地震による影響で、山形県の方が困っているみたい。さくらんぼは最盛期のようですよー。今なら飛び込みで間に合います🍒

 

昨年書いた記事を再掲載します。

 

 

 

 

 

私は自社せっけんに、惚れこんでいます。

 

何百個もためして辿り着きました。

佐賀県の、がばいおじいちゃま職人の元で20年かけて研究されたせっけんです。特殊製法により、天然の海塩を30%の濃度で含むことに成功しました。

 

でも肌にのせたときの濃度は約9%で、赤ちゃんもアトピーさんも傷つけないのです。

山で言ったら、このくらいの容量がぜんぶ塩です。山で言う必要ないけど。


塩の力で、汚れは細部まで落ちますが、洗い上がりはしっとりし、ちょっとした気の浄化もできます。

 

そんな愛するせっけんですが、バンバン宣伝する気にはなれませんで、SNSでもあまり告知せず、ブログに書いたのは2回目でしょうか。

 

なんでもいいから売りたいわけではなく、PRサイトやメディア、TV通販番組からのお誘いはご遠慮してきました。大切な娘のようなものだから、伝わる人に、使ってもらえればいいのです。

 


世界にひとつしかない特殊な圧縮機で、このせっけんを開発した佐賀の職人おじいちゃまには、何度かお会いしました。

 

でも「さくらんぼパウダー」という、たぶん国内でも希少な個性を吹き込んでくれた、山形のさくらんぼ農家にはご挨拶しそびれていました。

 

そこで、今年(2018現在)こそはご挨拶をさせていただこうと‥・。急に思い立ち、3日後に山形県の寒河江市にとんでいきました。
 

急な予定にもかかわらず、さくらんぼパウダーを加工している食品会社の研究者T田さんが、ある農園へ案内してくださることになりました。

 

そして待ち合わせ。





 

現地で出会った山形の人は、こんな人の良さそうな方ばかりだった。T田さん、駅に50歳くらいのおじさん、いっぱいいるよ…(´・ω・`)


そんな妙好人なT田さん、お気遣いでさくらんぼ物産館などに寄っていただき、百花繚乱のさくらんぼ製品に感激。

 

そして走る車の窓外につぎつぎ現れる、赤く光るツヤ玉の群れにはしゃぐ、はしゃぐ。山形、すごいやん。ルビーの国やん。

🍒
「いやー、こんな車がびゅんびゅん走ってる道沿いの農園より、これから行く山のほうが空気がきれいで、おいしいのが成っていますよお」

 

と、T田さんは言います。

山?

そう、気がつけば車はゆるやかな山道にさしかかっておる。

へえ、こんな高地にさくらんぼが・・・と思っていたら、車はふいっと、井の字をくぐりました。

鳥居? 

 

いま、鳥居、くぐりましたよね。


思わず来た道を二度見、三度見していると、突然、前方に。

おおお。

素人目にも、かなりの星霜を感じさせられる古刹、三重の塔が出現しました。すごい木組み…。

慈恩寺。奈良時代に創建された古刹だそうです。

ご本尊は弥勒菩薩、脇侍に地蔵菩薩、釈迦如来、不動明王、降三世明王を配する国内でも珍しい五尊形式。法相宗、天台宗、真言宗の併存も珍しいそうです。

 

江戸時代には東北随一の御朱印地を有し、3000石の禄があったそう。お寺さんで3000石って凄いのでは?

「出羽名刹三寺」のひとつとされ、若返りのご利益があるそうです。

若返り。👀 って今言った?

 


「農園は、このお寺の、真上にありますよお」。T田さんは、さらりと流します。
 

あまりのロケーションに、ひよわな都会人の私と相方は、声も出ません。東北、やっぱりスケールはんぱないな。

そして、お寺の周りをぐるっと縫うようにして登った車が止まったのは…。

「法身 観光さくらんぼ園」

ほっしん。それはどう見ても、仏道を連想させられる御名前。

そう、こちらの農園は、「法身さん」という80歳になるご夫婦が経営されており、法身さんのご先祖は、お坊さんなのです。

 

むかし、慈恩寺にゆかりのあったお坊さん達が、日々の糧としてさくらんぼ作りを始めたのが、一帯の農園のはじまり。

冗談で、「神せっけん」と言っていた自社製品が、ほんとうにメイド・バイお坊さんの末裔で、若返り寺のゆかりだった。




呆然とし、無口になる私に、

 

「だいじょうぶですかあ? おとうさんの話がよく聞き取れなかったら、私が通訳しますからぁ」 と、気を遣ってくださるT田さん。

しかし、なまじ標準語まじりで洗練されたT田さんより、生粋ネイティブのおとうさんのほうが、お互い外人モードというか、直接テレパシーのように頭に入ってくるのでした。

おとうさんに、

「こんな凄い景色が、毎日の職場なんですね・・・・」と言ったら、「それはそうだあー」と笑われた。



庄内平野を見下ろす、おとうさんの仕事場。


さくらんぼの赤は、太陽をいっぱいいっぱい、満遍なく浴びることで、その赤みが増すそうです。そのため木の下にこんな反射シートを敷いて、下からも光が当たるようにしてあげるのですって。


 


 

弊社のせっけんに使われている「紅さやか」の収穫は終わっていたけれど、高級品種「紅秀峰」などが残っていました。おとうさんに「食べてみて!」と言われ、わしっと枝を下げて、もいでくださったのを頬ばったら、

 

 

 

飛べる!! い ま 飛 べ る よ こ の 空 を、私。



太陽の甘さ。光のめぐみ。空の滋養。大地の恩寵。アマハヤミ。 

 


ぷしゅ~~と、眼から水が吹き出し、おとうさんとT田さんに笑われてしまう。


ナポレオン、紅秀峰、佐藤錦、紅ゆたか、正光錦、高砂、静御前。

品種によって大きさ、持ち重り、皮の感触、甘み、酸味、歯ごたえ、すべてが違うんだよ。

「品種だけでないよ! 木のね、一本一本の個体によっても、ぜんぜん違うんだ。人間も、ひとりひとり性格が違うでしょ? それと一緒でね、ワセのもいるし、奥ゆかしいのも、気むずかしいのもいるんだよ」

へー。へー。ほろほろ。もぐもぐ。もぐもぐ。

 

法身おとうさんが次々と実をもいでくれるので、感心したり、涙ぐんだり、咀嚼したりで、じつに忙しいのである。

最高級の紅秀峰は、桐の箱に鎮座して、東京の百貨店で販売されるものは数万円になる。もはや宝石ですよね。

 

この道60年のおかあさん。宝石鑑定士より鋭い遠別眼で一級品を箱づめしていく

そんなこんなで、感激して、私的絶賛さくらんぼフェスとなっている最中、T田さんの小学校父兄ラインに連絡が入ったようです。

 

「息子の小学校の校庭にクマが出たらしい」滝汗

 

小学校って市街地ですよね…。

 

山形県寒河江市、フェス感はんぱない。

まさか翌日に霊山で、「クマ」におびえる遭難フラッグが立ってるとは・・・もちろんこの時点では知るよしもない私たちでした。その話はまたいつか。





寒河江はおいしいものや、見どころがたくさんあり、一泊では全く足りなそうなのでした。姑や母もつれていってやりたい。


お夕餉はこちら「出羽屋」。人気の宿で、一年前から予約する人もいるそうですが、運よく滑り込むことができました。

ドタ参なので、お席はどんなふうでもいいと思っていたけど、庭園を望むお茶室、貸し切りにしていただけました。

 

こんな思いをしていいのだろうか。

 

瞑想からの・・・



かぶりつき。アユは手づかみだべ




 

大将の創意工夫とその日のフィーリングで、高山菊の天ぷらなど変わり種がごっそり出てきます。じゅうな、うこぎ、みず、山うど、行者にんにく、いわぶき・・・名前も聞いたことのないような山菜を、こんな夏にたらふく食べられるなんて。

 

 

「日本一うまい筍」と地元の方が言う月山筍。ほんとうに日本一だと思いました。

 


山菜をひたすらもりもり食べて、おなかがいっぱいになるなんて。

「夢のようだね」「天国のようだね」「もしかして明日、死んだりして」、「これが最期の光景なら悪くないかもね」なんて相方と言い合った。それがいけなかったのだろうか。


この翌日に、まさか遭難して霊山(出羽三山)でビバークし、レスキュー隊のお世話になるとは夢にも思わなかったのであります。またいつかにつづく。