デジタル手作業 | studio7の映像実験室

デジタル手作業

 この歳で大学生をやっている。通信教育部だが、「スクーリング科目」という学校に行かなくては単位が取れない科目がある。
 それが、履修条件やら会場の関係(本校は京都だが東京サテライトがある)もあって、今月に集中。8月の毎週土日は大学に通うことになる。

 で、一発目はAdobeのFlashを使ったWEBページの作成。
 その、Flashというのは、動きや“インタラクティブな仕掛け”のあるページを作るためのソフトである。
 例えば、バンダイのサイト

 いや、このバンダイのサイトがどういう作られ方をしているのか知らないが、あくまでイメージってコトで。

 
 現在のFlashは、PhotoshopやIllustratorと同じAdobeの製品で、データの互換性やらインターフェイスの統一が図られてはいる。が、そもそもはマクロメディアの製品だったのがAdobeに買収されたのだ。
 PhotoshopやIllustratorといったグラフィックソフトとは「時間軸を持つ」という点で大きく異なるわけだが、オリジナルの開発が別会社だったということで、設計思想の違いみたいなものもあるような気がする。

 私は2004年くらいに自分のサイトのトップページにFlashを使ったアニメーションを組み込んだことがあったが、「色々ややこしかった」という記憶だけで使い方はさっぱり覚えていない。
 当然、このソフトを立ち上げても何をどうしたらよいのかわからずに(私が)フリーズする。

 私だけではない。いかにもグラフィックソフトをバリバリ使いこなしていそうな学生から「自分には使えない」と泣きが入っていた。

 
 しかし、課題製作に必要な機能や簡単なスクリプトの使い方を教わった上でテキトーにいじっているうちに、「動画を作る」部分については見えてきたものがあった。

 永年使っている3DCGソフトであるSTRATA STUDIO Proとオブジェクトの管理とか時間軸を設定する感覚が似ているのだ。
 …それに気づいたのは、2日間全900分…えっと15時間ですね…のラスト3時間くらいのところ。ん~、気づくのが遅かった。そこに至るまでさんざん考え込んでしまって、自分で考えた構成やらコンテンツやらを組んでいくことが出来なかった。

 だが、そのことに気づけば、あとは「力技」で解決することが可能。


 今、私はパソコンが無いと創作活動に支障をきたすくらいにデジタル異存状態である。
 が、やっていることは手作業に近い。


PhotoshopはVer.2.5から入ったので15年くらいは使っていることになる。

 だが、バージョンアップに伴う新機能はもちろん、15年前から備わっている機能でも使ったことが無いものが沢山ある。要は、基本的な使い方やソフトの概念みたいなものを覚えたら、あとは知っている機能だけでガンガン遊ぶ。

 「えっと、こんな効果を付けたいんだけど、そういう機能は…」と探したりはしない。
 …なので、時々「こんな便利な機能があったのか!」とびっくりするのだが。

 ショートカットすらほとんど使わない。いちいちメニューから選ぶ。

 せっかくの機能を使わずにチマチマと手作業みたいなやり方…非効率この上ないことは自覚しているが、やはり基本がアナログ人間なんでしょうね。


 だが、そんな「デジタルとの向き合い方」が今回のFlashの授業でも役立った。
 
 「自動的にやってくれる機能がわからない」時は講師に質問したりせずに、手作業でやる。
 また、どうしてもやり方がわからない(または時間がかかる)時は、その発想を捨てて別のことをやる。

 Flashそのものにも描画機能が備わってはいるが使い勝手がよくわからない。なので「絵」が必要になったらその場でさっさとPhotoshopやIllustratorを立ち上げてそっちで作ってFlashに読み込む。
 
 おかげで、何とか時間内に課題を提出することは出来た。


 しかも、スクリプトだの何だのはほとんど使わなかった…ってか、Flashならではの優れた機能はほとんど使ってないし、コンテンツとしてもデザインとしてもしょーもない代物しか出来上がらなかった。
 予定では、もっと凄いヤツが出来るハズだったのだが。


 課題製作作業の途中、講師が私のPC画面を覗き込み「おお~、いい動きをさせてますね。あなたは“動画派”ですね」と言ってくれた。
 
 そうだったのか。

 提出時、「デザインの工夫も出来なかったし、トップページからのリンクは二つしか作れませんでした…」と講師に言い訳したのだが、その時も「いいんですよ、あなたは“動画派”なんですから」と言ってくれた。

 とは言え、今回はあくまでFlashでWEBコンテンツを作るというのが課題である。
 これでいいのかなあ。

 そして何より、講師が講評のために私の元データを見たらきっとこう思うだろう。

 「こいつは、“手作業派”だ」

 果たして、及第点が取れるのかどうか…。