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数学、物理、プログラミング、等のメモ

考えたこと と 知っている ことの違い

そもそも考えるってなに?

考える力ってどうやったら伸ばせるの? に答えてくれる本

 

 

 

 

 

知識が思考の邪魔をすることがある

 

よく知らない分野であれば、革新的なアイデアを寛容に受け入れる人も、自分の専門分野については驚くほど保守的であったりします。保有する知識が多すぎて、どんなに斬新なアイデアを聞いても頭の中からひっぱり出してきた知識によって「そんなことは不可能だ。できるわけがない」と否定してしまうからです。
「詳しくなればなるほど、その分野での新しいアイデアに否定的になる」傾向が見られたら、「知識が思考を邪魔している」ことを疑ってみた方がよいでしょう。

 反対に思考力のある人は、自分の専門分野においてさえ革新的で柔軟です。それは彼らが常にゼロから考えているからです。時代が変わり、世の中が変わり、新しい現象が出てきて新しい情報に触れたとき、過去の知識ではなく、目の前の情報から考えることができるかどうか。それが「考えることができる人」とできない人の分岐点です。もしくは、「時代の変化に気がつく人」と気がつかない人の違いともいえます。
 また、知識の中で特に影響力が大きいのは、成功体験と結びついた知識です。過去に大成功したという記憶(それ自体がひと固まりの知識です)が、新しい情報に触れたときにシャシャリ出てきてゼロから考えることを妨げます。そうなると、せっかく時代の変革期に新しい情報に触れているのに、過去の知識に囚われてしまい、先入観をもたずに考えることができなくなります。
 

 

なぜ? と だからなんなの?

 

「なぜ?」とは、数字の背景を探る問いです。数字はなにかの現象や活動の結果なので、すべての数字には理由があります。売上が伸びているなら「なぜ売上が伸びているのか?」、特定地域の人口が減ったなら「なぜこの地域の人口が減ったのか?」と考えるのが、「なぜ?」です。

もうひとつの「だからなんなの?」は、「過去の結果がこの数字に表われているのだとしたら、次はなにが起こるのか? それにたいして自分はどうすべきなのか?」と、データの先を考える問いです。
 
 これまで売上が上昇してきたというデータがあれば、「来月はさらに上がるのか? それとも売上の上昇は今月で止まるだろうか?」と考えます。続けて、「来月の売上も増えるなら、今、自分はなにをするべきなのか? 仕入れを増やすべきだろうか?」などと考える必要もあります。
 次に起こることを予想し、それに対応するためになにをすべきかを考える、これが「だからなんなの?」によって問われる思考です。
 データを見たときには、その背景(=データの前段階)を考える「なぜ?」と、そのデータをどう解釈・判断し、対応すべきか、と一歩先(=データの後段階)を考える「だからなんなの?」のふたつの問いを常に頭に浮かべましょう。

 

判断基準を絞り込むと考えるのがラクになる

 

たとえばレストランを選ぶとき、小さな街でさえ選択肢は何十もあるし、東京ともなれば星の数ほどのレストランがあります。その中からひとつの店を選ぶのがむずかしい理由は、レストランが多すぎるからではなく、レストランを選ぶための判断基準が多すぎるからです。
 味がいいのはもちろん、イタリアンもいいし、中華もいい、いや、エスニックもおいしそう。雰囲気もよいところがいいけれど、でも価格はこれくらいまで、会社から近くて、家に帰るにもラクな沿線で、予約の取りやすさもなどと言っていると、考えること自体に時間がかかるうえ、「おいしいけど高い」「手頃で旨くて雰囲気もいいけれど、いつも混んでいて予約がとれない」など、どこも一長一短になってしまいます。
 一方、どんなにレストランの多い街で働いていても「昼食にかけられる予算は300円以内」という制約があるサラリーマンは、食事をする店の選択にほとんど迷わないでしょう。忙しくて昼休みが20分しかないという人も、店選びには迷いません。いくら選択肢が多くても、ひとつでも明確な判断基準があれば人はすぐに決断できるのです。
 でも実際にはそれほど強制力の高い判断基準(制約条件)は存在しない場合も多く、そうなると「あれもこれも」とすべての条件を満たしたくなるのが人の常です。そしていつのまにかなにも決められなくなってしまうのです。

 これはビジネスの世界でも同じです。利益率という判断基準だけで取り組むビジネスを決めるなら話は簡単です。儲かるなら進出し、儲からなくなれば撤退すればいいだけです。そこに「うちの看板事業だから」「今は儲からないが将来性があるから」「技術の維持には必要な事業だから」などと、異なる多くの判断基準をもち出すからなにも決められなくなってしまうのです。
 こういったときに役に立つのが、「判断基準に優先順位をつける」という考え方です。流行した言葉を使って「判断基準を仕分けする」と言ってもいいでしょう。
 いくつも存在する判断基準は、すべてが同じ重要性をもっているわけではありません。その時々で「今、もっとも重要な基準はどれなのか」ということを見極め、思い切って判断基準を仕分けてしまいましょう。そうすると、決断することが一気にラクになります。

 

 

情報を処理して、自分で考え、意見にまとめていく力が、結果的にオリジナリティになっていく時代が来てるので、必須能力になりそうです。