出張撮影専門 スタジオたいとう です。
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遺影用ポートレート撮影
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さて、本日はセンサーサイズによる被写界深度(あるいはボケ)の違いに関するちょっとしたおはなし。
「フルサイズだから背景がよくボケてきれい」とか「APS-Cサイズだからボケがいまいち」とかいうような話を私も仲間内ですることがあります。
実はこの言い方は、完全に間違いだとは言い難いものの、正しくもありません。
なぜなら、同じ場所から同じレンズ、同じ絞り値で同じ位置の被写体を撮る場合、35ミリフルサイズのカメラでも、APS-Cサイズやフォーサーズのカメラでも、被写界深度は変わらないからです。
ニコンDf と タムロン28~75/2.8 で試してみました。
カメラは三脚で固定しています。
ニコンでは35ミリフルサイズを“FXフォーマット”、APS-Cサイズを“DXフォーマット“と呼んでいますので、それに合わせます。
・75mm F4
両方とも同じ場所で撮影。
センサーサイズが変わっても写る範囲が異なるだけで被写界深度は変化しません。
FXで撮ったときに急に前後が激しくボケたり、DXに設定しただけでピントが合う範囲が広がったりすることはないのです。
被写界深度はセンサーサイズとは無関係に、焦点距離が短いと深く、長いと浅くなります。
絞りを絞ると深く、開けると浅くなります。
撮影距離(フイルムやセンサーからピントを合わせる面までの距離)が遠いと深く、近いと浅くなります。
同じ場所から同じ焦点距離のレンズで同じ絞り値で同じ被写体を撮るときは、FXでもDXでも、もっと小さいセンサーサイズのカメラを使っても被写界深度は変わりません。
ただ、写る範囲が広いFXのほうが手前や背景のピントが合っていない部分が多くなり、結果的にFXのほうがボケがきれいと“感じる”ことはあるでしょう。
・50mm F2.8
こちらも同じ場所から同じ焦点距離で同じ部分にピントを合わせていますので被写界深度も同じです。
DXフォーマットの50mmはFXの75mmに相当する画角となります。
カメラを動かさずにFXの75mmでも撮影しました。
この場合、画角はDXの50mmとほぼ同じでも、焦点距離が長くなった影響で50mmよりも被写界深度は浅くなります。
それは焦点距離が違うから被写界深度に差が出るだけで、センサーサイズの違いではありません。
ただし、同じ画角を求めるとき、FXではDXよりも焦点距離が長いレンズを、DXではFXより短いレンズを選ぶことになり、結果的に「FXは背景をぼかしやすい」、「センサーサイズが小さいからあまりボケない」という印象を受けることはよくあると思います。
また、同じ画角で撮るならDXはFXより焦点距離の短いレンズを使うことになるため「DXは被写界深度が深い」と感じる結果につながることもあるでしょう。
続いてFXフォーマットとセンサーサイズの小さなコンパクトカメラも比べてみました。
リコーGX200の望遠端は35ミリ判換算72mm相当。
ほぼ同じ位置からの撮影で、ピントは倒れた杭に合わせています。
・F5.6
同じような画角でもGX200の実際の焦点距離は15.3mm。
75mmとはかなり差があります。
被写界深度は焦点距離が長いほど浅く、短いほど深くなりますから、75mmより15.3mmのほうがピントの合っている範囲が広くなっています。
これはセンサーサイズが小さいからではなく、焦点距離が短いから被写界深度が深いのです。
少々わかりづらい内容ではありますが、被写界深度は焦点距離と絞り値と撮影距離で変化するものであり、センサーサイズで変わるわけではないということを覚えておくと実際の撮影で役立つこともあると思います。
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