クランクイン! クランクアップ!
ロケ場所に持参した機材は、ますビデオカメラ。本編撮影は私のカメラを使いました。6年前に買ったキヤノンのFV M1という、スタンダードの民生機…ご家庭用のカメラです。
それにSONYの三脚VCT-870RMというもっと前に買ったヤツ。
他に、何となく揃ったのが脚立、マット、毛布、折りたたみ椅子。全て役に立ちました。スタッフ全員が(何をどう撮るのかわからないのに)色々考えて用意してきた結果です。
これに加えて、ケイパパさんが常時手持ちでビデオ撮影をしていました。「メイキング用です」と。えっ?メイキング?
大事なことがほとんど決まらないままに撮影に入ったにもかかわらず、知らないうちに(笑)メイキング映像まで作ることは決まっていたという…。
しかも、後で編集段階で明らかになったのは、ケイパパさんのビデオカメラはハイビジョン! …ってことは、本編よりメイキング映像の方が高画質で撮影されたわけです。
私たちがいかに無計画に撮影を進めていったかという象徴的な出来事の一つと言えるでしょう。
さて、そのケイパパさんの仕切りによってロケ日の行動が決まります。
そればかりか、移動について“ロケバス”まで出してくれることになりました。こうした気配りはさすがにイベントに精通したケイパパさんならではでしょう。
全員が合流したところで簡単な打ち合わせを行います。
この時点で、「何をどう撮るか」がわかっているのは私だけです。何しろ、絵コンテが出来上がったのが前日の夜ですから。
本当なら絵コンテをコピーして全員に配れば良かったのですが、何故か私はそれをやりませんでした。本当に何故やらなかったのかと今もよくわかりません。
そこからロケ地へ移動。
マック&シュンカナさんはいくつかある候補のうち、当日の打ち合わせから適切な場所を選んでくれました。
…完璧なロケーションでした。「本当にここで『ウルトラファイト』が撮影されたのではないか?」と思えるくらいの条件が揃っていて、現場に立った時点で私たちは作品の成功を確信しました。
このロケ地選びというのは本当に重要です。
特に今回の映像では「ロケ場所は1カ所」と決めていたので、キャストやカメラの位置、背景などをその場で自由に設定出来る環境が必要でした。現場の雰囲気ばかりでなく、そうした条件も揃った絶好の場所でした。
これも「ノリが共有でき、なおかつ“わかってる”仲間」が集まった成果だと思います。
ここで、撮影に入る前に私が(上記のようにコピーを取っていないので1つしかない)絵コンテを浜辺に落とすというポカをやりました。発見してくれたケイパパさんに感謝です。
もう一つ、ポカというか、事前に打ち合わせをしておけば良かったなあと痛感したのは撮影計画です。
一応、絵コンテには「似たような絵」をまとめて撮ることが出来るように印を付けてありました。
微妙なところで余談ですが、効率的に撮影を進めるために、一般的には似たようなカットはまとめて撮ることが多いようです。特にセットや照明が複雑な場合、一度セッティングを変えてまた元に戻して…とやっていたら大変ですからね。
演出の効果を狙って敢えて物語の展開と同じ順番で撮影されることもあります。これを「順撮り」と呼びます。
私たちの撮影現場では順撮りをやってもまとめ撮りをしても同じようなものではありましたが、私としては一応効良く撮影をしたいと思って気を利かせたつもりだった…のに…。
えー…結果としてキャストが準備万端なのに私は一生懸命“岩に打ち寄せる波”を撮っていたりとか、真の主役であるプチセブンくんが延々3時間も“出待ち”をするハメになりました。
もっとも、事前にロケの場所に言って現場確認をすること(ロケハン=ロケーション・ハンティング)もしていませんでしたから、その場で色々あるのも仕方ないっちゃ仕方ないんですが。
それはともかく、撮影は順調に進みました。
これはひとえに“監督役”である私がほとんど一発で「ハイ、OK」を連発したおかげなのですが、他のメンバーは感謝するどころか「ええっ? 今のでいいの?」と不信感を抱く始末です。半分冗談ですが半分本当です。
“わかってるメンバー”であるがゆえに、「格闘シーンはもっと迫力を出さないとダメだろ」とか「今の動きは今ひとつだった」と自らの演技にダメ出しをしたんでしょう。しかし、絵コンテを作った私には「今ひとつ迫力に欠ける」というテイストこそが全体の雰囲気にピッタリだと思えたんです。
また、プチセブンくんを除くと平均年齢は40歳。迫力満点の格闘シーンのせいで怪我があったらシャレになりません。
さて、人数を数えてみてください。
現場にいるのはチビセブンさん父子とマック&シュンカナさんとケイパパさんと私。
そのうち、チビセブンさん父子とマック&シュンカナさんは映像に出ずっぱりです。
そうなると、純粋な撮影スタッフは、ケイパパさんと私しかいません。
結局、絵コンテを作った私が監督兼カメラマンとなり、ケイパパさんが助監督(兼メイキング監督…)となりました。
照明担当も録音担当もいません。今回はセリフは無いので録音担当は不要ですが、照明はいてもよかったかも知れません。
照明の仕事は、照明機材をコントロールするだけではありません。現場での「光」全てをコントロールするのが照明担当です。太陽光が強すぎる場合は適度に遮ったり、影が濃くなりすぎたらレフ板などで補助光を当てたりします。
ま、今回は「肌を奇麗に撮る」とか「光で表情を作る」といった必要も無かったのですが、逆光で撮影した部分のキャラが真っ黒になってしまいました。せめてそこはレフ板を当てるべきでした。
…ホントは一度ケイパパさんがレフ板を持ってくれたことがあったんです。
が、ファインダーを覗いていた私が「あ!ケイパパさん見切れてます!どいて下さい」と排除してしまいました。
また余談。
「見切れる」…これ、画面の中に余計なモノが写り込んでいる、という意味と、写さなきゃいけないモノが画面から外れている、という意味…つまり、全く逆の意味で使われる用語らしいです。
トータルで5時間くらいだったでしょうか。半日でクランクアップしました。…編集の時にどうしてもつながらない箇所があって撮り足した部分もありますが、一応素材は揃ったことになります。
え?
撮影について参考になるような技術的なことが書かれてないじゃないか、とツッコミますか?
だって、そんな参考になるような撮影はしてませんから書きようがありませんよ(開き直り)。
とにかくほとんど「絵コンテどおりに撮った」だけです。
でも、せっかくなので、少しばかり気にして撮ったことを思い出してみます。
よく言われることですが、カメラを動かしすぎないこととズーム機能を使いすぎないこと。
理由は簡単で、撮影したものを見ると目が疲れるからです…多分。
「ここぞ!」と意図したところでカメラが被写体を追って動いたり、ズームを使うのが効果的です。
また、カメラのズーム機能を使うのと実際にカメラが被写体に近づくのとでは全く映像のイメージが異なります。凝った映像だと「カメラが被写体に近づきつつ、ズームアウトする(またはその逆)」なんてケースもあります。
それから、キャラクターの立ち位置をわかりやすくすること。
単純に言えば、“チビセブン”は必ず左側で“マック怪獣”は必ず右側…と決めておけば良いわけです。
今回は一度に画面に入るキャラクターは最大二人でしたのでそれほど気を遣わなくても大丈夫だとは思いましたが、練習ということでそのあたりを守りました。
どうしても立ち位置が変わる時は「立ち位置が変わった」という映像を間に挟んだりするのが一般的です。
こだわりたい方は「イマジナリーライン」をキーワードに検索をかけてみてください。
画面を水平に保つことも基本の一つです。
ただ、今回のような戦闘シーンの場合、迫力や動きを出すために敢えて斜めの構図にすることがありますが、それはあくまで意図があってのことです。
同じような構図の絵がダラダラと続くと見ていて飽きます。
カメラと被写体の距離、カメラの高さや角度などを(お手本を参考に…)色々試してみると面白そうです。
いずれ、このブログでも実験してみたいと思います。
実はこうした構図の作り方については、私は漫画を描くことで知りました(決して“身に付けている”わけではありません)。
我々の世代で漫画を描いてきた人間は、プロ・アマを問わずにほぼ間違いなく手塚治虫作品の洗礼を受けています。が、手塚作品自体がそれまでは芝居の舞台を同じ場所から見ているような構図だった漫画に映画的な手法を持ち込んだものなので、結果としては「手塚漫画経由で映画の構図を学んだ」という感じでしょう。
え~、少しは参考になりましたでしょうか(笑)
そんなわけで、次回は編集…いやいや、その前に作品の“顔”を作らないと…。
【今回のレシピ】
カメラ=Canon FV M1/ケイパパさんのHDカメラ/Sony DCR-TRV20(地面に落ちるスタント用)
三脚=Sony VCT-870RM
ロケバス=ケイパパさんの車
ヒーロー=成り切りマスク
怪獣=顔:紙 ボディ:雨合羽 腕:事務用袖当て 手:ワカメ採り用手袋 足:白いゴム長
その他=三脚、ヨガ用マット、毛布、折りたたみ椅子
それにSONYの三脚VCT-870RMというもっと前に買ったヤツ。
他に、何となく揃ったのが脚立、マット、毛布、折りたたみ椅子。全て役に立ちました。スタッフ全員が(何をどう撮るのかわからないのに)色々考えて用意してきた結果です。
これに加えて、ケイパパさんが常時手持ちでビデオ撮影をしていました。「メイキング用です」と。えっ?メイキング?
大事なことがほとんど決まらないままに撮影に入ったにもかかわらず、知らないうちに(笑)メイキング映像まで作ることは決まっていたという…。
しかも、後で編集段階で明らかになったのは、ケイパパさんのビデオカメラはハイビジョン! …ってことは、本編よりメイキング映像の方が高画質で撮影されたわけです。
私たちがいかに無計画に撮影を進めていったかという象徴的な出来事の一つと言えるでしょう。
さて、そのケイパパさんの仕切りによってロケ日の行動が決まります。
そればかりか、移動について“ロケバス”まで出してくれることになりました。こうした気配りはさすがにイベントに精通したケイパパさんならではでしょう。
全員が合流したところで簡単な打ち合わせを行います。
この時点で、「何をどう撮るか」がわかっているのは私だけです。何しろ、絵コンテが出来上がったのが前日の夜ですから。
本当なら絵コンテをコピーして全員に配れば良かったのですが、何故か私はそれをやりませんでした。本当に何故やらなかったのかと今もよくわかりません。
そこからロケ地へ移動。
マック&シュンカナさんはいくつかある候補のうち、当日の打ち合わせから適切な場所を選んでくれました。
…完璧なロケーションでした。「本当にここで『ウルトラファイト』が撮影されたのではないか?」と思えるくらいの条件が揃っていて、現場に立った時点で私たちは作品の成功を確信しました。
このロケ地選びというのは本当に重要です。
特に今回の映像では「ロケ場所は1カ所」と決めていたので、キャストやカメラの位置、背景などをその場で自由に設定出来る環境が必要でした。現場の雰囲気ばかりでなく、そうした条件も揃った絶好の場所でした。
これも「ノリが共有でき、なおかつ“わかってる”仲間」が集まった成果だと思います。
ここで、撮影に入る前に私が(上記のようにコピーを取っていないので1つしかない)絵コンテを浜辺に落とすというポカをやりました。発見してくれたケイパパさんに感謝です。
もう一つ、ポカというか、事前に打ち合わせをしておけば良かったなあと痛感したのは撮影計画です。
一応、絵コンテには「似たような絵」をまとめて撮ることが出来るように印を付けてありました。
微妙なところで余談ですが、効率的に撮影を進めるために、一般的には似たようなカットはまとめて撮ることが多いようです。特にセットや照明が複雑な場合、一度セッティングを変えてまた元に戻して…とやっていたら大変ですからね。
演出の効果を狙って敢えて物語の展開と同じ順番で撮影されることもあります。これを「順撮り」と呼びます。
私たちの撮影現場では順撮りをやってもまとめ撮りをしても同じようなものではありましたが、私としては一応効良く撮影をしたいと思って気を利かせたつもりだった…のに…。
えー…結果としてキャストが準備万端なのに私は一生懸命“岩に打ち寄せる波”を撮っていたりとか、真の主役であるプチセブンくんが延々3時間も“出待ち”をするハメになりました。
もっとも、事前にロケの場所に言って現場確認をすること(ロケハン=ロケーション・ハンティング)もしていませんでしたから、その場で色々あるのも仕方ないっちゃ仕方ないんですが。
それはともかく、撮影は順調に進みました。
これはひとえに“監督役”である私がほとんど一発で「ハイ、OK」を連発したおかげなのですが、他のメンバーは感謝するどころか「ええっ? 今のでいいの?」と不信感を抱く始末です。半分冗談ですが半分本当です。
“わかってるメンバー”であるがゆえに、「格闘シーンはもっと迫力を出さないとダメだろ」とか「今の動きは今ひとつだった」と自らの演技にダメ出しをしたんでしょう。しかし、絵コンテを作った私には「今ひとつ迫力に欠ける」というテイストこそが全体の雰囲気にピッタリだと思えたんです。
また、プチセブンくんを除くと平均年齢は40歳。迫力満点の格闘シーンのせいで怪我があったらシャレになりません。
さて、人数を数えてみてください。
現場にいるのはチビセブンさん父子とマック&シュンカナさんとケイパパさんと私。
そのうち、チビセブンさん父子とマック&シュンカナさんは映像に出ずっぱりです。
そうなると、純粋な撮影スタッフは、ケイパパさんと私しかいません。
結局、絵コンテを作った私が監督兼カメラマンとなり、ケイパパさんが助監督(兼メイキング監督…)となりました。
照明担当も録音担当もいません。今回はセリフは無いので録音担当は不要ですが、照明はいてもよかったかも知れません。
照明の仕事は、照明機材をコントロールするだけではありません。現場での「光」全てをコントロールするのが照明担当です。太陽光が強すぎる場合は適度に遮ったり、影が濃くなりすぎたらレフ板などで補助光を当てたりします。
ま、今回は「肌を奇麗に撮る」とか「光で表情を作る」といった必要も無かったのですが、逆光で撮影した部分のキャラが真っ黒になってしまいました。せめてそこはレフ板を当てるべきでした。
…ホントは一度ケイパパさんがレフ板を持ってくれたことがあったんです。
が、ファインダーを覗いていた私が「あ!ケイパパさん見切れてます!どいて下さい」と排除してしまいました。
また余談。
「見切れる」…これ、画面の中に余計なモノが写り込んでいる、という意味と、写さなきゃいけないモノが画面から外れている、という意味…つまり、全く逆の意味で使われる用語らしいです。
トータルで5時間くらいだったでしょうか。半日でクランクアップしました。…編集の時にどうしてもつながらない箇所があって撮り足した部分もありますが、一応素材は揃ったことになります。
え?
撮影について参考になるような技術的なことが書かれてないじゃないか、とツッコミますか?
だって、そんな参考になるような撮影はしてませんから書きようがありませんよ(開き直り)。
とにかくほとんど「絵コンテどおりに撮った」だけです。
でも、せっかくなので、少しばかり気にして撮ったことを思い出してみます。
よく言われることですが、カメラを動かしすぎないこととズーム機能を使いすぎないこと。
理由は簡単で、撮影したものを見ると目が疲れるからです…多分。
「ここぞ!」と意図したところでカメラが被写体を追って動いたり、ズームを使うのが効果的です。
また、カメラのズーム機能を使うのと実際にカメラが被写体に近づくのとでは全く映像のイメージが異なります。凝った映像だと「カメラが被写体に近づきつつ、ズームアウトする(またはその逆)」なんてケースもあります。
それから、キャラクターの立ち位置をわかりやすくすること。
単純に言えば、“チビセブン”は必ず左側で“マック怪獣”は必ず右側…と決めておけば良いわけです。
今回は一度に画面に入るキャラクターは最大二人でしたのでそれほど気を遣わなくても大丈夫だとは思いましたが、練習ということでそのあたりを守りました。
どうしても立ち位置が変わる時は「立ち位置が変わった」という映像を間に挟んだりするのが一般的です。
こだわりたい方は「イマジナリーライン」をキーワードに検索をかけてみてください。
画面を水平に保つことも基本の一つです。
ただ、今回のような戦闘シーンの場合、迫力や動きを出すために敢えて斜めの構図にすることがありますが、それはあくまで意図があってのことです。
同じような構図の絵がダラダラと続くと見ていて飽きます。
カメラと被写体の距離、カメラの高さや角度などを(お手本を参考に…)色々試してみると面白そうです。
いずれ、このブログでも実験してみたいと思います。
実はこうした構図の作り方については、私は漫画を描くことで知りました(決して“身に付けている”わけではありません)。
我々の世代で漫画を描いてきた人間は、プロ・アマを問わずにほぼ間違いなく手塚治虫作品の洗礼を受けています。が、手塚作品自体がそれまでは芝居の舞台を同じ場所から見ているような構図だった漫画に映画的な手法を持ち込んだものなので、結果としては「手塚漫画経由で映画の構図を学んだ」という感じでしょう。
え~、少しは参考になりましたでしょうか(笑)
そんなわけで、次回は編集…いやいや、その前に作品の“顔”を作らないと…。
【今回のレシピ】
カメラ=Canon FV M1/ケイパパさんのHDカメラ/Sony DCR-TRV20(地面に落ちるスタント用)
三脚=Sony VCT-870RM
ロケバス=ケイパパさんの車
ヒーロー=成り切りマスク
怪獣=顔:紙 ボディ:雨合羽 腕:事務用袖当て 手:ワカメ採り用手袋 足:白いゴム長
その他=三脚、ヨガ用マット、毛布、折りたたみ椅子