安曇野 みつはし展覧会の合間をぬって、日本で唯一のチベット医小川さん営む、「森のくすり塾」を訪ねてみました。以前に東京で受けた小川さんの野草講習が面白すぎて、もう一度あの散弾銃トークを浴びたくなったのです。

松川村からは2時間かかり、山や峠をいくつも抜けるのに、土地感がない私はタクシーで行こうとしていた…。みつはし展覧会主催の一人である、友人すーちゃんが車で連れて行ってくれました。

シュールな石仏のならぶ「修那羅」や、江戸~明治に5回の一揆を起こした反骨精神あふれる「義民の里 青木村」などエネルギーの高い土地を抜けて、、

 

 




到着。神社に隣接するロケーションの、なんと気持ちのよいこと。


そして小川さんの素晴らしいトークを、ふたたび浴びる。浴びる。その合間に奥様のレイキも浴びる。奥様は無口だけれどレイキのエネルギーはすうっと通る。

なんでも知っている小川さんは、松川村が長寿日本一になった理由についても考察してくださった。

ーーー1960~70年代、日本じゅうの農家が「農薬なんざ、撒けるだけ撒くもんじゃあ~」と半袖、短パン、くわえたばこでシャワーのようにわっしゃーーと農薬を散布していたころ、

松川村には篤志の保険指導員の方がいて、農薬がいかに人体に有害性のあるものか、その危険性を説いて回り、村民に長袖や手袋で防御させたという。

 

「長生き」は、そのような取り組みの結果でもあるのではないかという小川さん。農薬の蓄積が少なかった1960~70年代の臓器が、数十年後の今、保たれている。一理あるかもしれないですね。

だから今、いろんな企業や行政が小川さんを引っ張り出して「長生き」や「健康」について指導してくれ、講演してくれというが、そんな一朝一夕に寿命などのびないのだ、とおっしゃる。

 

小川さんは今、ひとりひとりへの調合や診断はなさっておらず、

それより日本各地のおじいやおばあこそが、生きた薬であり健康であり大地の養生を体現する存在なのに、今は、その伝承の環がパスっと切れてしまっている。

それをなんとかしなくては!とおっしゃる。失われた大地と人と人のバイブス。

 

この方は上医なのだな、と思いました。下医は症例を治す。中医は人を治す。上医は国を治す。

 

そんな小川さんも、愛児5人をすべて自宅出産した安曇野のアナスタシア(と私が勝手に呼ぶ)すーちゃんの話には、ほほうと聞き入っておられました。


「人間が、分娩台の上で、ジーっと仰向けになって産んで、苦しくないはずがないんです。ほかのすべての動物のように、よつんばいになったり、まるまったり、ひらいたり、ころんころん転がりながら、だんだんいい塩梅になって、赤ちゃんも出口からのぞいたり、また戻ったりしながら、いい頃合いで出てくるのを待つ…。そうすると、会陰もやわらかくのびて、切らなくていいんです。だけど現代の現場では、そういうことを待つ時間がないのでしょうね」

ああ、なんど聞いても気持ちのいい話。

学生から医学部生に転身したパートナーを支えながら、役場で働きながら、5人の子を産み育てながら、あいまに合鴨農法で米づくりしながら、みそもしょうゆも⚫︎⚫︎も全部自分でつくるすーちゃん。


「日照りがつづくとね、雑草は根を広~く、網目のようにスキもなく、必死に伸ばしてる。だけど、雨が降ると、ぽわんと油断するのがわかるの。そのすきに抜くの」

という、なんでもないような話も、彼女が語ると、独特の視点と詩情がある。

こういう人なので、彼女からいただいた手作りのお醤油は、ふんわりとまろやかで、何に足してもかけても、調和する。煮物なんかを終えて、お皿に盛ってから「あ、醤油たりなかった」なんて足すと、ちょっとツーンと醤油の気配が立ちますよね、でも彼女の醤油はなぜかツーンの気配を消し、まろやかになじむ。煮物にもサラダにもカレーにもすべてになじむ。この世の最高にすばらしいことって、「なじむ」ことなんだ、って感動するくらいなじむのだ。

という感動をメールで送ったら、


どーん。後日、松川村からとんでもない物量の食材×2箱分が。

「土産テロだ!!!!!!!!!」
真っ青の家人、贈り物に対する生涯最大の賛辞を呈した。

中身は。すーちゃんの手前味噌、すんき漬け(塩を一切使わない乳酸発酵のみの健康食品でヨーグルト以上の乳酸菌発酵食品、木曽出身の人は毎朝すんき入りのみそ汁を飲むとか。だから木曽義仲のような武将が出てきたのか)、
さとう&しお&酢で漬ける「さしす」梅、ご当地アルプスの水、りんごジュース、こごみやこしあぶらなど山菜、おせんべい、おやき、桑の葉茶…。
 

うん、これはテロだ。その聞いたこともなかった食材たちの味わいったら。

 

夫が米粉で天ぷらを作ってくれました。もうこれ最後の晩餐でもいいと思った

*この米粉、スープに入れれば瞬時にあんかけ風になり、こねればパンになり、どんな料理にも使いやすくて美味しいです。


▼すーちゃんからのメッセージ
(私が初めて)信州にきたとき、お向かいのお婆ちゃんが、手作りおやきをくれました。聞くと、具の野菜はもちろん自家製、味付けの味噌も自家製、なんと皮の小麦粉まで自家製とのこと。わたしはびっくりしちゃって、この人たちは、総理大臣が変わろうがアメリカが戦争しようが、世の中で何が起こっても自分たちで何とかできちゃうから関係なく生きられるんだろうなあと そういう強さかっこいいなあと思いました。
長寿とかそういう強さかなあと思いました そんな信州の食材です 食べてみてください

 


ですって、ふるえるわ。 


信州・松川の人たちって、地震も、災害もぜんぜん怖くないんだそうです。草は野に、実は山に、水は井に川に、どれだけでもあるから。汲めども尽きぬから。

当たり前のように生涯サバイバーで、都会人が聞いたら目を剝いてほしがるものをたくさん持っていて、でも、売るなんて考えないこういう人たちに、卑しい私はお手盛りのマイクを突きつけ、その声を拾い、人に紹介することをやめられません。

紹介と言えば、個人診療や調合をなさっていない小川さんですが、「だってすでに、世にはこんな良いブレンド薬草茶が出ていますから」と、森のくすり塾推しの薬草茶を紹介してくれました。


黒姫和漢薬研究所のえんめい茶。

黒姫和漢研究所につとめていらした小川さんが携わったもの。「自分のいた会社のつくっている物は、よく知っている」と信頼を置かれているものです。病人を引き起こす=ヒキオコシこと、エンメイ草やクマ笹、クコ葉、ハブ茶、ハト麦などが絶妙にブレンドされている。


当サロンでも、術後の茶としてお出しすると、喜ばれるようになりました。そして、施術中にお手洗いに行かれた人が、ダメ押しでもう一度行かれる。

 



この薬湯も凄いのですよ。入れてはいけないほどの密度濃度で生薬が入っていて(人体に害はないですが)、回収騒ぎになったことがあるとか。

ひたむきに一心に生薬を研究する富山の会社がつくってらっしゃる逸品です。

血行の促し、あたたまり方がハンパなく、「低血圧の人が急に使うと危ないので、少しずつ湯に浸してみて」と小川さんも言うほど。冷え性の方におすすめです。


など、など、

シェアしたいお話は尽きませんが、ぜひ現地、またはzoom等で小川さんの話を直接からだに浴びることをお勧めします。




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小川さんが取材されたよい記事をみつけました