ヒナタに咲くハナ
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ヒナタで咲くまで6

陽向くんの体、陽向くんの声。





あたしの髪をなでる手は、大きくて安心した。








元彼と陽向くん。







好きでいても仕方ない相手と、好きになっちゃいけない相手。








天秤は、揺れてばかりで。







今横にいる彼の温もりにすがりたくて。








結局自分が一番かわいいんだ、あたしは。








彼はバイトが始まる時間になってもあたしといて、バイト先の人に謝りの電話をいれていた。







夏の昼間の日差しはキラキラ眩しくて、夜型のあたし達は、笑っちゃうくらい白く透き通って見えた。





「また連絡するね」と笑って帰って行く陽向くんの車を見送ったあたし。




鍵を出そうと手を入れたバッグの中には、昨日途中で見るのをやめたビデオがあった。





忘れ物。





故意に、忘れられたビデオ。





少なくとももう一度は会える。






あたしはすぐに陽向くんに連絡して、また今日会うことにした。

ヒナタで咲くまで5

危険だって、何もしないわけないって、胸の奥で鳴る警告音。





目を丸くして陽向くんを見るあたしを、陽向くんは笑った。





「あはは、そんなビックリしないでよ(笑)
俺じゃ華ちゃんに釣り合わない?」





彼はおどけて言う。





『いいよ、ビデオ見よ』




肩をすくめて、あたしはそう言った。








ホテルについて、早速ビデオ鑑賞開始。




あたしは怖い話が大の苦手で、顔半分が隠れるくらい布団をかぶっていた。





右を見ると、ソファーに座ってタバコを吸ってる陽向くん。





途中で本当に怖くなってギブアップしたあたしに、しょうがないなって顔をして、テレビの電源を消してくれる。





ベッドの中に入ってきた陽向くんは、タバコのにおいがした。





あたしの頭をぽんと叩いて、彼は「おやすみ」と言う。





最近全然寝てなかったから、そのまま大爆睡するあたし達。







朝、先に起きたあたしは陽向くんを起こす。





『おはよ』と覗き込んだあたしをそのまま抱き寄せた彼。






ほら、何もしないなんて嘘。



あたし達はそのまま繋がった。

ヒナタで咲くまで4

その日の夜、陽向くんが迎えに来てくれて映画館に向かった。





ホラー映画が見たかったらしく、一つも面白そうなのがやってなくてご機嫌斜めな彼。





しばらくドライブをしたあたし達は、昨日から寝てないことも、知り合ってまだ丸一日しか経ってないことも感じないくらい仲良くなってる。





時間は02:00





陽向くんの車はあたしの家に向かった。





あたしは眠気が最高潮。




途中で急に、
「帰る?」と声をかけられた。



『どっちでもいいよ。ただ、眠い…』




「じゃぁさ、ビデオ見よ?俺借りたままのやつ見てないんだよね」




『いいけど…華んちあげるのは無理だよ?』




少しの沈黙の後、陽向くんはあたしの目を見て言った。







「じゃぁさ、何もしないから、ホテルいこ?」