『ウルトラマンになった男』
予約してあった『ウルトラマンになった男』(古谷敏 小学館)が届いた。
結論から言おう。
ウルトラマンのファンの人は読まなくてはいけない。
私の世代で当時「男の子」だった人は読まなくてはいけない。
ウルトラセブン以降、現在…『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説』に至るまでの作品に触れた人は読まなくてはいけない。
…「ウルトラマン」という名前を聞いたコトがある人も全員読まなくてはいけない。
ってことは、日本人のほとんどが読まなくてはいけない本である。
あ、読む前に、表紙カバーにどん、と出ているウルトラマンのマスクに注目。
カバーの見返しに説明が書かれている。“本物の原型”から作ったレプリカを古谷さんが大切に保管していたものだとのこと。こういうものが世の中に残っていたことが嬉しい。
継ぎ目消しなどの仕上げをしていない、雌型から抜いたまんまの荒削りなウルトラマン。
この本の表紙としてこれほど相応しいものは無いだろうと思う。
(…あ、そこのコアなファンの方、AタイプとかBタイプとかCタイプとか細かいコトごちゃごちゃ言わないように!)
推理小説の「意外な犯人」というのはある意味出尽くしていて、「被害者が犯人」「全員が犯人」「“語り手”が犯人」…果ては「読者が犯人」なんていうのまである。この時点で例えが悪いな、と気づいている私…まあいいや。
ウルトラマンについては、既に語り尽くされ、証言し尽くされた感があった。
しかし、「犯人が犯人だった!」とも言うべき意外性…「ウルトラマン本人による証言」がまだ残っていたか!という思いでこの本の出版を楽しみにしていた。やっぱり例えが悪いが察してください。
マニアックな例をあげれば、「あのウルトラマン独特の前傾姿勢はどうしてああなったか」という議論(?)がある。
長年、その理由は「アクションにも殺陣にも慣れていない古谷さんが、視界が限られた中で爆発などが当たり前の撮影に腰が引けた」というのが定説みたいになっている。
これについて、何度か開催された古谷さんのトークショーでは「実際には全く別の理由があるんです」とおっしゃっていた。…しかし、トークショーではそこまで…その「全く別の理由」までは語られることはなかった。
この本には恐らく誰も想像できなかったであろう、その「全く別の理由」が書かれている。
一方で、この本の大きな魅力はそうした「出来事の真実」だけが描かれているわけではない。
『ウルトラQ』のケムール人を演じたことをきっかけに、デザイナーの成田亨さんに惚れ込まれてウルトラマンに(図らずも)抜擢されたときの心境から、苦悩や人との出会いによって「自分は、ウルトラマンである。ウルトラマンは自分である」と感じるようになったウルトラマンの気持ちが描かれている。
そして、その心境の変化や様々な人との出会いがウルトラマンそのものの魅力を作ってきたことがわかる。
笑いもあるし涙もあるが、それは「狙って」書かれたものでは無いように思う。
純粋に、その時その時に古谷さんが感じたことをそのまま回想しているだけ…にもかかわらず、ウルトラマンのファンが読むと素直に笑い、涙ぐむという内容である。
これはウルトラマン本人=古谷敏さん以外には不可能なのではないか。
古谷さんは中学・高校生くらいの読者が読みやすいように配慮して執筆なさったらしい。
だから、オトナがさっと読むと1時間で読み終わる。
が、1行1行に込められた思いを噛み締めながら読むと、かなりじっくり読むことが出来る本だと思う。
そして、もう一度…まあ、レンタルでもいいが、作品を見直してみると、そのマスクに隠されたウルトラマンの姿…そして、マスクでダイレクトに表情は見えないものの「古谷さんの姿」が感じられる新しい魅力が発見できるのではないか。
確かにウルトラマンは古谷さんだけが創り上げたヒーローでは無い(そのあたりも同書で述べられている)。しかし、この誰も演じることがなかった前代未聞・前人未到の銀色の宇宙人は、古谷さんが苦労・苦悩を重ねつつも、他のスタッフを見つめる視線がウルトラマンをウルトラマンたらしめた。だからこそ40年以上に渡って語り継がれる存在となったのである。
…お人柄…ですかね。
古谷さんは、真面目である。
ご自身の憧れや夢は(形の変化はあれど)ずっと持ち続けている。
ダンディで紳士であるが、紳士過ぎない気さくさがある。…シャイな感じも受ける。
時に厳格で近付き難いオーラを発することもあるが、我々ファンに対しては(決して営業スマイルや営業トークではなく)暖かく接してくれる。
特に、お子さんと話している時の笑顔は最高。
私自身は何度かトークショーにお邪魔させていただいたが、そこで拝見することが出来た古谷さんの姿がこの本から感じ取ることが出来た。
繰り返しになるが、是非、(買って)読んでいただきたい。
そして、もう一度『ウルトラマン』を見直してほしい。
出来れば、トークショーやサイン会で古谷さんのお人柄に触れてほしい。
え~、ただ一つ…。
本の帯の裏表紙の部分…。
今回の映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説』に登場した“ウルトラマン”と、素顔の古谷さんが並んでスペシウム光線のポーズをとっている写真が載っている。
…。
少なくとも私が見ると、素顔の古谷さんの方が「ウルトラマン」に見えてしまう。
隣のウルトラマンを演じたアクターさんが、何だか気の毒…。
ついでに、本のカバーを外して、本そのものの表紙に印刷された古谷さんの写真もお見逃しなく。
「二枚目俳優の古谷さん」がバッチリと決めている。
結論から言おう。
ウルトラマンのファンの人は読まなくてはいけない。
私の世代で当時「男の子」だった人は読まなくてはいけない。
ウルトラセブン以降、現在…『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説』に至るまでの作品に触れた人は読まなくてはいけない。
…「ウルトラマン」という名前を聞いたコトがある人も全員読まなくてはいけない。
ってことは、日本人のほとんどが読まなくてはいけない本である。
あ、読む前に、表紙カバーにどん、と出ているウルトラマンのマスクに注目。
カバーの見返しに説明が書かれている。“本物の原型”から作ったレプリカを古谷さんが大切に保管していたものだとのこと。こういうものが世の中に残っていたことが嬉しい。
継ぎ目消しなどの仕上げをしていない、雌型から抜いたまんまの荒削りなウルトラマン。
この本の表紙としてこれほど相応しいものは無いだろうと思う。
(…あ、そこのコアなファンの方、AタイプとかBタイプとかCタイプとか細かいコトごちゃごちゃ言わないように!)
推理小説の「意外な犯人」というのはある意味出尽くしていて、「被害者が犯人」「全員が犯人」「“語り手”が犯人」…果ては「読者が犯人」なんていうのまである。この時点で例えが悪いな、と気づいている私…まあいいや。
ウルトラマンについては、既に語り尽くされ、証言し尽くされた感があった。
しかし、「犯人が犯人だった!」とも言うべき意外性…「ウルトラマン本人による証言」がまだ残っていたか!という思いでこの本の出版を楽しみにしていた。やっぱり例えが悪いが察してください。
マニアックな例をあげれば、「あのウルトラマン独特の前傾姿勢はどうしてああなったか」という議論(?)がある。
長年、その理由は「アクションにも殺陣にも慣れていない古谷さんが、視界が限られた中で爆発などが当たり前の撮影に腰が引けた」というのが定説みたいになっている。
これについて、何度か開催された古谷さんのトークショーでは「実際には全く別の理由があるんです」とおっしゃっていた。…しかし、トークショーではそこまで…その「全く別の理由」までは語られることはなかった。
この本には恐らく誰も想像できなかったであろう、その「全く別の理由」が書かれている。
一方で、この本の大きな魅力はそうした「出来事の真実」だけが描かれているわけではない。
『ウルトラQ』のケムール人を演じたことをきっかけに、デザイナーの成田亨さんに惚れ込まれてウルトラマンに(図らずも)抜擢されたときの心境から、苦悩や人との出会いによって「自分は、ウルトラマンである。ウルトラマンは自分である」と感じるようになったウルトラマンの気持ちが描かれている。
そして、その心境の変化や様々な人との出会いがウルトラマンそのものの魅力を作ってきたことがわかる。
笑いもあるし涙もあるが、それは「狙って」書かれたものでは無いように思う。
純粋に、その時その時に古谷さんが感じたことをそのまま回想しているだけ…にもかかわらず、ウルトラマンのファンが読むと素直に笑い、涙ぐむという内容である。
これはウルトラマン本人=古谷敏さん以外には不可能なのではないか。
古谷さんは中学・高校生くらいの読者が読みやすいように配慮して執筆なさったらしい。
だから、オトナがさっと読むと1時間で読み終わる。
が、1行1行に込められた思いを噛み締めながら読むと、かなりじっくり読むことが出来る本だと思う。
そして、もう一度…まあ、レンタルでもいいが、作品を見直してみると、そのマスクに隠されたウルトラマンの姿…そして、マスクでダイレクトに表情は見えないものの「古谷さんの姿」が感じられる新しい魅力が発見できるのではないか。
確かにウルトラマンは古谷さんだけが創り上げたヒーローでは無い(そのあたりも同書で述べられている)。しかし、この誰も演じることがなかった前代未聞・前人未到の銀色の宇宙人は、古谷さんが苦労・苦悩を重ねつつも、他のスタッフを見つめる視線がウルトラマンをウルトラマンたらしめた。だからこそ40年以上に渡って語り継がれる存在となったのである。
…お人柄…ですかね。
古谷さんは、真面目である。
ご自身の憧れや夢は(形の変化はあれど)ずっと持ち続けている。
ダンディで紳士であるが、紳士過ぎない気さくさがある。…シャイな感じも受ける。
時に厳格で近付き難いオーラを発することもあるが、我々ファンに対しては(決して営業スマイルや営業トークではなく)暖かく接してくれる。
特に、お子さんと話している時の笑顔は最高。
私自身は何度かトークショーにお邪魔させていただいたが、そこで拝見することが出来た古谷さんの姿がこの本から感じ取ることが出来た。
繰り返しになるが、是非、(買って)読んでいただきたい。
そして、もう一度『ウルトラマン』を見直してほしい。
出来れば、トークショーやサイン会で古谷さんのお人柄に触れてほしい。
え~、ただ一つ…。
本の帯の裏表紙の部分…。
今回の映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説』に登場した“ウルトラマン”と、素顔の古谷さんが並んでスペシウム光線のポーズをとっている写真が載っている。
…。
少なくとも私が見ると、素顔の古谷さんの方が「ウルトラマン」に見えてしまう。
隣のウルトラマンを演じたアクターさんが、何だか気の毒…。
ついでに、本のカバーを外して、本そのものの表紙に印刷された古谷さんの写真もお見逃しなく。
「二枚目俳優の古谷さん」がバッチリと決めている。