バスを作った | studio7の映像実験室

バスを作った

 まあ、色々あって、その、大学の「事前Web授業」をしくじった(受け忘れた…)関係で、29日・30日に予定していた通学授業が無くなってしまった。…来年度、再履修…。

 で、何だか「前向きな姿勢」が萎えてしまったので「後ろ向き」になって自分の過去作品を眺めはじめる。


 世紀末から21世紀に入った頃にかけて、3DCGにハマっていた。

 今でもやるっちゃやるが、使い慣れたソフトとパソコン(OS?)との相性が悪くなってフリーズしまくりなので少し離れ気味。
 いや、ホントは別の3DCGソフトをiMacにインストールしてあるのだが、まだ使い勝手がわからず宝の持ち腐れ状態なのだ。少しずつ研究していかねば。

 で、2000(平成12)年…。私が広報紙編集の仕事に携わった最後の年。
 東京都杉並区では、普通のバス路線を補うために、「コミュニティバス」を走らせることになった。

 車両デザインが決まって、区民の皆さんからこのバスの愛称を募集するための告知を広報紙1面カラーで行うことになった。

 …のだが。
 
 「1面カラーだからね、どど~んと写真を載せたいので…」と担当部署に伝えたら「いや、まだペイントされてないので、デザインの四面図しか無いんだよ」と担当者。
 私も先方も、メインのビジュアルが四面図では寂しいという点では意見が一致したものの、とにかく実車が無いのである。
 困ったことに、その担当者は友人で、私がお絵描きが趣味であり、最近はパソコンを使っていることを知っていた。

 「ねえ…CGで何とかならない?」

 そりゃ、何とかはなる。
 
 だが、広報課のパソコンに3DCGソフトなんて入っていないし、建築課のCADなんか使えないし、「何とかする」ためには私が自宅で作業をしなければならない(まあ、いつものことなのだが)。
 しかも、「テキトーなバス」ではなく、「日野リエッセ」という実在する車両をCGで作るとなると、私のスキルだとけっこう大変。さらに、自宅作業だと残業手当も付かないしなあ。

 無下には断れないので「デザインの四面図だけじゃなくて、寸法が入ったきちんとした縮尺の車両図面を用意してもらえれば…」と軽い無理な条件を付けたつもりだったのだが、彼はあっさり図面を用意してきた。

 もう引き下がれなくなってしまった。デザイナーさんに全ての素材を渡すその日までに作り上げなければならない。

 結果としてさすがに「車内」までの作り込みは出来なかったが、外観は何とか納期に間に合わせ、無事にそのCGが1面を飾る広報紙が刷り上がって来た。ツッコミどころは満載だが、車両とデザインの雰囲気はそれなりに伝わるだろう。


studio7の映像実験室-すぎ丸


 3DCGが1面のビジュアルになるなんて、『広報すぎなみ』始まって以来のことである(中の面に3DCGを使ったことはあった…それも私が作ったもの)。


 ま、それは良かったのだが、その広報を見た契約担当者が血相を変えて広報課に飛んで来た。
 「車両の契約がまだ済んでいない段階で、既にペイントされた車両の“写真”が載っているはどういうわけだ?」と。

 ん~、よっぽどCGを見たことが無い人だったんだろうなあ(笑)
 「これ、コンピュータ・グラフィックスですよ」
 「ああ、コンピュータ・グラフィックスですか、へー。………。“絵”なんですか?」
 「そんなもんだと思っていただければ…」

 かくして、公募の結果、このバスには「すぎ丸」という愛称が付いた。

 Wikipediaには「元々は杉並区のまち作り振興のイメージキャラクターであり、利用者や運転手のなかには、親しみをこめて「すぎ丸君」と呼ぶ人もいる」との記載があるが、それは間違い。
 まち作り新興策“すぎなみ知る区ロード”にはたしかに「すぎまる」というイメージキャラクターが使われていたが、全部平仮名の名前だし、別物である。
 まあ、同じ「音」の名前を同じ自治体の別キャラに付けるというのがちょっとアレなのだが。