私は自社せっけんに、みもふたもなく惚れこんでいます。

何百個もためして探し尽くしたせっけん

もともとの佐賀県の開発者の歴史でいえば、20年かけて作られており、特殊製法で、天然の海塩を30%の濃度で含んでいます。でも肌にのせたときの濃度は9%で、赤ちゃんもアトピーさんも傷つけない。

山で言ったら、ここがぜんぶ塩です。山で言う必要ないけど。


塩の力で、汚れはキレイサッパリもっていかれるけれど、洗い上がりはしっとり。しかも、ごく軽めの邪気や生霊なら(という言い方が適切かわかりませんが)ズルっと剝けちゃう。そんなせっけんなので、友人知人に使ってほしく、ひょっとして発売から1年半、売ったより人にさしあげた数が多かったかも。押し売りならぬ、押しあげです。


かといって、バンバン宣伝する気にはならず、SNSでもあまり告知せず、ブログに書いたのは2回目でしょうか。なんでもいいから売りたいわけではなく、PRサイトやメディアやTV通販番組からのお誘いもご遠慮してきました。伝わる人に伝わればいいの。

 


世界にひとつしかない特殊な圧縮機で、このせっけんを開発した、佐賀の職人おじいちゃまには何度かお会いしました。

しかし、「さくらんぼパウダー」という、たぶん国内でも希少な個性を吹き込んでくれた、山形のさくらんぼ農家にはご挨拶しそびれていて。

 

そこで、今年こそはご挨拶をさせていただこうと‥。

急に思い立ち、先々月末に山形県の寒河江市にとんでいきました。急な日程にもかかわらず、さくらんぼパウダーを加工してくれている食品会社の研究者T田さんが、ある農園へ案内してくださることになりました。






↑お人柄か県民性か。私が出会った山形人はこんな素朴な方ばかり。

駅に50歳くらいのおじさん、いっぱいいるよ・・(´・ω・`)。

そんな妙好人なT田さんに出会って、お気遣いでさくらんぼの物産館などに寄っていただき、百花繚乱の山形さくらんぼに感激。そして走る車の窓外につぎつぎ現れる、赤く光るツヤ玉の群れにはしゃぐ、はしゃぐ。

「いやー、こんな車がびゅんびゅん走ってる道沿いの農園より、これから行く山のほうが空気がきれいで、おいしいのが成っていますよお」

と、T田さんは言います。

山?

そう、気がつけば車はゆるやかな山道にさしかかっています。へえ、こんな高地にさくらんぼが・・・と思っていたら、車はふいっと、井の字をくぐりました。

鳥居? 

 

いま、鳥居、くぐりましたよね。


思わず来た道を二度見、三度見していると、突然、前方に。

おおおおお。

素人目にもかなりの星霜を感じさせられる古刹、三重の塔が出現しました。すごい木組みだ・・。

慈恩寺。奈良時代に創建された古刹だそうです。

ご本尊は弥勒菩薩、脇侍に地蔵菩薩、釈迦如来、不動明王、降三世明王を配する国内でも珍しい五尊形式。法相宗、天台宗、真言宗の併存も珍しいそうです。江戸時代には東北随一の御朱印地を有し、3000石の禄があったそう。お寺さんで3000石って、かなりすごいんではないか。

「出羽名刹三寺」のひとつとされ、若返りのご利益があるそうです。

若返り。👀 って今言った?

 


「農園は、この寺の真上にありますよお」。T田さんは、さらりと言います。
 

あまりのロケーションに、ひよわな都会人の私と相方は、声も出ません。東北、やっぱりスケールはんぱないな。

そして、お寺の周りをぐるっと縫うようにして登った、車が止まったのは・・。

「法身 観光さくらんぼ園」・・・・。ほっしん。それはどう見ても、仏道を連想させられる御名前。

あんのじょう、こちらの農園は、「法身さん」という80歳になるおとうさんとおかあさんが経営されており、法身さんのご先祖は、お坊さんだそうです。

 

むかし、慈恩寺にゆかりのあったお坊さん達が、日々の糧としてさくらんぼ作りを始めたのが、一帯の農園のはじまり。

冗談で、「神せっけん」と言っていた自社製品が、ほんとうにメイド・バイお坊さんの末裔で、若返り寺のゆかりだった。




呆然とし、無口になった私に、

「だいじょうぶですかあ? おとうさんの話がよく聞き取れなかったら、私が通訳しますからぁ」 と、気を遣ってくださるT田さん。

しかし、なまじ標準語まじりで洗練されたT田さんより、生粋ネイティブのおとうさんのほうが、お互い外人モードというか、直接テレパシーのように頭に入ってくるのでした。

おとうさんに、「こ、こんな凄い景色が、毎日の職場なのですね・・・・」と言ったら、「それはそうだあー」と笑われた。



庄内平野を見下ろす、おとうさんの仕事場。


さくらんぼの赤は、太陽をいっぱいいっぱい、まんべんなく浴びることで、その赤みが増すそうです。そのため木の下にこんな反射シートを敷いて、下からも光が当たるようにしてあげるのですって。


 


当該せっけんに使われている「紅さやか」の収穫時期は終わっていたけれど、高級品種「紅秀峰」などが残っていました。おとうさんに「食べてみて!」と言われ、わしっと枝を下げて、ぷちんっと、もいでくださったのを頬ばったら、

 


 

飛べる!! い ま 飛 べ る よ こ の 空 を 私。



太陽の甘さ。光のめぐみ。空の滋養。大地の恩寵。アマハヤミ。 




猫もうなる赤。

ぷしゅ~~と、また眼から水が吹き出し、おとうさんとT田さんに笑われてしまう。


ナポレオン、紅秀峰、佐藤錦、紅ゆたか、正光錦、高砂、静御前。

品種によって大きさ、持ち重り、皮の感触、甘み、酸味、歯ごたえ、すべてがちがうんだ。

「品種だけでないよ! 木のね、個体によっても、ぜんぜん違うんだ。人間も、ひとりひとり性格が違うでしょ? それと一緒でね、ワセのもいるし、奥ゆかしいのも、気むずかしいのもいるんだよ」

へー。へー。ほろほろ。もぐもぐ。もぐもぐ。法身おとうさんが次々と実をもいでくれるので、感心したり、涙ぐんだり、咀嚼したりで、じつに忙しい。

最高級の紅秀峰は、桐の箱に鎮座して、東京の百貨店で販売されるものは数万円になるという。宝石ですよね。

この道60年のおかあさん。宝石鑑定士より鋭い遠別眼で一級品を箱づめしていく

そんなこんなに感激して、私的絶賛さくらんぼフェスとなっている最中、T田さんの小学校父兄ラインに連絡が入ったようです。

 

「息子の小学校の校庭にクマが出たらしい」。

 

小学校って市街地ですよね・・・。山形県寒河江市、フェス感はんぱない。

まさか翌日に霊山で、「クマ」におびえる遭難フラッグが立ってるとは・・・もちろんこの時点では知るよしもない私たちでした。





寒河江はおいしいものや、見どころがたくさんあって、一泊では全く足りなそうなのでした。来年は、姑や母もつれていってやりたい。

お夕餉はこちら「出羽屋」で。人気の宿で、一年前から予約する人もいるそうですが、運よく滑り込むことができました。

ドタ参なので、お席はどんなふうでもいいと思っていたけど、庭園ビューのお茶室、まさかの貸し切りでご案内されました。


こんな思いをしていいんだろうか。

 

瞑想からの・・・



かぶりつき。アユはやっぱり手づかみだべ




大将の創意工夫とその日のフィーリングで、高山菊の天ぷらなど変わり種がごっそり出てきます。じゅうな、こごみ、うこぎ、みず、山うど、行者にんいく、いわぶき・・・名前もきいたことのないような山菜を、こんな夏にたらふく食べられるなんて。

 

「日本一うまい筍」と地元のひとが言う月山筍。ほんとうに日本一だと思いました。

 


山菜をひたすら食べて、おなかがいっぱいになることがあるなんて。

「夢のようだね」「天国のようだね」「もしかして、あした、死んだりして」、「これが最期の光景ならそう悪くないかもね!」なんて相方と言い合った。それがいけなかったのだろうか。


この翌日に、まさか遭難して霊山(出羽三山)でビバークし、レスキュー隊のお世話になるとは夢にも思わなかったのであります。つづく。