タイトルは作品の顔 | studio7の映像実験室

タイトルは作品の顔

 ロケは半日で終わりました。
 それを編集していくわけですが、同時進行でタイトル画像を作ることにしました。

 タイトル画像…これ、けっこう重要だと思いますよ。
 通常だと、作品のアタマにタイトルが入ります。見る人に「お!何か面白いものが始まりそうだぞ」という期待を持ってもらわなくてはなりません。
 特に今回の私たちの作品はプライベート・イベント…チビセブンさんのご子息の誕生日と卒園を祝うパーティーで流すものでしたので、“観客”はお子さんも多くて騒がしい状態が想定されました。ですので、画面に注目してもらう映像にしないと渾身のネタを観て貰えないのではないかと…。
 いずれにしても、タイトルに凝ることはハッタリをかます意味でも無駄ではないと思います。

 さて、何度も書いているように、今回は『ウルトラファイト』のパロディなので、タイトルも似たようなテイストにしたいところです。会場のお友だちもウルトラ好きですから、ウルトラっぽいタイトルが出れば注目してくれるに違いありませんし。

 よろしければ再度YouTubeの円谷チャンネル(http://www.youtube.com/tsuburaya)をご覧ください。

 まず真っ赤な画面が表れ、中心から割れて行って炎が燃え盛る映像になり、タイトルの文字が奥から迫ってきます。

 さあ、どうしよう?

 こんなにガンガンに火を燃やすなんて素人には無理です。
 「爆発・炎」といった動画の素材集も出ていますが、それなりに高価です。

 室内を見渡し、最も迫力ある炎を作ることが出来るものを探しました。

 …Zippoのライター。

 黒いバック(私は電源が入っていないパソコンのモニタを背景にしました)の前にライターを5つ並べて一斉に火を点け、軽く息を吹きかけたりして火に動きをつけました。やー、ショボイとは想像していましたが、予想以上に力が抜ける炎の映像が出来上がり。
 私たちはこのショボさもネタということにして、これを素材に使うことにしました。


 
 ここから先、まずお手持ちのビデオ編集ソフトの機能をご確認下さい。
 取り込んだ画像をいくつか重ねる機能(レイヤー機能とか合成モードとか…)とか、合成用のマスクを作る機能とか、色合いやスピードを変える機能とか…付いてませんよね…。

 …すみません。
 ここまで「いかにお手軽に、遊び感覚で、ゆるゆると映像を作ったか」を記事にしてきたんですが、私は映像関係のソフトだけは15年くらいかけて立派なモノを揃えちゃったんです。

 ですので、実際の作業はそうしたソフトの機能を使いまくりました。

 が、お手軽テイストをここで緩めるわけにはいきません。

 お手持ちのソフトに「ワイプ(トランジション)」とか、文字を入れる機能が付いていれば(だいたい付いていると思います)それで色々作れるはずです。お手本映像はあくまでお手本ですから、その通りに作る必要なんてありません。そのあたりは実際にソフトで遊んでみて下さい。

 もし、お手持ちのカメラが「一コマずつの撮影が出来る」という機能があったり、編集ソフトが静止画を読み込むことが出来るなら、アニメーションでタイトルを作る手もあります。
 今回の作品でもタイトルでもないんですが、以前作った実験作をご紹介します。

 「溶けるウルトラマン」
 …ウルトラマンのチョコレートをストーブの前に置いて溶かしたんですが、思ったほど簡単に溶けてくれませんでした。
 そこで、デジカメ(ビデオではなく普通のデジカメです)を三脚で固定して5分置きくらいでシャッターを押しました。
 この静止画をビデオ編集ソフトに取り込んで2フレームずつ並べたものです。



 緑の模造紙を背景に撮影(グリーンバックだ!)し、早朝の都心方面をデジカメで撮った背景に合成しました。
 “溶かす煙”(?)は、タバコの煙をストローで吹いたものを合成しました。普通に口から吐く煙だとなかなかまっすぐに放射される雰囲気にはなりません。
 
 それなりに面倒な作業ではあります。
 が、私たちアマチュアはネタ(またはセンス)と知恵と手間以外に武器はありません。


 他にも色々な方法が考えられます。

 古典的ですが、紙に描いた絵・文字、写真などをビデオカメラで撮影するというやり方があります。
 カメラのズームなどで動きをつけることも出来ます。
 ノートやスケッチブックをめくっていくと、タイトルやスタッフの名前が次々に表れるというパターンも常套手段ですが、内容によっては効果的だと思います。
 
 パソコンのモニタに背景となる映像をフルスクリーンで表示して、その前にフィギュアなどを置いて撮影するお手軽合成もお薦めです。これは簡単!
 実験してみました。「火あぶりくまさん」。本邦初公開画像です(笑)



 これに文字などを入れ込めば完璧ですね(何がだ!)
 昔から使われている「スクリーン・プロセス」の応用、とも言えます。
 我が家はまだブラウン管のテレビしか無いのですが、液晶の大画面のテレビでも出来る…のかな?


 また、ロケの時に一緒にタイトルを作れば内容との整合性も出ます。

 予めタイトルを書いたボードなどを持ち込んで、ロケ地の風景と一緒に撮影すると「場所の説明」も兼ねることが出来ます。カチンコをお持ちなら(普通、持ってないかな…)、まんまカチンコにタイトルを書いて写し込むと映画を撮っている気分にも浸れるでしょう。

 砂浜に指で書いた文字を波が消す、とか(笑)←何で笑うんだ? 
 もし編集ソフトに逆回転の機能が付いていれば、波が引くと文字が表れる映像にもなります。


 タイトルを作るという作業そのものが楽しい遊びだと思います。
 今回の私たちの作品はタイトルも含めて『ウルトラファイト』のパロディでしたが、「面白い方法が見つかったからそれをタイトルで使う」というのもアリでしょう。
 私たちド素人は、まず「作っている人間が楽しむ」というのが一番大切だと感じています。

 
 タイトルが出来たところで、今度こそ映像素材が揃いました。
 本当ならいよいよ編集…なのですが、今回の私たちの作品は普通の作業とは順番が違いました。


【今回のレシピ】
 カメラ=Canon FV M1
 三脚=SLIK MINI
 炎=Zippoライター5個(全てウルトラ仕様)
 パソコン=Apple iMac
 静止画ソフト=Adobe Illustrator CS3、Adobe Photoshop CS3
 ビデオ編集ソフト=Apple Final Cut Pro 6
 ビデオ加工ソフト=Adobe After Effects CS3