Canyon Speedmax Disc 2021モデル XSサイズをポチりました。

2020.12.22納車予定

 

 

購入に至るまでの試行錯誤について記述します。

今回は身長170センチ以下、更に言うと身長165センチ以下の小柄な男性や女性の方と共有したい記事でございます。

 

トライアスロンを初めて1年半が経ち4戦ほど参戦し、今後も続けたいという気持ちになったため、さらにミドルディスタンスを視野に入れトライアスロン専用バイクの検討を始めたのが購入から3ヶ月ほど前です。

 

ショートディスタンス(オリンピックディスタンス)までならロードバイクという選択も充分ありです、ペダルだってフラットペダルの方がトランジションでかなりの時間が短縮できます。

しかしながら技術の進歩やメーカーの努力のおかげで最近の軽量でハンドリングの優れたトライアスロンバイクならショートからロングまで、平坦から山岳の併設コースでも使えると考えています。

現在はTarmac SL6 サイズ49で参戦しており、今後もロードバイクにDHバーで良いと考えていましたが‥

 

私は身長が164センチと低く、ロードバイクならまだしもトライアスロンバイクとなると車種選択に困る、700Cは絶対に履けないのか?

 

各メーカーは幅広い調整が効くなどと謳ってあっても、それは160センチ後半からのこと、165センチ以下の人にとって最適化されたポジションで乗ることは困難といえます、サドル高さが対応していたとしてもリーチが長すぎたり、落差が取れないなどどちらかの制約を受け容れてるというのが現実ではないでしょうか?最適なポジションで乗れないならTTバイクを選択する意味は薄れてしまいます。あくまでも乗り手の身長の問題であって、メーカーはさまざまな工夫や努力をされているのだと思います、しかし、そんなこともありロードバイクで充分と諦めていたところに発売されたのがCanyon Speedmax Disc 2021またもやCanyon Bicycleがやってくれました!

 

私が初めてロードバイクを購入したのはCanyon Inflite 2XSでホイールサイズに650Bを採用し、最適なジオメトリーを実現していました。シクロクロスではバイクコントロールが最優先です、650Bは私にとっては取り回しが良く乗りやすい。幸いなのことにCanyon Inflite 2XSはオフロードも走れるバイクであったため700Cのホイールに33Cのオフロードタイヤも難なく履けましたのでコース状況によって使い分けができました。

※購入前にメーカーに電話して700Cが履けるか確認したらNGと言われたが実際は履けた。

 

そして今回発売されたCanyon Speedmax Disc 2021のXSモデルには650Bのホイールサイズを採用でサドル高さは631mmから対応しているとのこと。

ただし車種から考えてCanyon Speedmax Disc 2021のXSモデルはフロントフォークやシートチューブにクリアランスがないため700Cを履くことは絶望と言ってよいでしょう。

※XSサイズで650Bのタイヤとフレームの間に15ミリ以上のクリアランスが有れば700C+23Cが収まってしまうが‥実車でテストしてみないとわかりません。

650Bホイール半径292mm+タイヤ28mm=320mm+11mmクリアランス=331mm

700Cホイール半径311mm+タイヤ20mm=331mm(18Cなら329mm)

その差11mmなのである。ワイドリムなので23Cを履けばさらにタイヤ直径は短くなる。

仮に収まったとしても、さらに5mm程度のクリアランスが欲しいため340mm無いと無理でしょう。サイトに掲載されている写真はどれも700Cですが20mmものクリアランスがあるようには見えませんし、20mmもクリアランスを確保したらエアロ効果に影響が出てしまうでしょう。ですので700Cが履けない前提で購入した方が良いでしょう。

20Cなどの細いタイヤを履くことができたとしても、20Cではタイヤ周長が短くなり650Bにかなり近づいてしまいます。

後日、メーカに確認したところ実車で試してみたが物理にインストールできませんでしたとの返答をいただきました。

この辺りの対応もCanyonJapanのスタッフの方は迅速て丁寧に対応してくださっています。

※納車後に650Bのタイヤ直径を測ってみたら

650B-25C 直径640mm 外周長2009mm フロント

650B-28C 直径645mm 外周長2025mm リア

でした。

 

650Bにはある種の覚悟が必要だが650Bは不利ではない、トライアスロンバイクで650Bの採用はCanyonだけか

ホイールメーカーのZIPPは650Bは700Cと比較して7%空気抵抗が少なく、12%軽量と紹介

700Cを諦めて650Bについて前向きに考えてみたいと思います。

デメリット

・ロード用ディープホイールの選択肢が少ない、50mm以上のディープリムやディスクホイールはほぼゼロ、ハイトの浅いMTBやグラベル用は使えるが使うシーンがない、DT Swissから2種類の50mmハイトの高性能ホイールが出ています、Canyon BicycleでInflite 2XS用のレイノルズAR41、Zipp303(リム高45mm)は650Bがあります。

※アリババでELITEWHEELというメーカーのリム高45mm、650Bサイズがあります(練習用にいいかも)

※Reynolds AR 58 650b DB Carbon Tubeless Wheelset 1,750g 10万くらいというのがありました。

・タイヤ選択肢もほぼない、少ない選択肢だがコンチネンタルGP5000など高性能で使えるタイヤはあります。

・タイヤ周長が700Cと比較して1周あたり役10センチ短くなる(デメリットかどうかは不明)

・700Cと比較してケイデンスを上げるか、ギアを重くするか、チェーンリングの歯数を増やすか、しかし必要パワーは変わらない。

・完成車のホイール仕様は前後とも50mmハイトとなる(ウェブサイトでは62mm-82mmと記載があるのに‥)私の身体能力やメインがオリンピックディスタンスということから、62mm-82mmより、軽さを求めて50mmハイトのホイールが欲しいと思っていました、しかも1,458gっぽい、思わぬ仕様変更を歓迎しています。

しかし、ミドルやロングなら重いリムの慣性が欲しくなるかもしれません。その時はホイールが無いので50mmで出るしか無いでしょう。

メーカーに確認しましたがDT SWISSが650Bについては50mハイトを2種類しか生産しないとのことです。

 

メリット

・ホイールメーカーのZIPPは650Bは700cと比較して空力で7%優れ、12%軽量であると発表

・リーチ、落差とも最適なポジションが取れる

・あれこれホイールやタイヤを探す時間が節約できる、ホイールを買い換えない、高い経済性!?

・相対的に軽量なため鋭い加速が得られ、山岳でも有利となる

・ハンドリングが軽く取り回しが良いため国内のショートでも使いやすい

・全高(地上からサドルまでの高さ)が低くなり空気抵抗をさらに削減できる

 

 

検証165センチ以下のトライアスリートが700Cを選択するメリットはホイールやタイヤの選択肢が多いだけか?

 

160センチ後半なら微妙なところでしょうが、165センチ以下ならホイールやタイヤの選択肢が多い以外はデメリットしかないのかもしれません、つまり650Bは165センチ以下にはメリットだらけと言えるかも。普通に考えると700Cと650Bを比較した場合、同じケイデンス、同じギアであれば700Cの方が10センチ前に進みます。これは700Cと650Bのタイヤ外周差のことです、つまり同じクランク回転で同じ距離を進むにはギアを重くするか、多く回すかということになりそうです。

700Cで28Cタイヤ1周あたり約2136mm

650Bで28Cタイヤ1周あたり約2025mm

その差は111mmですから、約5%の差ということです、つまり角度にして18.25度、クランク長さ165mmの私なら(165+165)x3.14=683.1mm(外周)x5%=34.2mm多く漕げばよいだけです。

ケイデンスにすると80回転が82〜83回転となります。ギアを1段重くしたら逆にケイデンスは低くなると考えられます。

また、フロント50-34でしたら52-36にしてもケイデンスは低くなります。

これなら650Bぜんぜんアリではないでしょうか?つまり650Bのデメリットは無いも同然の可能性が高いです。

MTBやシクロクロスでしたら悪路を走行するので有利になる場面もあるかもしれませんが、650Bは軽量というメリットもあります。高いホイールを買って軽量化するなら650Bにするのもありのような気がします。

ヒルクライムなら650Bの方が断然有利なはずです、高額で軽量な700Cホイールより650Bのホイールは普通に軽量です。

さらにタイヤ周長は短くなっても、空気抵抗が削減できるメリットは未知数だが期待できそうそう、低身長を逆手にツールで何勝もしているカレブユアンやピドコックだっているじゃないか‥色々調べたり考えても650Bのデメリットとして決定的なことを見つけることはできませんでした、このブログを読んで教えていただける方がいらっしゃったら教えていただきたいです。

 

逆説的に無理なポジションとなる700Cを選択する理由はあるのか?

700CならエアロロードバイクにDHバーと変わらない落差となってしまう。過去アイアンマンの優勝者の身長は180センチ、優勝バイクであるSHIVのバイクサイズはSとワンサイズ小さいことからもサイズ選択の重要性が伺われます。

Canyon Speedmax Disc 2021のXSモデルにはデメリットを受容れて有り余るメリットがありそうです、TTバイクの購入動機、それは言うまでもなく最適なポジションの獲得です。最適なポジションが獲得できないならTTバイクを購入する意味は薄れロードバイクにDHバーで良いと思います。

700Cでは不可能な身長165センチ以下への最適化を650Bという大胆な選択で実現してくれたのがCanyon Speedmaxといえます。他のメーカーは何故650Bを採用しないのでしょうか?ロードバイクもヘルメットのようにアジアンフィットとかって650Bを積極採用してくれたら嬉しいのに将来的にアジアのロードバイク人口が増加して第一線で活躍する選手が増えたら変わるかもしれませんね。ちなみにJTU規定ではタイヤも含めて55cm以上70cm以下なので650B(63cm~64cm)はOKです。

 

出典@スペシャライズド
左は192cm、右は176cmのコンタドール、僕は164cmだからさらに小さくなる身長28cmも違う‥まあ空気抵抗的には有利なのもわらかないではない

メーカーの開発基準サイズは56サイズなので身長180cm前後を基準としている各チューブの形状や径は同じだがら、同じ型番でも別物ってくらい違うと思うフレームに関してスペシャライズドなどのビッグメーカーはサイズ毎に開発しているので安心だけど、ホイールサイズが同じってのはねぇ‥低身長のプロの方々は大きな身長差を乗り越えて勝利を勝ち取っているのは驚愕です。

specialized SHIVもCervelo P5もショップで買えるし極上に素敵なバイクに違いありませんが、シクロクロスでもそうでした、このたびトライアスリートとなった私にはCanyon Bicyclesは救世主といえます。

ユーザーファーストという理念には色々な見方があると思いますし、このようなアプローチもまぎれもなくユーザーファーストであると感じました。

 

身長165センチ以下のTTバイク選びはロードバイク以上にフレーム選びが超困難、優先順位はポジション

サイズが適切でポジションが出ているバイクに乗っているという満足感が大事

 

身長170センチ以下でのTTバイクにおけるフレーム選びでは

・最大落差が小さいか、リーチが長くなる(高く遠い)

・スローピングになり空気抵抗が増す(そもそもスローピングなTTバイクは無い)

・スペーサーやステムでの調整幅が少なく、ポジションの変化への対応幅が狭い

・そもそも170センチ以下に180センチ以上と同じ700Cというのが???

 

トライアスロンのバイクパートはショートなら約80分、ミドルなら約3時間、ロングになると6時間にもなるため最優先はポジションで間違い無いでしょう、ポジションによる空気抵抗の削減効果が他の何よりも勝ると言うのは誰でも知っているところです。

ショートディスタンスまでならドロップハンドルのブラケット肘曲げポジションやDHバーでそこそこのエアロ効果が得られまし、身体を休めることもできます。ホイールやタイヤなら選択肢は悲しいほど少なくてもゼロでは無いです、しかしフレームは変えられないのです。

トライアスロンを長くやっている先輩曰く、トライアスロンに限ってはポジションで車種を選んだ方が後々後悔しないとか‥

 

Canyon Speedmax Disc 2021のXSモデルが650Bの採用によって得た価値とは

 

低いアームパッドスタックと短いアームパッドリーチの両立ではないでしょうか?アームパッドスタックとはBBからアームパッドまでの高さのことで、シート高さからアームパット高さを引くとおおよその最大落差が確認できます。つまり最大落差とはこれ以上取れない落差の限界値ということです。結果、車体のバランスが向上し、ハンドリングや操作性も向上しているかもしれません。

そして副産物として低い全高(地面からサドルまでの高さ)

 

最大落差比較そして低身長は手足も短い

私のシート高は股下730mm×0.885=646mm

 

アームパッドスタックについて

Canyon Speedmax Disc 2021 528mm(最大落差118mm)646mm-528mm

Cervelo P5 540mm(最大落差106mm)

Specialized SHIV 556mm(最大落差90mm)

 

アームパッドリーチについて

Canyon Speedmax Disc 2021 最少リーチ363mm

Cervelo P5 最少リーチ410mm

Specialized SHIV 最少リーチ372mm

 

私が候補に挙げた3車種を比較するとCanyon Speedmax Disc 2021が落差もリーチも最大に調整幅が取れることが判ります。

Specialized SHIVは落差は少ないがリーチは取れる、Cervelo P5は落差は取れるがリーチが取れないそして無理に適合させた結果、フレームは設計思想から逸脱し設計効果は薄れていくのかもしれません。

これが700Cの限界ということでしょうか?落差を優先するかリーチを優先するか、設計思想か?もしCanyon Speedmax discが登場していなければ私の場合リーチを優先し、落差もそこそこ確保でき、ポジション幅の広いSHIVは、あの背びれデザインが許容できるなら良いかもしれません。

それでも胴長で手足の短いアジア人にはどこかで妥協なしには乗れない可能性が高いです。

これがロードバイクならステムの長さや角度で調整できるんでしょうけど、トライアスロンバイクはそうはいかない、ショップの方もジャストサイズが無いと判っていても有るものを勧めるしか無いでしょう。CanyonはInfliteでの実績もあり、タイヤ周長を犠牲にして低身長や比較的小柄な女性アスリートやユーザーの為に650Bを選択したのでしょう。650Bはメーカーにとってはおそらく儲からないでしょう、短いフォークや650B専用のジオメトリの開発などXSサイズだけのために、膨大な開発費がかかる上に乗り手は少数でしょうから。

 

結論としてXSサイズ650Bを選択

 

では、考えを整理するために優先順位を考えると

A.空気抵抗削減(エアロボジション)

B.重量、軽さ、おそらく8Kg台(山岳コースもある)

C.ハンドリング(ショートでは折り返しやコーナーが多い)

D.見た目やバランス、カラー

E.カスタマイズ性(ホイールやタイヤ)

F.メンテナンス性

G.積載性(ボトル、パンク修理、補給食)

H.プライス

私の場合は、A-C-G-D-B-E-H-Fとこんな感じになりました。

やっぱりトライアスロンバイクに乗るということは空気抵抗削減が第一で外せない目的なんですね、アームパッド落差は余裕みて10センチは欲しいですし、過去4戦でハンドリングも重要だと感じています。そして、最も犠牲になるのがカスタマイズ性ですが順位は5番目と低いです。多くの選手が落差獲得のためにワンサイズ小さなサイズを選択しているのに、カスタマイズしたいから700Cに乗りたいからサイズに無理のあるバイクを選択するのはレース指向であれば本末転倒となりかねません。

 

Canyon Speedmax Disc 2021は650Bの採用で落差とリーチの両方を手に入れたのです、最大落差118mmでも、実際のところスペーサーや角度調節などで十数ミリ上がってしまいます。さらに各メーカーの同価格帯の車種を色々と調べた結果、Canyon Speedmax Disc XSを購入することにしました。

今やビックメーカーとしてのプライドと実績から1つのデメリットを差し引いても良いに決まってる筈。

先々までの650Bのジオメトリでポジションの調整幅が広く取り回しが良い、ショートや山岳コースまでカバーできる軽量な総重量、これが選択の最大の要因となりました。高額なトライアスロンバイクを購入するにあたり、妥協はできるだけ最小限にしたいと思うのは当然です、競技指向ならばトライアスロンバイクに乗る理由は空気抵抗の削減が一番でしょう。

しかし、そんなに落差は必要なのか?という疑問は残ります、現在の身体能力なら100mm以下でも充分かもしれません。

初めは我慢して650Bの車種を選択するのか‥とネガティブに考えていましたが、熟考を重ねるうちに身長165センチ以下な650Bの一択じゃないかと考えるまでになっていました。もう低身長は650Bじゃなきゃヤダってところまできています。

 

さらに後押しした要因は、

・軽量なディープホイールが付いている(前50mm、後ろ50mm たぶん1,458g XSのみ)

・他社には無いほど細かくDHバーの調整ができる(アーム長さ、角度、グリップ角度)

・ベントボックスやハイドレーションが芸術的かつスマートに収まる

・片足計測パワーメーターが標準装備

・完成車から何も追加変更の必要はない

・コスパが良い(ホイール分はお値打ち)

懸念した要因は、

・ショップで買えない、ほぼサービスを受けられない、周りやチームにショップ関係者がいたら気が引ける

 

写真:Canyon Bicycles

 

私の場合、過去にCanyon Infliteを購入し2年間シクロクロスに参戦していますので、初めは戸惑いましたが、地道にメンテについて学習してきたのでDi2なら今後もメンテナンスに不安はありません。

来シーズンはいよいよTTバイクでのトライアスロン参戦にワクワクします。

 XSサイズは色によって納車まで3ヶ月以上かかるようです、私のような方が沢山いらっしゃって650Bの登場を待ち望んでいたのかも知れませんし、単に車体かホイールの生産数が少ないのかも知れません、おそらく後者でしょう。

いずれにしても来シーズンには間に合いそうです。私の注文は年明け直ぐに納車されるようです、納車後には実車インプレッションを共有できる事を楽しみにしています。

 

※12月23日納車されましたので、650Bの実車を見られたい方は12月25日以降でしたらお見せできます。

 

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