・「羊の木」
期待 ○
没頭 ○
結果 △
好感 ○
リピート △
ーー前回書いた「今夜、ロマンス劇場で」とは、まったく正反対に位置する映画。予告編からして、なんだか不穏な空気の流れる、何かヤバイことが起きそうな空気感が満載。
個人的にはあまりネガティブなエネルギーを発する作品は観たくないんだけど、設定が面白そうだった。予告編だけだと「ちょっとどうかな」とも思ったけど、これも感想に目を通すと、なんとなく希望の光が見えてきそうな作品なのかな、という気がした。
BGMというか、音がすごく緊迫した不穏な空気感に臨場感を持たせていた。そして、日本海沿岸のどんよりとした曇りがちな空と強い風。「魚深市」という名で映画の中では使われてるけど、このロケ地というかモデルとなった町には行きたくねぇな、てのが正直な感想。あえてその町の名は伏せとくけど。
映画とかドラマっていろいろロケ地が使われていて、それはそれで作品がキッカケとなって興味をもったり、訪れてみたりするのも非常に面白いと思う。僕はそういうの大好きなほうだ。「ロケ地聖地巡り」ってヤツだよね。地方の町でも「町おこし」的な感じで積極的にロケ地として町を売り込んでいるところもある。映画を観る側としても、作品を通していろいろな土地を体感できるのってありがたいことだ。
逆に作品の中のイメージだけが極端に先行してしまう土地もある。現地に住む人と訪れる人との温度差だ。作品のイメージで「熱」を持って訪れる人と、その作品をロクにみたこともなくこれまで通り生活してる住人とでは、やはり温度差もあるし、せっかく興味を持って人が訪れても「受け入れ体制」ができてなかったりする。作品の中のイメージとのギャップに落胆してしまうことさえもあると思う。
過疎に悩む地方の町とか移住促進とか社会復帰というテーマもあるので、設定としては興味があった。ちょうど、何年か前に地方に移住し始めた頃を思い出した。僕はすぐには仕事につかないで、しばらくはその土地の自然とかの恩恵を堪能して「観光的」に足を伸ばして楽しんでたんだけど、当時、ちょうどオウムの指名手配の逃走犯が連日ニュースになってたこともあり、年齢的にも近かったこともあったので近所で怪しまれてたことがあった。そういう話って直接言ってくるのではなく、本人に「聞こえる」けど関わらない距離感で話してるから余計に面倒臭いのだ。
そういった田舎での「よそ者感」みたいなものを思い出し、映画の中の移り住んできた受刑者たちに重ね合わせて、僕はこの作品を観てたような気がする。
話が逸れてしまったけど、映画の中身に戻ると、この作品に出てくる役者さんはみんな非常に素晴らしかったと思う。そういう点で好感度は○にした。個人的には、松田龍平さんが演じてた役に少し感情移入しながら最後観てたので、なんとなく「救い」を感じないスッキリしない終わり方だったかな。