フランスの思想家ルソーは、最も多く生きた人は最も長く生きた人ではなく生きていることを最も多く感じた人であると語っている。
最も多く生きた人は生きていることに最も多くのエネルギーを注いだ人であると言えるかもしれない。
生きがいは自分が生きていることを実感すること人生の手ごたえ反響である。
それはただ周りの世界に適応してうまく生きるだけでは得られない。
自分が生きる目的や意味を探し求め、それを目指してよく生きようとする意欲から生まれる。
生きがいは自分が何かに打ち込んだエネルギーの分だけ跳ね返ってくる。
生きがいは私たちが精一杯生きた証であり、自分が発揮した命のエネルギーの反響であり、その手ごたえである。
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生きがいと言うのはもらうことじゃない。
自分の中にあるものを与えることである。
自分の能力を自分のエネルギーを使うことなのだ。
人間は心の中に価値意識を持たなければ、張り詰めた、はつらつとしたところは出てこない。
対象そのものが問題なのではない。
それに価値を与える精神活動そのものが問題なのである。
100メートルを0.1秒速く走るかどうか、と言うことで必死になるということ、
そのこと自体を見てくだらぬというのはナンセンスなのである。
その0.1秒に価値を見いだすことこそ精神活動そのものなのである。
