今回のテーマは700C vs 650Bです。またロードバイクでロードタイヤを履いて舗装路を走行するという条件です。比較的低身長な女性や男性一般ユーザーのロードバイク選びのお役に立てれば幸いです。

 

・700C vs 650Bについて共有する理由

・UCIのレースレギュレーションで650Bはいいの?

・2018年にGCNが詳しく比較解説していた

650Bは700Cに対して7%空力に優れ、12%軽量

650Bに実際に乗ってみてどうか

Canyonは650Bに開発販売に積極的

・ショップで買って他メーカーの650Bに乗ってみたい

シクロクロスやマウンテンバイクでは?

・補足 数店舗比較してのショップ選びがとても大切

 

700C vs 650Bについて共有する理由

こんな記事に興味ある方は少ないと思いますが、身長165センチ以下にユーザー(私のこと)にとっては当事者であり重要な事だからです。フレームサイズの無い悩み‥こればかりは当事者でないとわかりません、他の記事も参考にしていただき高い買い物ですから納得してロードバイクを楽しみましょう。

身長165センチ以下のユーザーは特にレース志向の場合、700Cのホイールを前提としたフレームは大きすぎて適切な落差やポジションがほぼ取れません。なんとか合わせたとしてもどこかにしわ寄せが発生し、相対的に不自然になってしまいます。

そのような問題を解決できるのが650Bホイールの使用を前提に最適化されたフレームということになります。

しかし、650Bは700Cに対してタイヤ周長が約10センチ短いことが、走行上不利ではないかと懸念されていました、メーカーの検証により今では650Bの方が700Cと比較して空力と重量の面で有利であることが発表されています。

つまり、この事が表題の朗報です。

 

UCIのレースレギュレーションで650Bはいいの?

UCIのレースレギュレーションでは自転車の車輪は,タイヤも含めて最大 70cm から最小 55cm のあらゆる寸法を採用できるとなっています。つまり650BのはOKです。メーカーは商業的な理由からマイノリティーなユーザー向けに650Bのフレームを開発したり販売することは合理的でないということでしょうか?

それでも身長165センチ以下のピドコックやユアン選手は落差の取れない700Cに乗って何度も優勝しています。

ユアン選手は低身長を逆手に取った低い姿勢によって空気抵抗を抑え、圧倒的加速によってポケットロケットと言われるゴールスプリント技術で多くの優勝を勝ち取っています。

彼らが650Bに乗ったらもっと速く走れる可能性は無いのでしょうか?

トライアスロンのレギュレーションでも650BはOKです。ありがたい。

 

2018年にGCNが詳しく比較解説していた

先日GCN Techの過去動画を観ていて、2018年に「650B Vs. 700C: The Geek Edition | GCN Tech Does Science」が公開されていたので翻訳しながら観ました。

 

 

650Bは700Cに対して5%空力に優れ、12%軽量

GCN Techは既に決着がついていました。ホイールメーカーのZIPが650Bと700Cについて検証しており、舗装路を走行するという条件で650Bは700Cに対して5%空力に優れ、12%軽量とのことです。

つまり上記の2点において650Bは700Cに対して高性能であると言えます。

ロードバイクで走行する場合、時速40kmを超えると走行抵抗のおおよそ80%が空気抵抗になるというのは常識です、ホイール単体で7%空力に優れ、さらにライダーを含め車高が下がることでさらに空力が良くなるでしょう。

また、ホイール単体で12%軽量に加え、タイヤもフレームもそれぞれ軽量となります。

ここまで来ると650Bを選ばない理由は、ホイールの選択肢が少ないことのみでしょうか?

それもありますが、特定のメーカーでしかそもそも売ってないというのもありますね。

お気に入りのメーカーに700Cのフレームしか販売されてなければやむを得ませんが、私はサイズからメーカーを選択するアプローチをとり、そうして良かったと思っています。

 

650Bに実際に乗ってみてどうか

私は2018年から現在まで、650Bのロードバイクを2台所有しています。過去には700Cを4台乗った経験があります。実際に乗ってみて

・650Bは見た目のバランスが良くシートポストの露出が大きくカッコイイです(写真)

・ポジションの調整幅が圧倒的に広がります、特に90mm以上のステムが使え、落差がしっかり確保できることは嬉しいです。

・ポタリング、ヒルクライム、ロードレースなどシーンに合わせたセッティングが可能となる。

・総重量が軽い、フレームとホイール、タイヤで300g〜500gは確実に軽くなるでしょう。

・取り回しやバイクコントロールがし易い、700Cだとフロントフォークを寝かせるのでハンドリングは低下する。

・舗装路の平坦や登りであれば空力、軽さなど数値上からも確実に速く走行できる

・ホリゾンタルに近いフレームでも脚が着く(写真のシクロクロス)

・650Bと700Cのホイールが使用できるモデルがある(写真のシクロクロス)

こんなメリットがありました。

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Canyonは650Bに開発販売に積極的

そんな中、商業的に成功を収めているCanyonなどは650Bに対して積極的な姿勢で開発販売に取り組んでおり、ユーザーフレンドリーと言えます。残念な事ですが他の商業的に成功しているメーカーであっても大して売れないものに開発費をかけるのは合理的で無いのでしょう。

ユーザーとしては最寄りのショップでメンテナンスが受けられない事が課題となりますが、根気よく探せば親切なショップもないことも無いです。私は自転車整備士の勉強をして基本的な知識やスキルを身につけました。

Canyonで650Bを買うなら、高いですがDi2が圧倒的にメンテしやすくおすすめです。複雑な調整にスキルや経験が必要となるディレーラー周りの調整を自動でやってくれるからです。他の部分は取説にちゃんと書いてありますから不安に思う事はほとんど無いでしょう。ロードバイクのメンテナンスに関する本を一冊買っておいて、あとはYouTubeでほとんどのメンテナンスについて学ぶ事ができます。

 

ショップで買って他メーカーの650Bに乗ってみたい

他のメーカーでも650Bに最適化されたロードバイクを開発してもらえたら嬉しいですね。

ほぼcanyonしか選択肢が無いのが現状でしょうか?

いくらショップで買いたくても売ってなければ買えませんから‥ショップと付き合うために主観的にカッコ悪かったり、サイズの合わないバイクを買うのは本末転倒になってしまいます。

しかしながら親切なショップなら、数あるメーカーから最適な1台を探してくれるかもしれません。

ただ妥協してまでサイズの合わない700Cに乗ろとも思わないしcanyonさん、ありがとうってことですね。

 

ディスクホイールが売っていない

私もトライアスロンでカッコイイディスクホイールを履きたいと思った事がありますが、プロ並みの脚力がなければディスクホイールは重いだけでメリットは皆無と言われていますので、今では考えもしません。

一般ユーザーであれば50mmハイト前後のホイールが最も重量と空力のバランスが良いとの事です。

もう700Cを選ぶ理由を探す方が難しくなってきました。

 

シクロクロスやマウンテンバイクでは?

ここまでは、舗装路に限定して共有してきましたが、シクロクロスの砂地では700Cが有利と言えます。

私はシクロクロスも楽しんでいますが、シクロクロスで砂地が多いコースでは700Cのホイールを履きます、やはり段差を乗り越えるにはタイヤと地面の角度が緩い方が有利に決まっています。砂地ではタイヤが砂に埋まってしまうので、段差のような状態になりますので700Cにしています。ディスクブレーキ搭載車はホイール&タイヤを交換するだけでブレーキの調整は殆ど必要ありませんのでディスクブレーキがお勧めです。

 

最近のエアロロードバイクは異形のシートチューブでリアタイヤに発生する空気抵抗を抑えるデザインが増えています、このようなモデルの場合、650Bモデルに700Cは履けない場合が多いです。シクロクロスや軽量モデルなら650Bと700Cの兼用ができるモデルが多いと思います。どうしても700Cのホイールが使用したい場合でも使用できます。

ちなみに私は写真のCanyon Inflite 2XS 650Bに700Cのレーシングゼロを履いてトライアスロンに出場しました。

650Bモデルなら初めから700Cモデルと比較して空力が良いですから、エアロロードバイクでなくても戦闘力が高いと言えるかもしれません、考え方ひとつで選択の幅が拡がる650Bモデルって事ですね。

現在ではCanyon Speed Max 650BのDT Swiss 50mmホイールをCanyon Infliteに履かせてヒルクライムに行ったりしています。

 

マウンテンバイクでしたら29erがありますね、コーナーが多いコースでは速度が出過ぎバイクコントロールが難しいと言われる方もいるようですが、段差を乗り越えるには圧倒的に有利と言われています。私自身マウンテンバイクについてはあまり詳しくありません。

 

補足 数店舗比較してのショップ選びがとても大切

今回は650 vs 700Cということで、記事を共有しましたが、ユーザーには身体的個性以外にも様々な周辺環境やメンテスキルなどの状況があるのであくまで主観的な意見です。

700Cに乗ったから極端に遅くなることはないでしょうし、親切なショップなら親身になって最適なポジションのとれる1台を探してくれるでしょう。つまり、ユーザーフレンドリーなショップ選びはすごく重要だと思います。

ポタリングメインとかレース志向でないホビーライダーならそれほど落差は必要無いので700Cでもステムで対応したり、ホイールも色々と選べそれなりに満足に乗れると思います。何よりプロフェッショナルなショップのアドバイスやメンテが受けれますから、最寄りの一店舗だけではなく数店舗訪問して自分に合ったお店を比較検討することをお勧めします。