ギャグの作り方(その1) | studio7の映像実験室

ギャグの作り方(その1)

 「コメディ映画は非常に楽しいものである。一方、YouTubeといった形で自主制作映像を発表する手段が広がったことも良いことである。だが、ネットにアップされた自主制作で笑いをメインにした作品は、一発芸とでも言うべきものがほとんどで、とてもコメディとは言い難い」

 …と、そんなコトをおっしゃっている映画評論家の方がいた。

 いや、実態としては評論家氏のおっしゃる通り。しかし、我々も含めて映像をアップしている素人のほとんどはちゃんとした良質のコメディ映画を作ることなんて考えていない。単に、ビデオカメラというオモチャを手にして何か面白いことをやろうってだけのハナシなんである。
 もっと言えば、我々の場合はまさに一発芸を狙っている。もっと偉そうに言っちゃうと、映像という形でしか表現出来ない一発芸というものを模索しているんである…まあ、そこまで真剣に作ってないが。


 『チビセブンファイト(第一話)』の場合は、YouTubeにアップすることなど考えずに作ったものだった。
 単に、チビセブンがウルトラファイトみたいなことをやったら内輪ウケするだろうというだけのネタである。
 この時は、別に特撮バリバリ(笑)の映像を同時に作っていて、撮影もポスプロもそっちの方が大変だった。
 ファイト部分に関しては、とにかくテキトーに戦ってればいいか、みたいなノリで…。
 まあ、丸腰では撮影に入れないので、一応は絵コンテを作り、その中に軽い小ネタを入れはした。
 しかし、結局は、ただでさえ緩いテイストのウルトラファイトをさらに緩くした、ということがこの映像の根幹であった。
 プラスαの面白さを加えたのは、小ネタよりもむしろウルトラファイトっぽい構図と編集のタイミングであったり、何より役者が自分の判断で作った独特なテイストの動きだったのではないかと思う。

  
 困ったのは『チビセブンファイト THE MOVIE』。
 今度は積極的に小ネタ…ギャグを考えなければならなかった。『~第一話』のシチュエーションをちょいと変えた程度では、前作より面白い作品にはなり得ないことは、スタッフの誰もがわかっていた。

 私を含めた4人のメインスタッフ(=ブレーン)は、全員面白いコトがやりたかったし、いい具合に共有し合える部分と、各々独自のセンスを持ってもいるので、ネタ出しミーティングは勢いだけで何とか進む。
 誰かが「こんなの、どう?」と振ると、「だったらこういう展開に持って行ったら…」とか「それにあっちを組み合わせたら…」とネタが広がって行く。

 結局、ネタが広がり過ぎて「ひとつの作品」にまとめることが不可能になってしまったので、映画館で映画が上映される流れを模して、ネタ出しミーティングで出されたアイデアのほとんどをぶち込むことが出来た。
 パターンとしては、バラエティ番組に近い。
 だから、一応は監督という“役”をやった私であるが、実際にやったのは「構成」かな。演出とか全然してないしな。


 そして、現在、さらに困っている。
 同じメンバーで新しい作品を作ろうという動きが出ている。
 何と言うか、大した本数では無くても何本か作ってくると、「前作を超える作品を作らなければならない」というプレッシャーが生まれて来る。
 ここで言う「前作を超える」の意味は「前作より笑える」ということである。

 それをクリアするためには、勢いだけでは限界があるのではないか。

 言葉の響きがあまり良くないが、「計算されたギャグ」を作って行かなくてはならないような気がする。
 かと言って、理詰めで作られたギャグというのもあんまり面白くならないような気もするし、「勢いで作っちゃった」というのも我々のテイストであることも事実。


 映画評論家氏は「一発芸に過ぎない」とか言うが、その一発芸ネタをある程度人さまにお見せ出来る形にするってのは、なかなか大変なことなんである。

 さて、どうなりますやら。

(つづく)