皆さまお元気ですか。先週、わたくしは国際中医師の試験がおわりました。6時間×2日間の監獄。あまりにも体力を消耗しすぎました。
机に向かいすぎてギックリ腰となり、後日に整形外科でみてもらったら最近のハムみたいに椎間板が薄くなってました
。身長は1.5cmちぢんでいました。たぶん寿命もちぢみました。
国際中医師資格とは
中国政府の外郭団体「世界中医薬学会連合会」が認定する資格。中国の国家資格「中医師」と同等の専門知識を持つことを示し、外国人が取得できる。日本国が認める医師免許ではなく、日本国内での医療行為は認められない。1991年以降、世界で100回以上の試験が実施され、約5000人が受験し、のべ4000人以上が合格。
だそうです。これまで36年間で、取得したのが世界で4000人って少なくないですか。
合格率は高く、十分勉強すれば受かると言われますが、その勉強が私には過酷すぎて(꒪⌓꒪)。
生薬、方剤、経絡、経穴など1000項目以上?覚えても覚えても片っ端から飛ぶんです。
3年前(2023?)に、中医学校に入学したとき、パンフレットには「のべ2500時間の学習を要す」と書かれており、そんな大袈裟な…と思いましたが、自分の無脳を甘く見てました。
たとえば問題集を広げて解きます。すると見開き20問ほどが、ぜんぶ間違っている。ぜんぶって…。初めて解く問題だっけなと思って良く見ると、2回目です(꒪⌓꒪)。これが試験4か月前。
そんな切羽詰まっても、理屈ぬきのガミ暗記ができないので、歴史書や参考書を広げてねっとり調べ直すと、
へえー、「紫雪丹」というのは激しい熱ケイレンを雪のようにしんしんと鎮める鎮静剤か。
朱砂という、日本のお面👺にも使われる「丹(に)」の赤みが混じると、紫調の薬剤になるんだ。
昔の中医師って詩人だな。麝香や朱砂は、富裕層にしか使えない貴重品だったので、医者はどんな気持ちで調合していたんだろう。
脳内で中華大河📺️が始まり、1行おぼえるのに数時間。試験対策問題集だけで2500問あるのに、間に合うわけがありません。
試験前、詰みに詰んで風呂キャン、めしキャン、寝るキャン。茶碗を持つ暇もなく、手に白米にぎりを乗せてもらって、塩はどこだっけ、塩。
塩ビン持って机に戻ったら、あれ? この「紫雪丹」てなんだったっけ。へんな名前〜
滅。
思えば今年は初春より癌猫の看病→夏にご逝去→やけくそ受験生突入し仕事も続行し、なんとかなると思っていましたが、たちまち心臓はバクバク、肺はゴロゴロ、悲しみで心肺はやられると言うけど、これ?これなの?
腎臓や肝臓まで来たら困るなと思いながら一日10時間イスに座ってたら、そのうち腰が冷え、固まり、眼瞼ぴくぴく、飛蚊症どころか巨大なカナブン🪰が飛来し、視野が欠けてきました。
しょうがなく眼科に行ったら、朗らかな女医さんに「カナブンは治りません!老化です!」と笑顔で言われて。中医学でいうと、肝腎の栄養がカラカラに枯渇した「陰虚」という状態の滅裂バージョンと思われます。教科書のような消耗ぶりです。
そのうち階段上がっだけでハアハア、全身が引き攣り、生まれて初めて髪がごっそり抜け、試験1か月前には人生初のぎっくり腰。
さすがに施術のお客様を数名延期させて戴きました。すみませんでした…🙏
ギックリで椅子に座れなくなり、夫に文献を読み上げてもらい(録音)うつ伏せで聴いてました🙏
▲眼鏡のとよふくさんに教えて戴いたのですが、中高年は、若者のようにガリガリ鉛筆をにぎる視覚型の学習能力は落ちるけれど、聴覚把握力やイマジネーション力が高まるので、ヒアリング学習に切り替えるとよいそうです。
お爺ちゃんお婆ちゃんがラジオ好きになるのは意味があるのですね。
でも私が恵まれていたのは、患者さんの施術で、一つ、一つの現象を確認しながら歩んで来れたこと。
「Aさんは花粉症に悩んでいるけど、本当は胃腸の水滞だ、脾胃の経絡から水路をたてなおそう」
「2年前、眼球の張りや手足の蠕動があったBさんには鎮肝熄風湯が合ったが、更年期を超えた今は必要ないはずだ」
「そういえばCさんは鼻息に熱を持っていたのに、冷え防止の対処を勧めてしまった、間違っていた…」
生薬や方剤の名前を忘れても、皆さんの背中のうねり、おなかのふくらみ、呼吸の温度は覚えている。そういう過去・現在・未来(予測)のタイムラインと学びが一致してくる時、自分はつくづく現場の大工なんだと思います💪
とりわけ原動力となったのは「愛猫への処方がまちがっていた…」という後悔。
私の選んだ生薬でそこそこは延命できた気がする。でも思い込みで投与しすぎた薬がある。小さいあの子は苦しかっただろう。もう少し匙加減ができてたら、もっと研究できていたら。
クヨクヨすると死者は浮かばれないと言いますが、療術を押し進めてきたのはこういう後悔ではないでしょうか。偉大なる先輩たちもそうでは…といったら烏滸がましいですが。
試験中にハッと閃いたことがあったんです。
「あの老中医は、時の権力者に命じられたわけでもなさそうなのに、ご婦人向けの処方をいくつも作ったのは、なぜだったんだろう?」
ひょっとして亡くした女性のためでは? 亡き妻か、恋人か、母か、娘か。それは後悔か、焦燥か、悲しみか知りませんが、愛の原動力だったのかもしれない。
それをリスペクトして似た処方を作った中医がおり、それに火がついて別素材で組み立てた中医がいる。科学も医学も愛が推進してきた。
そうしたら、試験中なのに涙がほろほろ止まらなくなりまして。何やってるんだ、ドラマ見てる場合じゃねんだと思って我慢したら、今度はヒェッッ💨、ヒェイッッ💨シャックリが止まらなくなりまして。あまりにも挙動不審すぎます。
そもそも会場入りの時から、一番ビリで、ぎっくり腰でソロソロ入場。なのに、答案用紙を提出するのも一番ビリ。
だって見直しをしたら、みごとにマークシートが1個ずつズレているんですもの。開始30分でサッサと答案出して退出する方々は、いったいどうなっているんだ。
そんな私は、中国人試験官たちを心配させていたのかもしれません、一日目試験の終わり、ひとり呼び止められて、励まされました。
「残リ1科目デス!ガンバレ!」
はい、頑張りますっ。
でもね、最後の、患者さんに方剤(処方箋)を書く科目が出来ませんでね、、各くすりのグラム数がぜんぜん書けませんでね。
書いては消し、書いては消し、消しゴムがどっか飛んでいって、最後はやけくそで自分の脈をとってみたり。
またまたビリになるまで粘ったので、中国人監督がそれこそ心配そうにしている気配が伝わってきました。背中からずっと覗かれていました。
いざ、試験終了!
と同時に「世界中医薬学会連合会」から派遣された、シゴデキな感じの女性教官が、ツカツカと教卓から進撃、私の答案用紙をサッと取り上げ、真剣に覗きこまれながら教卓に帰って行かれた。
なんか、、ご心配をおかけしました。こういうとき中国の方ってストレートですよね。
すかさず、もう一人の試験監督が後ろから声をかけてくれました。
「大丈夫ダヨ! アナタ、方剤ノ名前ハ、全部合ッテタ!」
ホッとしました。
「良かった〜。わたし終了3分前に、処方を1個書き換えたんですけど、合ってましたか〜」
そしたら、
「書キカエタノカーーーーーーーー!!」😱
ですって。
あ。落 ち た・・。方剤のテスト。
中国の人ってなぜあんなにストレートで、裏表がないんでしょう。日本人監督ならきっと、目すら合わせないでしょうに。
結果は12月に出るというのに、早くも。からくも。1年後に再受験…判明?
国際中医師試験の受験料は約20万円なんです。そして秋〜冬に(年1〜2回)しか行われないんです。落とした科目だけを再受験できるんですけどね。
しょーん
しかし、懲りずに、さらなる学位を得たいと思っています。むくわれなくてもいいから、私も先輩方のように愛の処方を作る人間になりたい。留学したい。
たとえ日本で処方ができなくても(欧州や米国一部では可能)漢方剤を“見立て”、食養を見立て、レメディ、アロマ、分子栄養学といっしょにプレゼントできるなら、それだけで患者も私もできることが飛躍的に広がります。果ては野原の薬草を調合して奇病に挑む、イカれた仲間を増やしたい。こんなに愉しいことはありません。命なんか燃やしてなんぼや。
来年はおもしろい新店も企画しています。みなさん、遊びに来てください!!
おまけ。
勉強を見守ってくれた亡き猫が、とうとうモバイル化しました。
お客様が、形見がわりにと、彼の写真をお友達(手芸家)に見せて、作ってくださったそうです。リップケースなのですが、お腹に形見を納めてみたら、すっぽり。

「亡くなって3か月ですね」と、いまだお花を持ってきてくださる皆さま方。🙏🙏🙏泣

でも、もう大丈夫です。あの子は、おかげさまで天国に行けました。みなさん、本当にありがとうございました。大好き。


