生きがいについて | StudioC#

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数学、物理、プログラミング、等のメモ

神経症による心臓の苦しみを訴える青年が、彼女に勧められて島にある気象観測所の手伝いをするようになった。


その観測所は観測データを送る大事な役割を果たしていた。


青年はその仕事に張り合いを覚え、見違えるように元気になったが、国から年金を受けるようになると、その規定によって仕事をやめねばならなくなり、暇を持て余して再び神経症に苦しむようになった。

 

神谷美恵子はこのような体験から、人生の中で自分のなすべき使命感を持っている人が、一番生きがいを持っていると述べている。


自分が誰かに必要とされ自分の果たすべき使命や役割があると自覚している人が、生きる張り合いを持って毎日を送れるのである。

 

 

 


どのような人が1番生きがいを感じる慈悲であろうか。

自己の生存目標をハッキリと自覚し、自分の生きている必要性を確信し、その目標に向かって全力を注いで歩いている人_言い換えれば使命感に生きる人ではないだろうか。このような使命感の持ち主は、世の中のあちこちにむしろ、人目につかないところで多く潜んでいる。しかし突き詰めて言うと人間は多かれ少なかれ漠然とした使命感に支えられて生きているのだと言えるそれは自分が生きていることに対する責任感であり、人生においてほかならぬ自分が果たすべき役割があるのだと言う自覚である。

 

神谷美恵子『生きがいについて』より