそ、
働く人を大切にして、職人さんたちのやる気も愛情も上がります。
その「真心」が行き届く範囲ということで、
どこも10人くらいが最大で
大きな工場はありません。
(逆に1日につくられる数は決まっています)
「真心」という文化の強い
日本人だからこそできる部分が非常に多く、
この文化は過去の歴史がつくりあげた
何処の国にも真似のできないことなのではないでしょうか。
私たちはこんな「真心」を大切にしていきたいと思います。