いろいろ用事をかかえて東京にいってきました。
1日あるきまわってじんわりとわきあがってきたことをつらつらと。




《青山・スパイラルにて・・・》


石本藤雄さんの「布と陶-冬」、石本さんご本人によるギャラリーツアーに参加してきました。

石本さんに初めてお会いして、ツアーの間にも終わってからもずうずうしく、お伺いしたかったことをたくさん質問。
気さくに笑顔で応えていただき、嬉しかったなぁ。

石本さんのデザインしたmarimekkoの布は好きなのばかりだし、イルーシアというARABIAのお皿、組でフィンランドから送って実家で使っています。

今回の壁の花のシリーズ、前よりも釉薬のバリエーションが増えていてひとつひとつ見ていて楽しかった。

月の満ち欠けやしんしんとした雪の風景を切り取ったみたいに見える大きな丸いプレートは、以前白金のギャラリーで床一面に敷き詰められているのを目にしてからずっとわたしの中にあったんだとあらためて気づかされる迫力でした。


長くしずかなフィンランドの冬、(わたしはまだ体験したことがないけれど)それを日本人の石本さんが体験して長い間に染み入って陶になっていくということ。

日本人が日本の風景を染みこませた体で陶に出すということ あるいは出るもの。

そこにいるだけではなく移動しながら、
別の風景も見えながらレイヤーを重ねて浮かんでくるもの。きっとそのひとにしか見えないだろうもの。


そして48歳でARABIA文化基金の奨学制度に申請し、アラビアアートデパートメントにて、在籍しているmarimekkoの協力を得ながら陶芸にも入り込んでいく石本さんの熱さ、企業の寛大で自由な姿勢。


そんなことに思いを馳せるひとときでした。


・・・ ・・・

肩にかけていたブラウンのバッグも石本さんが関わったシリーズ。
「あ、これもmarimekkoでしょ」と目ざとく見つけてくださり、
「そうですそうです気に入ってます!!」
・・・なんというかファン根性丸出しなわたしでした。


さいごは



本にサインを。大切にします エヘヘ。





《ミッドタウン・サントリー美術館にて・・・》

「フィンランド・デザイン」展。
ようやく見ることができました。

20世紀初頭のガラスから、アールト夫妻、カイフランク、タピオウィルカラ、ティモサルパネヴァ、オイヴァトイッカ、ヘイッキオルボラ、ハッリコスキネンまで、時系列で並ぶガラス、
優しくて美しくて、そばにおいてずっと使いたくなる、っていうのはこういうことかとしみじみ。

言葉に尽くせるものでもないので
見に行ってみてね!と逃げ口上になってしまいますが、
ひとつ心に刺さったのは。


19世紀はじめまではスウェーデン、そこから100年あまりの間ロシアの統治下にあって、スウェーデンが本国の燃料資源を守るためにフィンランドにガラス工場を作りはじめたのがフィンランドガラスの生まれたきっかけ。

その後独立して数十年、干渉してくるロシアやスウェーデンと領土争いが続きながら第二次大戦で敗戦。


材料を輸入に頼っていたフィンランドのガラス産業が
「共産主義にならないこと、質の高い製品の製造を海外に示すこと」
を目指し、国を挙げて産業の再開復興に集中する。そのために、戦後のガラス産業でつくられるものは全てプロのデザイナーの仕事となっていく。

といったようなことがパネルに書かれていたわけです。


ギラリとつっぱっているわけではないのに印象にのこる、フィンランドのまっすぐで優れた企業デザインは
「MADE IN FINLAND」
の名を負いながらデザイナーと職人さんたちが作り出してきたもの。

これはきっとガラスだけじゃなくて、ARABIA や marimekko にも共通する。

独立を守るために、資本民主主義であるために、日用品をつくる企業は大変な努力をしたのです。

そうした企業は、だから良質な製品の源となるすぐれたデザイナーを大切にする。
クリエイションを大切にする。


石本さんが企業の枠も国境も越えて、布と陶での仕事、表現をされてきたのはそんな歴史も関係しているのかもしれないなあ、と、ふと思いました。

そして同時に、iittalaや少し前までのARABIA製品には目立つところにかならず貼られるロゴシール、その必要性、切実な思いも勝手ながら腑に落ち、おもわず胸が熱くなったのでした。


移動の途中marimekkoのショップにいりびたったり(サンタさん、いい子にしてるのでわたしにmarimekkoの可愛いワンピースをください)、
お世話になっている北欧デザインハウスに立ち寄ったり(クリスマスのヴィンテージクロスかわいかった)と、結局北欧スポットめぐりみたいになりましたが、

石本さんの展覧会とサントリー美術館を同日に見られたのはよかったです。
すごい刺激をもらって帰ってきました。


サントリー美術館のフィンランドガラスの展覧会は1月20日まで

スパイラルの石本藤雄さんの展覧会は1月14日までだそうです。



あぁ久々に長文、ほかにも見に行った展覧会があるのですが
今日はこのへんで。

さいごまで読んでくださってありがとうございます。



○展示期間延長のお知らせ○
サントリー美術館ミュージアムショップでのうつわの展示、1月下旬まで延長となりました。フィンランドガラス好きな方々に反響をいただきとても嬉しいです。
年明け早々に再度追加納品しますので、
お近くにお越しの折はぜひぜひのぞいてみてくださいね(^-^)