・「ワンダーストラック」

 

期待 ◎

没頭 △

結果 △

好感 ○

リピート △

 

 

予告編を観て、正直、感動してた。

デヴィッド・ボウイの「Space Oddity」の使われ方が、予告編ではすごく好きで、正直、それだけで感動して期待度マックスで観に行った、といっても過言ではなかった。ついでに言えば、パラレルワールドのようで、タイムスリップがあるのかと思わせるような、僕が好きそうなタイプの映画だろうと本当に楽しみにして観に行った。

 

結論から言わせてもらうと、予告編が最高の作品だった映画でした。

 

ずっとワクワク期待しながら観ていたけど、なんだか引っ張って引っ張って「ようやく」というところで「なるほど」とわかって終わる、という感じ。すごく曖昧な言い方だけど、僕の気持ちの流れとしてはそんな感じ。ひとことでいうと、期待はずれ。

 

だから正直、物足りなさというか、なんとなくもったいない感じも受けなくはなかったんだけど、「切り口」としてはすごく面白いなと感じる部分もたくさんあったと思う。

 

話の流れとしては、映画というより本として読んで追っていくのに向いてるのかな、とも思った。1977年時の少年と1927年時の少女のパラレルワールドで話は進行していく。共通しているのは、二人とも耳の聴こえない世界でニューヨークへと一人旅立つ「冒険」もの。

 

ただ、それぞれのワールドに、その当時の時代を感じさせる工夫が、これは映像ならではという面白さがあった。1927年の時代を白黒にするというのは面白いと思った。たしかに、その時代を知らない世代のイメージだと、残ってる当時の映像って白黒なんだよね。だから、これをヘタにカラーで再現してもなんとなくその「時代っぽさ」を我々世代ではきっと感じられないんだろうと思う。

 

それぞれの時代の街の様子だとか服装とか髪型、風潮的なものも観ていて非常に興味深かった。そして、耳の聴こえない少年と少女それぞれの視点から見える(聞こえる)世界を映像にしているところも面白かった。その間、他人は喋ってはいるけど、セリフはすべてカット。要するに、主人公には聴こえないから口パクの世界にしか映らないってこと。僕が面白いと思ったこの映画の見所は、こんな二人がそれぞれ異なる時代でニューヨークへと旅立っていく過程のパラレルワールドの世界かな。

 

ただストーリー展開としては何か起こると期待させといて、「僕なりの期待」ではなかったのがちょっと残念。時間軸がちょっとズレて何かが起こればすごく面白かったんだけど。そこまで外さず、意外とごもっともな展開だった。それ自体でも十分な奇跡みたいなものだったんだけどね。期待が大きすぎたのだ。

 

あと気になった点が二つ。

 

一つは少女がメモで「Where do I belong? 」って出した時の字幕が「私はどこに属しているの?」って出て、オイオイ直訳英語かよ、と不自然に思った。僕は英語得意じゃないけど、せめてここは意訳してでも「わたしの居場所はどこ?」が自然じゃない? って気になって仕方なかった。でも、先ほど予告編の映像みたら、その字幕は「わたしの居場所はどこ?」になってた。

 

あと一つは、やっぱり「Space Oddity」の使われ方が残念すぎたなぁ。非常に残念すぎた。

前半、早速、ちょこちょこ出てくるんだけど、無駄に乱発させただけな気がした。エンディングでのこの曲に関してはミックスのバランスが気になった。ちょっと楽器がうるさい、って感じの不快なものだった。僕みたいなデイヴィッド・ボウイ好きを「釣る」のに使用しました的な感じを受けて、まんまと釣られたよと思いながら、どうせ釣るなら上手くさばいて欲しかった、というのが正直なところ。その点、予告編でのこの曲の使い方はとても素晴らしいものがあった。感動さえ覚えた。

 

というわけで、僕の中ではこの映画は予告編が最高に素晴らしい作品であったのだ。

 

そうそう。今、思い出したけど、「今度、博物館に行ってみよう」て思えてくる映画でした。