今回は小柄な方や女性が舗装路において650Bのロードバイクを乗りこなす上で、私が挑戦しているトライアスロンのバイクパート視点から気付いたことを共有したいと思います。

 

私自身650Bのトライアスロンバイクやシクロクロスバイクに乗っていて”おやっ”と気づいたことがあり、そこからヒントを得て改善できた事がありました。今回共有することを考慮しておかないと、これまでそこそこ乗っていて700Cから650Bに乗り換えた方は巡航速度が遅くなってしまうかも知れません。

私はトライアスロンの練習でノンストップの20kmや40km巡航をやったりしますので今回のことに気付けたのかなと思います。

 

 

 

”気づいたこと”とは?

トライアスロンの練習仲間と一緒にバイクトレーニングした時のことでした、私の方が遅いので全般的に引いてもらっていた時のこと‥先頭の方とケイデンスを合わせようとペダリングするも明らかに私の方がケイデンスが多く回していることに気づきました。

もちろんギア比が一緒だったか定かではありませんが、これは調べた方が良いなと思い帰宅後に色々と思考してみたことがきっかけとなりました。これまではタイヤ周長のことを気にかけていましたが、クランク一周あたりの距離については考えていなかった。

しかし、タイヤ周長よりクランク一周あたりの距離やギア比が重要だと直感し、今回の記事となりました。

 

本記事の前提となる考え方

・700Cでも650Bでも同じ速度で走行する場合に必要となるパワー(W)は同じである

・タイヤ周長の違いがあっても同じギア比であれば、クランク一周あたりに進む距離が違っても速度に対して必要となるパワー(W)は同じである

・パワーを構成する要素は主にギア比とケイデンスからの速度であり(ここちょっと不安です) パワーに関しては仕事率という考え方があり、重いギアをゆっくり回しても軽いギアを速く回しても仕事率が同じであればパワーも同じである(今回はここについては深入りしませんが、色々なサイトに深掘り掲載されています)

・トライアスロンではクロスレシオが必要でリアを12-25にしています、パワーに自信がない方やヒルクライムされる方、リアが11-28や11-30にした場合はフロントは50Tが扱いやすいと思います。

 

650Bで舗装路を走行する場合のメリット(おさらい)

小柄な方や女性がロードバイクやトライアスロンバイクで650Bを選択した場合には多くのメリットがあります。

具体的には

・サイズが合っていて扱いやすい

・適正落差がとれる

・バイクが振りやすい

・7%空気抵抗が抑えられる(ホイールのみで)

・12%軽量化できる(ホイールのみで)

しかし乗っているうちに700Cに乗っていた感覚のまま乗っていると課題が見えてきました。

それはフロントチェーンリングについてです。

上記のようなメリットはあるものの、メリットを活かさなければ知らず知らずのうちに遅くなる原因にもなりかねないと考えています。

具体的には700Cの時と同じギア比や同じケイデンスで走行していると速度は遅くなります、進む距離も短くなりますメリットを速度に繋げていく為には700Cと650Bの違いについて理解することが近道です。

 

タイヤ周長よりクランク一周あたりの進む距離

650Bでは700Cと比較してタイヤ周長が短くなりますが、そのことが巡航時にどのように影響するかについて考えてみました。

ギア比計算ツールを活用させていただいたところいろいろと判ってきました。

(このツールには本当にお世話になりました、作成者さんに敬意を持って紹介させて頂きます)

 

 

検証(ギア比、進む距離、速度)

650-28C タイヤ周長2,023mm

(実測ではタイヤ直径647mm x 3.14 =タイヤ周長2,031m、乗るとタイヤが沈むのでこんなもんでいいでしょう)

 

700-28C タイヤ周長2,136mm

(乗るとタイヤが沈むので2,127mmくらいなりますが、まあ今回は‥)

 

下の表に出ていますが、700Cと650Bではタイヤ周長の差は10cm程度ですが、フロント50Tでリア12Tの場合

クランク一周での走行距離は50cm弱の差になります。

 

下の表は計算ツールでフロント50,52,53 リア12-25 ケイデンス80 速度35kmで設定しています

 

ギア比 700Cでも650Bでも同じ(笑)

ここで注目したいのはF50TとF53TではR1速分の差がありF52TではR2/3速分の差があるという事になります、F50T-R17TとF53T-R18Tは同じギア比です。下の表からはクランク1周で進む距離や速度も同じようになっているのがわかります。

 

クランク1周で進む距離 700C

 

クランク1周で進む距離 650B

ここでは700Cと650Bをクランク一周で進む距離から比較してみます、クランク一周での走行距離は50cm弱の差になります。しかし、F50T-R17Tの700CはF53T-R17Tの650Bと進む距離が近い事がわかります、ケイデンスは同じでリアギア比も同じ、つまり700Cから650Bに乗り換えた場合には700Cの時にF50Tであったなら650BではF53Tにするとクランクを一周回したときに進む距離が同じになります。

ペダリング時の重さは諸説あり同じとは言い切れないと考えています。フロント46Tと52Tでは重さの違いは顕著にあらわれるかもしれませんが、50Tと52Tや52Tと53Tでは乗っているうちに慣れて無視できる範囲かも知れません。ただしインナーの34Tが必要な場合は50T一択となるでしょう。

 

ケイデンス80での速度 700C

ケイデンス80での速度 650B

ケイデンス70での速度 650B

ケイデンス85での速度 650B

ここでは700Cと650Bで同じ速度で走行する場合のケイデンスの違いについて、700Cと650Bで両方ともF50Tでリアも同じギアなら650Bではケイデンスを5あげれば同等になりますが、F53Tであれば700Cと同じケイデンスで同等の速度が出せる事になります。

つまり、700Cから650Bに乗り換えたならF50T使っていた方はリアを同じギアで選択した場合はF53Tに変えないと同じケイデンスで走行した場合に速度が同じにならないと言う事です。

しかしながら、リアのギアを1速上げれば(17T→16T)同等の速度で走行する事ができます。

あと、レースの後半でケイデンスが70に落ちたり、逆に追い風の場合にはF50Tでは足りなくなる可能性が出てくるでしょう。

 

ヒルクライムでは特に要注意!2度美味しい650Bフレーム

これまでの検証からヒルクライムでは特に要注意が必要です、例えばこれまで700CでF34 R25だったとします。

650Bに乗り換えると同じペースでペダリングしているとタイヤ1回転あたりの進む距離が13センチ程度短くなります、もちろんペダリングが軽くなるので楽になりますが、上記のことに気付かないとタイムが落ちたって事になりかねません。

650Bに乗り換えてF34のままならR25を封印してR23縛りで頑張ると700C F34 R28より12センチ距離が延びます、そしてギアが一枚分重くなるでしょう。ヒルクライム専門という方はクランク長を見直して少し長めにするとテコの原理で回しやすくなるかも知れませんね。

私の場合はCnayon Infliteはシクロクロス用バイクですので、ヒルクライムでは700Cに履き替えたりしています。エアロバイクでない限りは700Cを履けるフレームも多いと思いますので、購入前に700Cが履けるかを確認すると平坦では650Bでエアロ効果を最大に、ヒルクライムでは700Cで登坂効率を稼ぐという2度美味しい使い方ができます。

 

 

ズバリ!フロントは52T-36Tを選択、その理由は?

いろいろ調べながら検討した結果、私はフロント52T-36Tに交換しましたが交換した理由は以下の通りです。

・追い風時、F50T R12Tではケイデンス80で40km/h以上になるとギアが足りなくなる

・向かい風時、ギアを軽くして高ケイデンスにした時にクロスレシオでなくなる

・クランクが165mmを使用しているため52Tと比較して53Tではトルクが弱くなる

・チェーンの動きが少ないほど効率が良い。チェーンが鋭角になるにつれ損失が大きくなる(引用)

 ↑同じギア比であればフロントが大きくなればリアも大きくなる

上記のようなことと自分自身の脚力から現在の私はフロント52Tがベストなようです。

 

フロント52Tに交換して心配な事とこれから‥

フロントを50Tから52Tに交換することで心配な事は膝を壊さないかと言う心配があります。必要なパワーはおおよそ700Cの50Tと同じですので、トライアスロン特有のポジションから体重を利用したペダリングで膝に負担がかからないように重いギアでヒルクライムの練習するとかペダリング技術を磨いていく必要があると考えています。

 

今回いろいろ調べてみて判ったことは、フロントとリアを合わせたギア比が同じ場合でもフロントとリアの歯数が違う場合はペダリングの重さは極々僅かながら同じではない可能性もあると言うことです。

その他、53-39を選択せず52-36を選択した理由は以下の通りです。

・クランク長の影響からフロントチェーンリングの中心からチェーンリング外周までの長さ比によるトルク効率の違い

・チェーンの曲がり角度による摩擦

・チェーンの歯数差による掛かり数による摩擦

・53Tと52Tの違いなど、細かいことは誤差の範囲で体感できるほどではない

・私自身が心肺能力が低く高ケイデンスに向いていない

・トライアスロンではあまりありませんが、斜度が6%以上あった場合F53T-39Tでは軽いギアでF39-R25は重すぎる

 

このようなことから、チェーンはデュラエースに交換することが僅かですが摩擦を減らす近道かも知れません。

特にチェーン交換は安価に直ぐにできますので、プラシボー効果を期待してやってみようかなと思います。

さらにトルクアップの為に簡単かつ直ぐにはできませんが、身体の柔軟性をトレーニングし170mmのクランクを使用できるようにする事も今後の検討課題になるかもしれません。

 

700CのF50Tは650BのF53Tと同等、F52Tは若干低い

脚力に自信のない方や小柄な女性、ヒルクライムされる方は迷わずフロント50T-34T一択です。

私もヒルクライム用のシクロクロスはフロント50-34から交換するつもりはありませんが、リアは11T-25Tか28Tでも30T

と同等になるので、リア30Tまでは必要ないかなと考えています。

いろいろと調べた際のエビデンスまで掲載しておりませんが、興味のある方は調べられると奥が深いので興味深いです。

今回はこんなところです。

ちなみにフロント50T-34Tから52T-36Tに交換したところ10km折り返し20kmで自己ベストが出せました。

 

今回の記事はちょっとマニアックなところがあって、なかなかお伝えするのが難しいと思いながら書いておりました。

650Bのタイヤを使用することによる700Cとの差(ハンデではなく特徴的な差)を理解してより速く走行するにはどうしたら良いか?またタイヤ周長の違いによって700Cとの比較上、走行にどよの様な影響があるかについて理解していただけたら幸いです。

650Bの選択はリスクではなく適切なギア選択によって乗りこなすことが大切だとお伝えしたかったということです。

そこそこ速い方が650Bに乗るならフロントのギアの歯数をF53以上に上げた方が効果的ですとお伝えしたいです。

次回は実際のトライアスロンレースで一年前に使用した650B Speedmaxと700C Tarmac SL6と比較してどうだったかというインプレを共有させていただこうと考えています。