なんだか夢見も悪く
朝の寝覚めの重さを払拭しようと
スポーツクラブでひたすら汗をかいた

気分もスッキリしたところで 
ひさしぶりに餃子とビールのあの感じが
頭にちらつく

身体を絞った効果を考えれば
全く効率的ではないが
大袈裟な言い方をすれば
非効率的なことも生きてゆく為には
必要な時だってあるんだ



席に通されてメニューを見ていたら
僕の隣の席に一人の男性が座った

店員さんの肩を借りながら
反対側に荷物をおいてゆっくりと席につく

すぐに目の不自由な方だとわかる

白い杖を椅子の奥に立てかけたあと

「生ビールと半餃子!」

ニコニコ😊と喋るその表情はとても穏やかで
年齢はおそらく僕より上

餃子とビールが届くまでの時間は
ガラケーを取り出して操作をはじめる

ボタンに突起のあるガラケーだからこそ
目が不自由でも文字盤を指で探れる

イヤフォンをしながらおそらく
留守番電話のチェックなんだろう

僕がもし同じ立場なら
果たしてその男性のように
今いる店に 住んでる街に 
それもあんなにいい笑顔をして
溶け込んでしまえるだろうか

僕自身の日々の些細な悩みなどはひとこと
「Don't worry、Be happy!」
と言って軽く嗜め(たしなめ)られそうだ

そうこうしているうちに その方のテーブルに
キンキンに冷えた生ビールと半餃子が運ばれて来る

3つの餃子はいつもの楕円の餃子皿にではなく
大きなラーメンどんぶりに入って登場した

目が不自由な人にタレ皿は確かにむずかしい
そんな細やかな配慮にその店の方針が見える

店員さんにお願いしたらしく
餃子のタレを直接まわしかけてもらって
さあ、彼の一日の終わりの〆の一杯が始まった

ハンディがあることで
自分の行動範囲をせばめたりせず
必要な時は多少の迷惑をかけたって
人の手を借りることに躊躇しないで
この社会をたくましく生き抜いてる

凄いな

で、ここの店員さんも良かった

男性のひと言ひと言を聴き漏らすまいと
箸箱から箸をそろえて渡しながら
彼の話に優しく耳を傾ける

もちろんそれは仕事の範疇ではあるが
その前に一人の人間として
心で接してる事くらい
その背中を見ていれば簡単にわかる

この人もプロ 人としてプロ

途中呼び出しボタンで店員さんを呼び
再度肩を貸りてお手洗いに

その後追加でレモン酎ハイと
ラーメンどんぶりに入った
ポテトサラダが運ばれて来た

生きてゆくことのプロであれ か。

なんだか 教えられた。

いい人達に会った

感謝