先日、沢田美紀ちゃんの新曲発表のコンベンションで荒木とよひさ氏とご一緒した。
ご存知の通り、荒木氏は四季の歌からテレサテンまで日本を代表する作詞家の一人であり、
昨年の秋には文化勲章のひとつである紫綬褒章を頂いた方。

荒木氏とは、それこそどのくらい前だろうか、石井明美という歌手のアルバムで初めて御一緒した。それから、一緒に何かやろうよという話になり前川清さんなど、それこそ当時ニューアダルトミュージック(日本の音楽界だけに通用したよくわからないジャンル)といわれた分野の歌手を
結構書いた。

当時はポップス系もガンガン書いていたので、周りから”どうやって頭切り替えてんの?”ってよく言われた。
つまりTOKIOやトシちゃんやHIROMI GOやりながら、前川さんや藤あやこ、大川栄作、う~んキングトーンズやもろもろ演歌系と言われる人達も含めて、つまり”幅広いね~”って
褒め言葉なのか、何でもやるの?っていう皮肉めいたものかわからないが、とにかくよく言われた。

でもさ、俺よく思うんだけど、ジャンルって俺まったくカンケーないのよね。
聞き手がわかりやすいようにレコード会社が分類してるだけで、感じるもんには創作意欲バリバリわくし、奇麗ごとじゃなく、俺の中にそういう浪花節的なもんや、とってもドロドロした感情表現や、都会の朝焼けからそれこそ新宿のゴールデン街や惚れたはれたの世界って大好きなのよ。
んで、それをどうジャンル分けしてるかって言えば、それは詩、つまり言葉の世界と、それを表現する歌、そしてまあ音楽的にはオケであって、結構メロって裸にしてみれば、ポップもなんもかんも、感じる部分は一緒なのよね。
だから作る時も特にメロを技術的に使い分けてるなんて全くなくて、その世界で感じるものを
ただ表現してるだけなんだよな。形や形式ではなく、その詩ならこうだ とか あの声ならやっぱこのメロだとかね。

俺は作家としては、だから、その時代的にも結構いろんな曲書いてきたほうだと思うよ。

んで、話は戻るけど、その荒木さんがしきりに言うのは
”都志見くんさあ~、いい曲って作れるじゃない。でも売れるにはいい曲だけじゃ駄目なんだよね”
っていう事。

俺さ、俺も同じように思ってるけど、やっぱ彼を見ててすごいなって思うのはね、
それをいつも考えてるって事。
だから、なにか不思議な、いわゆる紙一重な線っていうの?そういう事をいつも考えてるって思うわけ。

なんかさ、たま~に、俺等って結構作品つくって落とし込む時って意外と常識的なところで評価してない?
格好良さとか時代感とかも、たとえば”今だったら、これはないよね、やっぱこれだよね!”って落とし込む事ってよくあるけど、それってつまりは、とても常識的な事なのよね。
誰が見ても、AではなくBよ!みたいなね。

でもさ、一度それを疑ってみる必要もあるかもな。なんて最近思うわけよ。

昔から、一歩先じゃなくて、半歩でいいんだ。とかよくいうけど、二歩先もありかなって。
二歩新しいものをっていうと、よくわからないけど、時代の突破口って、実は過半数ではなく
ごく少数の、強力なチカラだったりするでしょ。

皆がグッドって感じるもの以外にも、きっとグレイトって感じさせれるもんあるんじゃないかって
作品つくりたいよね。

誰もが認めるグンバツな女もいいけど、それは実は意外と平均点を超えてなくって、
それよりも、バランスはわりいけど、あいつのあの言葉、ガツンと来たぜ!って思える女のほうが妙に心に残ったり魅かれたりするようにね、な~んかそんな曲って、最終的には”売れて残る”んじゃないかってね(笑)。

だから、死ぬほど作品書いてる荒木さんが言う”いい曲だけじゃだめなんだ”って言葉、
改めて身にしみたね。
プロほどいろんな事考えてるよな。書いても書いても...考えてるんだよな。
コンベンションで歌聞いてる途中、手帳出してなんか書いてたよ。
何かいい言葉あったんだろうな。   すごいよね。 さすがだよ。!