パロディの鑑(かがみ)
映像に限らず、パロディ作品の最大級の栄誉は「オリジナルを作った人からの賛辞を得る」ことだろうと思います。
まず自慢だけしておきますと、我々がこの3月に完成させた作品はまさにその栄誉に輝きました。
いや、まあ、“賛辞”とまでいかなくても面白がって観て下さったし、色々アドバイスもいただいたということで…私はそれだけでも天にも昇る気持ちでしたから。
さて、前回の記事で「しょーもないパロディ」について書きましたが、本格的に「オリジナルを作った人からの賛辞を得た」という作品を観直しました。
『恋におちたジョージ・ルーカス(George Lucas in Love)』1999
自主制作映画です。
タイトルは『恋におちたシェイクスピア』(1998)のパクリですが、内容は学生時代のジョージ・ルーカスを主人公にした9分間の青春コメディです。
映画の構想を練っていてスランプに陥るジョージ。そこへ様々なインスピレーションを与えてくれる彼女が現れます。
そして、無事に(作中ではタイトルは出てきませんが間違い無く)『スターウォーズ』の構想を完成させます。
これだけじゃ「どこがパロディなんだ?」ってな感じですが。
その舞台となっているのは、実際にジョージ・ルーカスが通っていた南カリフォルニア大学。ルーカスが寄贈した校舎などもしっかり使っています(この映画を作ったメンバーも同大学の映画科などの卒業生)。
わかりやすいのが、ルーカスをとりまく人々の設定。
「喉を患って“ゴォ~パ~”という呼吸音を立てる、ガッシリした黒づくめの友人」…もちろん、ダースベイダーです。
ジョージにインスピレーションをもたらす女性は、パッケージ写真をご覧いただければ一目瞭然、レイア姫と同じヘアスタイルですね。しかも、彼女は学生運動のリーダー(レイアは反乱軍のリーダー)。
学友達の中にはノッポとチビのコンビ(C3POとR2D2)やら、美女をはべらせている超デブ(ジャバ・ザ・ハット)やら、「この車は学内で一番早いぜ」とうそぶく二枚目(ハン・ソロ)とその車を修理している長髪もじゃもじゃの大男(チューバッカ)がいます。また、ジョージが教えを乞う教授は、巨木の下で怪しいモノを飲みながらわけのわからない講釈を垂れます(ヨーダ)。
他にもスターウォーズファンなら見逃さないネタがてんこもりで、ここまで来るとジョージと彼女が自転車に乗っているシーンだけでも「あ、スピーダーバイク!」と勝手にこっちが解釈しちゃうという、見事なマジックです。
設定では、こうした学内の様子から『スターウォーズ』の構想を得たことになっていますが、もちろんそこらへんはフィクションです。
音楽も「らしい曲」がオリジナルで作られています。解説によれば「『恋におちたシェイクスピア』の『スターウォーズ風』(またはその逆)」らしいのですが、私は『恋におちたシェイクスピア』を観てないので、単に「良く出来たスターウォーズ風の音楽」として聴きました。
上記のように、これは映画製作を学んだメンバーが作ったもので「sweded」とは異なってちゃんと作品として観ることが出来ます。「面白いパロディ」と「上質な青春コメディ」が「9分」の中にしっかり収まっているんです。
まあ、だからこそ「本編9分/特典映像20分」なんてDVDまで出ているわけですが、こうして日本でも発売されている大きな理由は、スピルバーグに大受けしたばかりかジョージ・ルーカス本人が「素晴らしい作品だ」と監督あてに手紙を送ったという出来事があったからでしょう。
その件を監督がプロデューサーに電話で報告したとき、二人は興奮して「叫びっぱなし」だったそうです。
さもありなん。
また、極めて戦略的に制作を進めたプロデューサーや監督の手腕も凄いところ…。
『恋におちたシェイクスピア』(1998)がアカデミー賞を取った直後、『スターウォーズ エピソード1 ファントム・メナス』の公開(1999)の直前というタイミングであっちこっちにコピーを送ったらしいんです。当然、映画業界にはかつての級友たちも大勢いるので、大いに話題になったわけです。
予算は25,000ドル。
インタビューの中で、プロデューサーが「結果的に予算は3倍かかった」と語っていますが、この現在の日本円にして250万円という金額が「もとの予算」なのか「3倍かかった結果の予算」なのかわかりません。どっちにしても、特撮も何も無い作品でもこれだけお金がかかるんですね…。
予算面では、我々アマチュアには全く参考になりません。
もっとも、河崎実監督が学生時代に撮った『エスパレイザー』は300万円かかったらしいですけど。
しかし、興味深いのは次の点です。
この映画を作ろう! と思い立ったのは、監督・プロデューサー・脚本二人…合計四人です。
これに40人の仲間が協力して映画が完成したと…。
映画大国のアメリカで、なおかつ映画を専門に学んだ仲間…事実上のプロ…がいるという条件ではありますが、企画が良ければみんなが乗ってくるという好例に思えます。
我々の場合、「企画」は必ずしも「映画の内容の企画」でなくても良いと思っています。
それは例えば(我々の前作のように)「○○君の誕生会で流す映像を作る!」というところから入るのもアリだと思うんです。
私は趣味のムラッ気というか揺れ幅が大きいですし、ちゃんとした企画や制作進行は苦手です。
誰か、企画、立ててください(笑)
まず自慢だけしておきますと、我々がこの3月に完成させた作品はまさにその栄誉に輝きました。
いや、まあ、“賛辞”とまでいかなくても面白がって観て下さったし、色々アドバイスもいただいたということで…私はそれだけでも天にも昇る気持ちでしたから。
さて、前回の記事で「しょーもないパロディ」について書きましたが、本格的に「オリジナルを作った人からの賛辞を得た」という作品を観直しました。
『恋におちたジョージ・ルーカス(George Lucas in Love)』1999
自主制作映画です。
タイトルは『恋におちたシェイクスピア』(1998)のパクリですが、内容は学生時代のジョージ・ルーカスを主人公にした9分間の青春コメディです。
映画の構想を練っていてスランプに陥るジョージ。そこへ様々なインスピレーションを与えてくれる彼女が現れます。
そして、無事に(作中ではタイトルは出てきませんが間違い無く)『スターウォーズ』の構想を完成させます。
これだけじゃ「どこがパロディなんだ?」ってな感じですが。
その舞台となっているのは、実際にジョージ・ルーカスが通っていた南カリフォルニア大学。ルーカスが寄贈した校舎などもしっかり使っています(この映画を作ったメンバーも同大学の映画科などの卒業生)。
わかりやすいのが、ルーカスをとりまく人々の設定。
「喉を患って“ゴォ~パ~”という呼吸音を立てる、ガッシリした黒づくめの友人」…もちろん、ダースベイダーです。
ジョージにインスピレーションをもたらす女性は、パッケージ写真をご覧いただければ一目瞭然、レイア姫と同じヘアスタイルですね。しかも、彼女は学生運動のリーダー(レイアは反乱軍のリーダー)。
学友達の中にはノッポとチビのコンビ(C3POとR2D2)やら、美女をはべらせている超デブ(ジャバ・ザ・ハット)やら、「この車は学内で一番早いぜ」とうそぶく二枚目(ハン・ソロ)とその車を修理している長髪もじゃもじゃの大男(チューバッカ)がいます。また、ジョージが教えを乞う教授は、巨木の下で怪しいモノを飲みながらわけのわからない講釈を垂れます(ヨーダ)。
他にもスターウォーズファンなら見逃さないネタがてんこもりで、ここまで来るとジョージと彼女が自転車に乗っているシーンだけでも「あ、スピーダーバイク!」と勝手にこっちが解釈しちゃうという、見事なマジックです。
設定では、こうした学内の様子から『スターウォーズ』の構想を得たことになっていますが、もちろんそこらへんはフィクションです。
音楽も「らしい曲」がオリジナルで作られています。解説によれば「『恋におちたシェイクスピア』の『スターウォーズ風』(またはその逆)」らしいのですが、私は『恋におちたシェイクスピア』を観てないので、単に「良く出来たスターウォーズ風の音楽」として聴きました。
上記のように、これは映画製作を学んだメンバーが作ったもので「sweded」とは異なってちゃんと作品として観ることが出来ます。「面白いパロディ」と「上質な青春コメディ」が「9分」の中にしっかり収まっているんです。
まあ、だからこそ「本編9分/特典映像20分」なんてDVDまで出ているわけですが、こうして日本でも発売されている大きな理由は、スピルバーグに大受けしたばかりかジョージ・ルーカス本人が「素晴らしい作品だ」と監督あてに手紙を送ったという出来事があったからでしょう。
その件を監督がプロデューサーに電話で報告したとき、二人は興奮して「叫びっぱなし」だったそうです。
さもありなん。
また、極めて戦略的に制作を進めたプロデューサーや監督の手腕も凄いところ…。
『恋におちたシェイクスピア』(1998)がアカデミー賞を取った直後、『スターウォーズ エピソード1 ファントム・メナス』の公開(1999)の直前というタイミングであっちこっちにコピーを送ったらしいんです。当然、映画業界にはかつての級友たちも大勢いるので、大いに話題になったわけです。
予算は25,000ドル。
インタビューの中で、プロデューサーが「結果的に予算は3倍かかった」と語っていますが、この現在の日本円にして250万円という金額が「もとの予算」なのか「3倍かかった結果の予算」なのかわかりません。どっちにしても、特撮も何も無い作品でもこれだけお金がかかるんですね…。
予算面では、我々アマチュアには全く参考になりません。
もっとも、河崎実監督が学生時代に撮った『エスパレイザー』は300万円かかったらしいですけど。
しかし、興味深いのは次の点です。
この映画を作ろう! と思い立ったのは、監督・プロデューサー・脚本二人…合計四人です。
これに40人の仲間が協力して映画が完成したと…。
映画大国のアメリカで、なおかつ映画を専門に学んだ仲間…事実上のプロ…がいるという条件ではありますが、企画が良ければみんなが乗ってくるという好例に思えます。
我々の場合、「企画」は必ずしも「映画の内容の企画」でなくても良いと思っています。
それは例えば(我々の前作のように)「○○君の誕生会で流す映像を作る!」というところから入るのもアリだと思うんです。
私は趣味のムラッ気というか揺れ幅が大きいですし、ちゃんとした企画や制作進行は苦手です。
誰か、企画、立ててください(笑)